人もあったかマレーシア!観光でもローカルと触れ合える方法

マレーシア

「不便さは嫌。でも洗練されすぎているのも、味気ない。」という欲張りな旅人は、マレーシアに行くべき!東南アジアの生活・産業発展水準ランキングでは、トップがシンガポール、3番目がインドネシアで、中間がマレーシア。観光や生活に不便がない程度に開発されていて、かつ文化的側面も色濃く残るバランスが取れた国なのです。そんなマレーシアで、ローカルの人々のコミュニティに近づくことで、思い出深い旅にしてみませんか?

懐が深い「多民族国家」マレーシア

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まず、前知識として、マレーシアはマレー系、中華系、インド系と3つの民族が共生する多民族国家です。

民族ごとに異なる生活様式を、それぞれが干渉することなくオープンに受け入れているため、多様性に寛容な国と言えます。

多人種が融合しつつも別々に暮らす姿は、日本人にとって新鮮にうつることでしょう。

また、どの人種の人々にも共通しているのが、あくせくせず、のんびりしていること。観光客にも大変フレンドリーですが、観光客ずれはしていません。そんなところに、ホッとするのではないでしょうか。

だから、“あったか”マレーシアの良さは、「人」からくるもの。そのため「人」を意識して観光をすると、旅がより印象深いものになるはずです。

では実際に、観光シーンでは、どのように地元の人々と触れ合えるのでしょうか?下記に、クアラルンプールで観光をする場合のアイデアをご紹介します。

駅の主役!ストリート・ミュージシャン

ここ、マレーシアの大都市クアラルンプールでは、“ストリート・ミュージシャン”の姿をあちこちで見ることができます。有名なランドマーク、ペトロナス・ツインタワーのお膝元であるKLCC駅でも、毎日時間ごとに異なるミュージシャンの演奏を楽しめます。バイオリンとドラムでパワフルな演奏をするポップ・ミュージック・バンドもあれば、弾き語り独奏も。やはり週末や夕方など人の多い時間帯には、人気があるミュージシャンが出演して、観客は大盛り上がり!

見に来るのはローカルの人々が大変多く、老いも若きも、みんなの娯楽となっています。バンドによっては、マレー語の歌を披露することも。それが、大変ドラマチックなメロディーで観客を湧かせていたため、ローカルが好きな曲風が少し分かりました。

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こちらの、懐かしさを覚える音色のフルートを演奏するのがAyawan Musafir Singgah(アヤワン・ムサフィー・シンガー)さん。人が交錯する駅がアヤワンさんの演奏により、途端にノスタルジックな雰囲気に包まれました。

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こちらは、『RWB (Elisa and Naim)』というバンド。エリサとナイムさんというカップルの演奏で、なんとKiroroの『未来へ』を完璧な発音の日本語で、感情をたっぷりこめて歌い、注目を集めていました。

このように、路上で細々とパフォーマンスをするのではなく、大都市の主要駅構内で堂々と、きちんとした音響設備に背景と、整備された場を与えられるストリート・ミュージシャン。これは他国ではあまり見ないので、驚いてしまいます。背景にあるのは、『MALAYSIAN BUSKERS CLUB(マレーシアン・バスカーズ・クラブ)という団体の尽力。この団体がミュージシャンをまとめ、一般や政府へのロビー活動を通してストリート・ミュージシャンのイメージや認知度を高めて来たため、ミュージシャンたちが主役級の扱いを受けることができるのです!観光で来る方も、ローカルが好きな音楽を一緒に楽しんでみるのも、楽しいかもしれません。

朝の「ナシレマ」屋台

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普通のローカルの生活を垣間見るのにぴったりなのが、朝の屋台。夜の屋台はすでに有名なクアラルンプールですが、朝の屋台はまた雰囲気が異なり、格別です。日本にはない習慣ですが、当地で働く人は、出勤後会社で朝食を食べることが少なくありません。

それで、オフィス街や商業ビルの近くでは路上の屋台で『ナシレマ』というマレーシア料理が売られています。これを、通勤者が朝食としてテイクアウト用に買っていくのです。

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こちらは、いつも行列が出来ているナシレマの屋台。売っている方は一般のローカルの夫婦の方です。奥様のイザさんが振りまくさわやかな笑顔が遠くからでも見えるため、目に付く屋台です。イザさんに話を聞いてみると、彼らは早起きして家で大量のナシレマを作り、遠くから市内中心部までワゴン車でやってきて、午前8時頃から路上で販売開始をするとか。屋台ごとに店を出す場所が決まっているため、毎日同じ場所に同じ人々が店を出します。他の屋台が売れ残り、店をたたまない中でも、イザさんの屋台はいつも午前10時過ぎには完売。2人はそそくさと帰ります!

