マレーシアでは、国民の56%しか生命保険に加入していないと聞くと驚きませんか?当国プルデンシャル生命のCEO、Philip Seah(フィリップ・シア)氏によると、生命保険市場は2020年迄に加入率75%に拡大を狙う成長市場。
そのため、マレーシアの保険についてはネットでも情報量が少ないですが、今回、リサーチと保険会社の方々とお会いした結果、今後生命・医療保険に加入したい方の役に立つことが分かったため、筆者の体験も含めてご紹介します。
マレーシアで加入できる保険会社は?
まず、マレーシアに1924年設立と、最も長い歴史を誇る『Prudential Assurance Malaysia Bhd.(プルデンシャル生命)』。ブランド認知度、国民の信頼度が高いと言われています。また、『AIA Bhd.(エーアイエー)』はアジア太平洋に90年以上のオペレーション歴、マレーシア市場には1948年から参入と、こちらも市場をリードする存在。
その他、『Zurich Insurance Malaysia Bhd.(チューリッヒ生命)』、『MSIG Insurance (Malaysia) Bhd. (三井住友海上火災保険株式会社の現地法人)』、『Great Eastern Life Assurance (Malaysia) Bhd.(グレートイースタン)』、『Manulife Malaysia Bhd.(マニュライフ生命保険株式会社)』、『AXA Affin General Insurance Bhd.』、『Tokio Marine Life Insurance Malaysia Bhd. (東京海上日動火災保険の現地法人)』などが挙げられます。
そもそも、マレーシアにどのような会社があるのかを調べるために役立ったのが、『Ringgit Plus (https://ringgitplus.com/en/health-insurance/medical-card/)』というサイト。色々な会社の商品が一覧で出てくるため、どんな会社があるのか、基礎知識を得るのに役立ちました。
比較!ホームページが親切な保険会社は?
会社をリストアップしたところで、早速各会社のホームページを見てみます。すると、親切な会社、情報がつかみにくい会社とそれぞれで、各社の特色が出ていて興味深いです。
先に挙げた保険会社のホームページを見比べた結果、サイトが親切で情報が充実している会社は、『AXA』がダントツ。直感的に初めて見た人でも分かりやすいサイトとなっているだけでなく、商品によっては加入検討に必要な情報の全てがサイト上にアップされています。例えば、医療保険の一つ『All-in-One Medical & Hospitalization Plan』。商品概要が分かるカタログ、パネルホスピタルリスト(提携病院リスト)、プレミアムレート(支払い金額)、そして、なんとポリシーまで掲載されています。
ポリシーには免責事項や待機期間など加入者にとって重要な情報が書かれていますが、保険会社によっては加入検討段階で「ポリシーを見せて。」と依頼して、嫌がられたことも。その点、AXAの場合は加入者に重要な情報が一般公開されていることに、透明性を感じます。
逆に、ホームページを見てもイマイチ内容や商品ごとの違いが分かりにくい、もしくは見積もりを頼まないと入手できないのは、AIA、Tokio Marine、そしてプルデンシャルでした。分かりにくさの要因の一つは、“もし明日あなたがいなくなったら、大切な人はどうするのでしょう……”など直接商品の内容と関係ないエモーショナルなフレーズが多いこと。肝心の保障内容を読み取りにくくなってしまいます。ホームページがクリーンで視覚的に見やすくても、筆者にとって各商品の違いを見つけにくかったのは、Tokio MarineとAIA。結果的に、担当者にコンタクトする前に面倒になり諦めるか、後回しにするか、よく分からないけどとりあえずコンタクトしてみよう、となるかのどれかではないでしょうか?! ただ、ホームページが分かりにくくても、後で営業の方とやりとりしたり、会ったりした結果、好印象となる場合もあります。この三社が、まさにその例でした。
G社に至っては、見積もり依頼後、担当者からのメールが届くまで待つ事1ヶ月。しかも連絡がやっと来たと思ったら「メールの量が多かったので遅れました……。」とのこと。加入後の対応も遅そうなので、候補から外しました。
ホームページの分かりやすさ、もしくはその後の対応が良かったオススメの保険会社、各社ホームページはこちら:
AIA Bhd:
Prudential Assurance Malaysia Bhd:
AXA Affin General Insurance Malaysia bhd:
MSIG Insurance (Malaysia) Bhd:
頼もしい「セールスマン」がいる会社は?
