前回までの記事では、ウィーンで住居を探すときに考慮すべきポイントや、実際どのような方法で探したらよいかということについてお話ししました。今回は、実際住居探しをする上で、必ず知っておくべきこと、また住居を決める時に注意した方が良いことについてご紹介したいと思います。
1. 住居探しに必要なドイツ語
もしも、ドイツ語ができる日本人が住居探しを手伝ってくれるのであれば心配はありませんが、そうでないならば、住居探しをする上で必ず知っておくべきドイツ語があります。後々トラブルになることを防ぐためにも、お部屋に関連する必要最低限のドイツ語はチェックしておくとよいでしょう。
■お金に関するドイツ語
Miete(ミーテ)…家賃のことです。
Nebenkosten(ネーベンコステン)…部屋そのものの値段の他にかかってくる料金。共益費や暖房代などの値段です。
Betriebskosten(ベトリープスコステン)…日本でいう共益費のようなもの。エレベーターの使用料、ゴミの処理にかかる金額などを、マンションの住人で割って、月々支払います。通常広い部屋に住むほどベトリープスコステンは高くなります。家を決める際に、提示された家賃の中に、このベトリープスコステンが含まれているのか、いないのかを必ず確認するようにしましょう。
Heizkosten(ハイツコステン)…暖房費のことです。
MwSt.(メーアベルトシュトイヤー)税金のことです。Inkl. MwSt.ならば税込みの金額、exkl. MwSt.ならば税抜きの金額になります。
Kaution(カウチオン)…日本でいう敷金のことです。家賃の3か月分程の金額なことが多いですが、物件によって違うのでチェックするようにしましょう。日本の敷金と同じく、部屋をきれいに使っていれば退去時にこのお金は戻ってきます。
Provision(プロヴィジオン)—日本でいう礼金のことです。家賃の2か月分程度の金額なことが多いようです。(2MMとあれば、2か月です)このお金は不動産屋さんに支払うものなので、返ってきません。予算の都合で礼金無しの部屋を探したいのであれば、Provisionfrei(プロヴィジオンフライ)と書かれている部屋を狙いましょう。
Ablöse(アプローゼ)…部屋に置かれている家具やキッチンの設備を買い取るための値段です。家具が気に入らなくても、買い取ることを条件に部屋が貸し出されることもあるので注意が必要です。
■家に関するドイツ語
Wohnung(ヴォ―ヌンク)–お部屋のこと。日本でいうマンションに近い感じの物件です。それに対して(ハウス)は一軒家を指します。
Altbau(アルトバウ)…第二次世界大戦以前の建物。石造りの高い天井が特徴
Neubau(ノイバウ)…第二次世界大戦以降の建物。日本の建物のような造り
Zimmer(ツィンマー)…部屋/部屋数を表します。
Wohnfläche(ヴォーンフレッヒェ)…部屋の広さです。平米で表されます。
Vorzimmer(フォアツィマー)…日本の玄関のようなスペースです。
Wohnzimmer(ヴォーンツィマー)—居間です
Schlafzimmer(シュラーフツィマー)…寝室です。もしも建物に中庭があるのならば、寝室が中庭に面している部屋を選ぶのがお勧めです。
Badewanne(バーデヴァネ)—湯船です。湯船がついた部屋に住みたいのならば、この文字があるかチェックしてください。シャワーのみの場合はDusche(ドューシェ)と表示されています。
Küche(キュッヒェ)…台所です。
Stock(ストック)…部屋が何階にあるかを表しています。EGは地階(日本でいう1階)を示し、Mezzani(メッツァーニ)は中二階、DGは最上階を示します。メッツァーニは天井が低い造りになっていることが多く、最上階はテラスがある見晴らしの良い部屋であることが多いです。日本で言う2階は、ウィーンでは1階になります。
Fahrstuhl/Aufzug(ファーストゥール/アウフツーク)…エレベーターのことです。アルトバウの場合、エレベーターを使用したい人は、お金を払ってエレベーターの鍵を借りなければならないこともあります。
Parkplatz(パークプラッツ)…駐車場です
■契約に関するドイツ語
mieten(ミーテン)…借りるという意味です。kaufen(カウフェン)は購入するという意味なので、インターネットで借りて住む部屋を探しているなら、ミーテンの方を選びましょう。
Vermieter(フェアミーター)…大家さんです。
Nachmieter(ナーハミーター)…次に入ってくる住人のことです。
Zwischenmieter(ツヴィッシェンミーター)…誰かが住んでいる部屋を、住人が不在の間だけ借りる人のこと。借りられる期間に限りがありますが、大抵の場合家具や台所用品等が揃っているので、すぐに住めることが魅力です。
Verfügbar(フェアヒューグバー)…いつから住めるかを表しています。すぐに住みたいのであれば、フェアヒューグバーがab sofort(アプ ゾフォルト)となっている部屋を探しましょう。
Befristung(ベフリストゥンク)…その部屋に、どのくらいの期間住む権利があるかを示しています。3 Jahreと示してあれば、その部屋に最大3年間住むことができるということです。その期間が過ぎた後は、契約を更新して引き続き住めることもありますが、大家がそれを望まなければ出ていかなければなりません。同じ家に長く住みたい人には不利なので、できればunbefristet(ウンべフリステット)とある部屋を見つけるのがベストです。ウンべフリステットの家には、追い出される心配なく、ずっと住み続ける権利があります。
mobilisiert(モビリジエルト)…家具付きの物件です。ウィーンに短期間しか滞在しないのであれば、家具付きの物件を探したほうが便利でしょう。
2. 内覧をする時にチェックすべきこと
気になる部屋を見つけたら、大家さんや不動産屋さんと日程を合わせて、内覧に行ってみましょう。内覧はドイツ語でBesichtigung(ベジヒティグンク)といいます。質問事項やチェックする点は事前に紙に書いて控えておくと、限られた時間で効率よく部屋の情報を得ることができます。主に内覧をする上でチェックすべきことをいくつか挙げておきます。
■鍵は頑丈か
ウィーンはヨーロッパの中でも比較的安全な街ですが、空き巣などの犯罪は残念ながら少ないとは言えません。それにも関わらず古い建物の家の扉には、おもちゃのような鍵がたった一つついているのみ、などということもあるので、扉にいくつ鍵がついているか、どれだけ頑丈な鍵がついているかは確認しておくとよいでしょう。
■窓の機密性に問題はないか
古い建物で特に確認したほうが良いのが、窓の機密性です。窓と窓枠の間がぴったりと閉まっていないと隙間風が入るため、冬はいくら暖房を入れても温まらない、などというトラブルが起こります。
■傷があったら写真を撮っておく
入居する前にもともとあった傷を、自分のせいにされて、修繕費をカウチオンから引かれてしまうというトラブルがあります。特にノイバウの部屋では内覧時に目につく汚れや傷があれば、予め写真を撮っておくとよいでしょう。
■光熱費はどれくらいかかるか
もしも、内覧の際に先住人の人と話すチャンスがあるのならば、月々光熱費がどれくらいかかっていたかを聞くと、予算のプランが立てやすくなります。
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