ご飯につけ合わせるために、チキン、ビーフなどいろいろおかずが選べますが、各種食べ物は、蓋つきの容器で管理されていて、衛生的にも安心です。ちなみに、この『ナシレマ』は “ご飯と脂肪”という意味です。その中身はココナツミルクで炊いたご飯に、ピリ辛ソースがからんだチキンなどのおかずにキュウリ、カリカリの魚のフライや豆とともに頂くもの。筆者も購入してみました。

チキンがほろっと溶ける柔らかさ。チキンの辛さが、甘いご飯で中和されます。ご飯やチキンと違う食感でアクセントになるのが、小魚に豆。チリソースの量が調節できるため、辛いものが苦手な人にでもトライしやすいのはないでしょうか。値段は、ナシレマ1つで、4リンギット!(日本円で約114円)特に中華系を中心に家でご飯を作る習慣があまりないマレーシアで、外食の安さは観光客にとっても、魅力です。

以前、筆者がお隣の国・シンガポールに在住していた際、中華系マレーシア人の方々と仕事をしていました。会社で朝食をとる彼らの姿を見るにつけ「朝からモリモリ食べるなぁ」と思っていました。赤道直下の暑さゆえ、朝から体力をつけないと1日を乗り切れないためだと、後で分かりました!

朝からエナジー・チャージをしつつ、大きなショッピング・センターでは味わえない、普通のローカルの人々とのリラックスした会話。それを楽しめるのが、朝の屋台です。

街のことを一番知っているタクシー運転手

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クアラルンプールは、電車がカバーするエリアが大きくありません。

そのため、観光客に欠かせない交通手段は、タクシー!最近はタクシーを呼ぶアプリが、安全性から人気です。そうやって呼んだタクシー運転手は、中華系、マレー系、インド系と、マレーシアの人種を網羅しています。彼らとの会話から、ローカルのリアルな生活形態を知ることができます。観光中、タクシーは移動手段と割り切らず、色々話しかけてみては?

マレーシアでは、学校も中華系、マレー系、インド系に分かれていること。昔は違ったが、現在は中華系の学校で中国語、マレー語と英語の3 言語を同時に学ぶことが普通であること。最近の世界的な中国語需要から、人種の垣根を越えて中華系学校に就学するマレー、インド系生徒も多いことなどを、筆者はタクシー運転手の方を通して知りました。

一日中路上を走って過ごすため、街のことを一番よく知っているのも、彼らです。「このエリアは気をつけたほうがいい」「ここでしか買えないお土産が買える」「ここに行く時の近道はこれだから、遠回りしようとするタクシー運転手には気をつけろ」など、フレンドリーにこちらが話しかけると、色々お役立ち情報を教えてくれることが多いです。

写真は、日本が大好きで日本語を勉強中のタクシー運転手、リムさん。スーツケース2、3個が余裕で入る新車のトヨタ・イノーバを運転し、これまで200人以上の客が、彼のサービス満足度に最高点を付けた優良運転手です。交通事故が多いマレーシアで超安全運転がモットーのため、日本人コミュニティにも人気の彼には、筆者も日々お世話になっています。彼のように日本人に親しみを持つタクシー運転手が多く、挨拶を日本語で返す運転手もいるほど。もし英語が得意でなくても、気後れせずにコミュニケーションが取れますよ。

ローカルの家族連れが多い「KLCC公園」

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クアラルンプール滞在者は、日本で言う“銀座”にあたる、KLCC中心部のホテルに滞在する方が多いですが、『KLCC公園』はぜひ訪れるべきスポット。ここは、ニューヨークの『セントラル・パーク』みたいに、ビル群のど真ん中にある
ローカルのオアシスなんです。

ペトロナス・ツインタワーを見上げる絶好のロケーションで、とにかく平日、休日と家族連れのローカルの人々が多いです。ここに来れば、子沢山なローカル女性が子どもたちを日光浴させている様子が見られたり、家族旅行の方であれば子ども同士が自然に遊び始めたりすることで、ローカルとの交流ができます。

ローカルが多い理由は、パブリック・パークで入場料が無料なのに、遊具などのメンテナンス、清掃と警備がかなりしっかりしており、安心して利用できることが一つ。清掃員、警備員があちこちに配置され、園内を巡回しています。例えば大人が小さな子ども用のブランコに乗っていたり、靴を脱がないといけない水遊びプール周辺で靴を履いていたりなど、ルールに反することがあれば、警備員がピーッと笛を吹いて遠くから注意します。注意される観光客を何度も見たことがありますが、みなさん、大変恥ずかしそうにしています!

遠くに住む地元民もわざわざやってくるこの『KLCC公園』で、ローカルのように、“じゃらんじゃらん(マレーシア語で散歩の意味)”してみましょう!

今回、観光でローカルと触れ合うアイデアをいくつかご紹介しました。ローカルの生活様式が残るマレーシアでは、このように地元の人々が暮らすような目線で旅を楽しむと、違う発見がありますよ!

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