ウィーンは、数多くの伝統的なカフェがあることで有名です。その中には、かつての皇室御用達だったカフェハウスもあり、それらのカフェハウスでは、今でもおいしいお菓子とお茶で優雅な時間を楽しむことができます。今回はウィーン1区にある、ゲルストナー(Gerstner)とハイナー(Heiner)という、2件の皇室御用達のカフェハウスをご紹介したいと思います。
1.Cafe Gerstner
ウィーン1区の目抜き通りであるケルントナー通り(Kärntnerstraße)沿いにある、青い看板のカフェハウス。こちらが、今回ご紹介するゲルストナーです。
創業は1847年。
そのクオリティの高いお菓子で、ゲルストナーはあっという間に人気店となり、1869年には、現在のウィーン国立歌劇場で軽食などを出すようになりました。そして1873年に、皇帝から皇室御用達のお菓子屋さんの称号を得ることになるのです。
季節ごとにデザインが変わる、美しいショーウィンドウに入る前からワクワクしてしまうことでしょう。
入口を入ると、右手にケーキやお土産のならんだガラスのショーケース。左手と奥が、お店になっています。お店はこの一階のみで、面積はさほど広くないので、観光のハイシーズンは込み合っていることが多いでしょう。
■ケーキとコーヒー
無事に席を確保できたのならば、ショーケースの中のお好みのケーキをチェックしてみましょう。
ウィーンを訪れるのならば、絶対一度は食べておきたいザッハートルテも絶品ですし、お店の名前を冠したゲルストナートルテもお勧めです。
ケーキと一緒にコーヒーを注文しようとメニューを開いてみると、コーヒーだけでかなりの種類があることに驚くことでしょう。もしも、どれを選んでよいかわからなくて迷ってしまうような場合は、Wiener Melange(ヴィーナーメランジェ)を頼んでみてはいかがでしょうか。
メランジェは、オーストリアの伝統的なコーヒーで、ミルク入りのコーヒーの上に、ふわふわのミルクの泡がのっているものです。
日本で言う、「ウィンナー・コーヒー」は、コーヒーの上にホイップクリームが乗っているものを指しますが、それとはちょっと違うようです。もしも、ホイップクリームの乗ったコーヒーが飲みたいのであれば、それはウィーンではEinspänner(アインシュペナー)と呼ばれるコーヒーなので、少しややこしいのですが、間違えないようにしましょう。
■トイレ
ウィーン市内のカフェに多いのですが、このカフェハウスでもトイレはコードを入力しないと利用できない仕組みになっています。4桁のコードの番号は、お店の人に尋ねれば教えてもらえます。
■ゲルストナーのお店いろいろ
ゲルストナーのお菓子や軽食は、このカフェハウス以外でも、ウィーン国立歌劇場やウィーン楽友協会の中でも味わうことができます。また、新しくウィーン国立歌劇場の向かいの、Kärntner Straße 51にオープンした、ゲルストナーショップの一階では、チョコレートやジャム、オーストリア産の無添加ジュース、クッキーなどの、かわいくて美味しいお土産をたくさん見つけることができます。店内にある、美しいらせん階段を上った2階は、小さな隠れ家風のお洒落なスパークリングバーになっており、そこでは窓からウィーン国立劇場を眺めながら、優雅にシャンパンと、ゲルストナーのお菓子を楽しむことができます。夏季には美しい中庭にも席が出ます。ウィーンの新しいお勧めスポットなので、こちらの店舗も時間があればぜひ訪れてみてください。
Cafe Gerstner
住所: Kärntner Straße 11-15, 1010 Wien
電話:+43 1 5124 9630
アクセス: Stephansplatz駅から徒歩3分
営業時間: 月曜日から土曜日 8:30から20:00 日曜日 10時から18:00
2.L.Heiner
ウィーン市内にある、カフェ ハイナーは全部で3件。2件はウィーンの中心地である1区にあります。一番見つけやすいお店は、ウィーンの目抜き通り、ケルントナー通り上にあるお店ですが、今回は、1852年にハイナーが創業された場所である、Wollzeile(ヴォルツァイレ)にある店舗をご紹介したいと思います。
ウィーン中心地にある、ステファン寺院のすぐ近くにあるヴォルツァイレという小道上にあるカフェ ハイナーは、木のファサードが印象的な美しいお店。
入口をくぐれば、美しいお菓子でいっぱいのショーケースが目に飛び込んできます。
どれもおいしそう!
奥に続く部屋の手前には、オープンサンドイッチが並べられたショーケースもあります。
お店は、1階に小さな2つのサロン。2階は大きな部屋になっていて割と広いため、比較的いつでも座ることができます。
部屋の雰囲気も、なんとも伝統的です。ここは、いつも観光客でいっぱいの他の他のウィーン市内のカフェハウスと比べると、地元のお客さんたちが多く、落ち着いているイメージがあります。
■ケーキと軽食
皇室御用達になったクオリティの高いお菓子は今も健在!
こちらは、ハイナーのApfelstrudel(アプフェルシュトゥルーデル)。シナモンの香りが効いた、アップルパイのようなケーキです。
こちらは、Trüffeltorte(トリュッフェルトルテ)というちょっぴりリキュールの効いたチョコレートクリームのケーキです。
こちらは、お店の名前を冠したHeiner Haustorte(ハイナーハウストルテ)。チョコレートビスケットとミルクチョコレートのケーキです。甘すぎなくてとても美味。
甘いものが苦手な人は、色鮮やかなオープンサンドイッチがお勧めです。
■日替わりメニュー
お茶だけではなく、しっかり食事がしたい!という人には、毎日11時から提供される、Tagesteller(ターゲステラー)と呼ばれる日替わりメニューがお勧め。日替わりメニューは、月曜日から金曜日まであり、値段は6,5ユーロから9,5ユーロ程度。グーラーシュと呼ばれる、ビーフシチューのような料理や、ハンバーグ、ジャガイモとひき肉のパイなど、結構おなかがいっぱいになるメニューです。日替わりメニューは週ごとに変化するので、毎日行っても飽きないほど、バリエーションが豊かです。
■ショップ
もちろんハイナーでも、おいしいお土産を見つけることができます。木箱に入った、ザッハートルテや、木箱入りのChriststollen(クリストストーレン)と呼ばれる、クリスマスの時期に食べられるケーキはとても高級感があり、大切な人のお土産にぴったりです。
L.Heiner
住所: Wollzeile 9, 1010 Wien
電話: +43 1 512 23 43
営業時間: 月曜日から土曜日8:30 から19:00 日曜日と祝日 10:00 から 19:00
いかがでしたか?
ウィーンを訪れる機会があれば、是非皇室御用達のカフェハウスで、特別な時間を過ごしてみてくださいね。
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