前回の記事では、ウィーンで住居を探すためのお役立ち情報を、いくつかご紹介させていただきました。今回の記事でも続けて、ウィーン市内で快適な住居を見つけるための、ヒントをご紹介させて頂きたいと思います。
1. 住居に求めるものは何か
人それぞれですが、その住居を快適、と思うためには絶対譲れないポイントがあるのではないかと思います。今回はその中でも、チェックしておくべきいくつかの点について挙げておきたいと思います。
■バスタブは必要か
オーストリアには、バスタブがついておらず、シャワーしかない住居が多くあります。日本のように湯船につかる文化がないので、オーストリアの人には問題がないのかもしれませんが、私たち日本人には、寒い冬にバスタブがない家に住んでいると、日本のお風呂が恋しくなってちょっと悲しい気分になることもあります。家にバスタブがついているか、シャワーだけでも大丈夫かは、チェックするポイントの一つです。
■お湯をずっと出し続けても大丈夫か
念願のバスタブ付きの家を見つけても、そこで油断は禁物です。ヨーロッパにはボイラーでお湯を沸かすシステムの家が多くあり、沸かされたボイラー内のお湯がなくなってしまうと、またボイラー内の水が温まるまで、冷たい水か出なくなってしまうということがあるのです。小さいボイラーしかついていない家や、何人かで家をシェアして住んでいて、みんなが同時にお湯を使う場合など、シャワーをしていたら途中から水になってしまい、凍えながらシャンプーを洗い流した、とか、バスタブにお湯をためたら、その後シャンプーするためのお湯がなくなってしまった、なんていうことが日常茶飯事に起こってくるので、もしもいつでも十分な量の温かいお湯を使いたい場合は、家を借りる際に大家さんに、十分に大きなボイラーがついているか、またはDurchlauferhitzer(ドルヒラウファーヒッツァー)という、いつでもお湯を供給できるシステムであるかを確認してみるようにしましょう。
■バルコニーやテラス付きの家を希望するか
ベランダ付きのマンションといえば、日本では特に特別なものでないですし、使い道といったら洗濯物や布団を干すことくらいですよね。ヨーロッパの夏は、日本の夏と比べて湿気が少ないので、屋外で大変気持ちよく過ごせます。夏はバルコニーに座ってブランチをしたり、ワインを飲んだりと、バルコニーやテラスが大活躍。そのため、オーストリアでもバルコニーやテラス付きの住居が大人気です。ただし、残念ながらバルコニー付きの住居は値段がとても高いことが多いので、予算とよく相談する必要があります。
■温度と階数
驚いたことに、一部の新築の建物を除いて、ウィーンの建物のほとんどにはがエアコン備え付けられていません。そのため、注意しなければならないのが住居の階数です。
地上階に近いほど、道路の騒音が届きやすいので、大通り沿いの住居ですと窓を閉めっぱなしにしなければいけない可能性があります。ただし、住居にエアコンが備え付けられておらず、真夏で暑さに耐えられない場合は、窓を開けて騒音を我慢するか、窓を閉めたまま暑さを我慢するかの究極の選択を迫られることがあります。
地上階は、通りから部屋が覗かれてしまうので、年中カーテンを閉めっぱなしにしなければならないですし、陽が入りにくいので冬は寒くて暗いなどという問題が起こることがあります。防犯面でもリスクが高いと言えるでしょう。しかし、そのため家賃が安いことが多いという利点があります。
それでは、最上階の住居が良いのかというと、最上階は冬場に部屋が温まりにくいという欠点があります。(石造りの建物は、上下左右の住居が暖房をかけていると、真ん中に位置する住居は暖房をかけてなくても周りの住居からの熱で、暖かく過ごすことができたりします。)
また、Dachgeschosswohnug(ダッハゲショースボーヌンク)と呼ばれる、建物の最上階に位置するテラス付で見晴らしのよいガラス張りの住居は、おしゃれで大人気ですが、このようなタイプの家はエアコンがついていないと夏は温室状態でとんでもなく熱くなるので、ダッハゲショースボーヌンクを選ぶときは、エアコン付きかを必ず確認するようにしましょう。
2. 住居の探し方
どのような住居を希望するのか、大体決まったのならば、いよいよ実際に家探しをしてみましょう。探し方には、大体以下のような方法があります。
■現地の不動産屋に行く
てっとり早く、旬な情報を得ようと思うのならばこの方法です。ただしドイツ語または英語に自身がある人でないと、なかなか難しいというのが欠点です。
■インターネットで探す
日本からでも、大量の空き部屋情報が得られるというのは、インターネットの大きな利点ですよね。まずは、家探しのホームページでどこの区に住みたいか、何部屋の部屋を探しているのか、予算はいくらまでか、などの情報を打ち込み、どんな部屋があるかを探してみましょう。
ウィーンの住居を探すときに役に立つ、いくつかのインターネットサイトをご紹介します。
・Der Standard.at
・Immobilienscout24.at
. Zoomsquare
. Willhaben
. WG-GESUCHT(シェアアパートメントを探す場合)
これらのサイトで、気に入った部屋を見つけたら、大家さんや不動産屋さん、シェアアパートの場合は、未来の同居人になる人にメールや電話でコンタクトを取り、内覧の日程を取り決めます。オーストリアでは、日本のように一番はじめに連絡した人が入居できるシステムとは少し異なり、申し込んできた人全員に内覧をさせて、入居を希望した人たちの中から、貸し手がどの人に貸すかを選ぶシステムが多いです。そのため、なかなか希望した住居を借りることができる苦戦することもありますが、諦めずにどんどんコンタクトをとってみましょう。
■日本人のコネクションを使う
オーストリアに来る前で、またはオーストリアに来たばかりで、まだドイツ語に自信がない場合は、ドイツ語で部屋探しをするということは、大変なストレスですよね。
もしもそんな時、ウィーンに住んでいる日本人の知り合いがいるのならば、彼らに相談して情報を提供してもらうのが一番安心な方法だと思います。
ウィーンに誰も日本人の知り合いがいない場合は、ウィーンに住む日本人たちが活用するインターネットの掲示板に書き込んでみてはいかがでしょうか?
・ウィーン観光情報 掲示板
この掲示板には、ウィーンのお部屋情報が頻繁に掲載されます。こまめに覗いていれば、かなりの確率で部屋を見つけることができます。すべてのやり取りが日本語でできることが利点です。
■学校の掲示板をチェック
留学でウィーンに来た人は、校内の掲示板をチェックしてみるとよいかもしれません。自分が退去した後に住んでくれる人を探していている人や、ルームメイトを探している人が掲示を出していることがあります。
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