筆者の個人的経験からとなりますが、AIA、プルデンシャル、AXAでは生命・医療保険共に、大変良い経験をしました。
AIAで担当下さったAgnes(アグネス)さんは、生保業界に長いベテランで知識豊富の、頼もしい方。他社で投資付き商品を執拗に勧められる事もあった中、こちらの希望を聞き、最善な商品を提案してくれました。AIAのホームページが分かりにくかったことと、最初の問い合わせ方法がメールでなく電話のみ可能だったため、面倒でコンタクトを後回しにしていました。それがメールでやりとりを始めた結果、大変スムーズにコミュニケーションが運びました。会う前にメールのやりとりを重ね、見積もりもメールで頂き、レスが早く信頼できそうな方だったことが、会いたいと思う決め手となりました。実際にお会いすると、待機期間や免責事項などの説明も、しっかりしてもらい、安心感が増しました。「待機期間や免責事項は、加入者が見落としがちで、実はマレーシアではあまりポリシーの詳細を読まずに加入のサインをする方も多い。でも、入ってからトラブルになるのを避けたいから、ちゃんと説明するポリシー」だとおっしゃっていました。
プルデンシャルの外交員の方は、なんと日本語が話せる方。他サイト運営者の日本人の方が、親切に紹介下さいました。そのため、丁寧に接して頂き、信頼感が持てました。レスポンスも数日以内で、土日もお返事をもらえるなど、丁寧に応対頂きました。最も好感が持てたのが、他会社と違い「10年以上マレーシアに住まないなら、投資型でなく掛け捨てがいい」というアドバイス、また“一番プレミアムが安い商品から勧める”という、良心的な方であること!押せ押せのセールスもしません。高額商品から勧めたがる会社が多い中、これは良い意味で驚きました。
AXAはCyndy(シンディー)さんという方に対応頂きましたが、筆者の数多くの質問に迅速丁寧に答えてくれ、温かい感じの方です。投資型の商品を勧められたものの、計算表を見ると10年以上在住しない人に魅力はなく、興味がない旨を伝えた後は、違う商品を気持ち良く案内してくれました。医療保険の一部はPeiyi (ペイイ)さんに対応頂きましたが、迅速丁寧かつ細かいところに気がつく方でした。AXAのセールスレディの、クオリティの高さを感じました。見積もりは、ホームページ上にあるだけでなく、ホームページにない商品についてはメールですぐに送ってくれます。最初のコンタクトから見積もりをもらうまで、また見積もりをもらってから質問に答えるまでのレスの速さは、どの会社と比べてもナンバーワン!でした。
その他、MSIGでは最初日本人の担当者の方がやりとりに入ってくれ、信頼感がありました。また、Tokio Marineでも日本語ができる、という方が途中から担当となりましたが、実際は日本語でのメール意思疎通がちょっと不便で、英語に切り替えたくなったものの、気を悪くしてほしくないため言えずに、そのまま交信がフェイドアウト。また、見積もりはメールでなく外交員と会ってからとのガイダンスが最初あったため、交渉によりメールで見積もりをもらうことに。そのため、最初のコンタクトから見積もり入手まで、筆者の場合、他社より時間がかかりました。その間、他社とのやりとり、見積もり入手はどんどんメールベースで進んでいったため、筆者の候補リストから取り残される形となりました。Tokio Marineは、やはりブランドの安心感があるのと、商品としても魅力的な生命・医療保険がリーズナブルなプレミアムで揃っていたので、最初のコンタクト以降のスピード感が、ちょっと残念でした。
いかがでしたか?上記は、筆者の保険加入に伴う個人的なリサーチと経験を基にした、2016年7月時点の情報となります。ここまで、マレーシアの保険会社、ホームページ、セールスの方について、お届けしました。次回は、色々比べた中で、シンプルな生命・医療保険について、マレーシアで探すのが困難な“風邪などの軽度通院保障つき医療保険”について、またセールスの方に聞いたマレーシアの保険裏事情などをお送りします!
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