バリ島の名物は、なにもバビ・グリン(豚の丸焼き)だけではありません。
豚肉を使ったバリ島の美味しい料理の一つに、サテ・バビがあります。
今回はサテ・バビの中でも、街中で賞味できるものとは少し違ったサテ・バビを食べることができるワルンをご紹介します。
バリ島の隠れた名物のサテ・バビとは?
サテ・バビとは、サテ料理と呼ばれる串焼き料理の一種で、串に刺した豚肉に甘辛いタレを付けて炭火焼きで焼いたものを指します。
なかなかイメージしにくいかもしれませんが、日本の焼き鳥の豚肉バージョンを想像して頂ければ、サテ・バビのイメージに近いといえるかもしれません。
通常、サテ・バビはバビ・グリンを注文すると、ラワールやウルタンなどとセットで提供されます。
ですから、バビ・グリンの本場であるバリ島でバビ・グリンを食べたことがあるという人なら、きっと「あ、あれがサテ・バビか」と思い当たるのではないでしょうか。
道路沿いで販売されていることが多いサテ・バビは、甘辛いしょう油ベースの味がほとんどですが、サンゲにあるサテ・バビのお店ではめずらしいピーナッツソース味のサテ・バビを食べることができます。
サンゲってどんなところ?
バリ島のサンゲは、各観光エリアからブドゥグル方面へ向かう途中にある地区です。
クタからアクセスするのであれば、車で1時間ほど走ると、青々とした美しい田んぼの風景が目前に開けるでしょう。
めずらしいピーナッツソース味のサテ・バビが食べられるワルンは、このサンゲ地区にあります。
サンゲ地区に入るとポツンポツンとワルンが建っているのを目にすることができますが、目指すワルンはこの地域で一番古い歴史を持つ「ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠ」です。
ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠ
「ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠ」は、ローカルの間でも知る人ぞ知るグルメスポットとして知られています。
お世辞にもきれいとは言えない座敷が広がる店内には、地元バリ島の人々以外にも、ジャカルタやスラバヤからのインドネシア人観光客がたくさんいます。
ワルンの従業員は、肝っ玉母ちゃんと呼ぶにふさわしい容貌をした地元のおばちゃんばかり。
スタイル抜群で若くて可愛いバリ人ウェイトレスの姿なんてまったく見当たりませんが、愛想が良いとはとても言い難い肝っ玉母ちゃんたちが一生懸命働いているせいか、とても好感度の高いワルンです。
料理が美味しいのはインドネシア人お墨付きですが、このワルンでなにより素晴らしいのは料理が提供されるスピードです。
どんなに団体客が入店しようと、どんなに混雑していようとも料理を提供するスピードに変わりはありません。
従業員が口ばかり動かしてほとんど手を動かさない、東南アジア特有のレストラン風景を目にするのが当たり前になっていると、キビキビとよく働く肝っ玉母ちゃんたちの姿に拍手を送りたくなってしまいます。
田んぼビューを満喫しながら食事ができる
ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠの素敵なところは、田んぼビューを満喫しながら食事ができる点にあります。
半屋外の店内には田んぼからの涼しい風が吹き込み、まるでピクニックをしているような気分を満喫できます。
しかし、ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠはワルン(食堂)とはいってもふつうの食堂とは違ってテーブルもイスもなく、ただ広々とした空間が広がっているだけ。
初めて入店するときには、この異様な空間にしり込みしてしまうかもしれません。ですが、ここはいわゆる桟敷のような席なので、空いている空間に自由に座りましょう。
どこでも空いている空間に座ることができますが、「自由に座って注文なんてできるの?」と思う人もいらっしゃるでしょう。
もちろん、ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠでは、従業員のおばちゃんたちがわざわざ注文を取りに来てくれることなんてまずありません。
ですから、最初の注文はお客自ら店内入口にある調理スペースで注文する必要があります。注文を済ませて座っている場所を指させば、後は料理が運ばれてくるのを座って待ちましょう。
店内の至るところに人々の円座を見掛けることができますが、追加注文をしたければ、忙しそうに円座を避けながら店内を動きまわっているおばちゃんを呼び止めて注文をすることが可能です。
おすすめ料理と清算の仕方ついて
ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠのおすすめは、やはりサテ・バビです。炭火焼きされた豚肉の串に、甘辛くてこってりとしたピーナッツソースがかかったサテ・バビは、豚肉特有の臭味などまったくなく、旨味がギュッと詰まった味がします。
そもそもメニューといっても、ここではナシ・セラと呼ばれる刻んだレモングラスとふかした芋が入ったご飯とサテ・バビ、そしてラウォン・バビと呼ばれるスープとペペスという蒸し焼き料理しかありません。
ナシ・セラは茶色い紙で包まれており、一包3,000ルピア(約30円)です。サテ・バビは一皿6串セットで5,000ルピア(約50円)ほど。
ナシ・セラと呼ばれるご飯は一包の量が少ないため、大人であれば最初に二包注文しておくと良いかもしれません。
ドリンクは、エス・ジュルックと呼ばれるオレンジジュースとエス・テと呼ばれるアイスティーのほか、エス・クラパ・ムダと呼ばれるココナッツジュースがあります。
食中毒の心配から現地の氷入りジュースはとても飲めないというのであれば、そのほかにも、コカ・コーラやスプライト、ポカリスエットなどがドリンク専用冷蔵庫に入っています。
支払いは、店を出る前に入口の調理スペースで行います。自己申告制ですので、自分がなにを食べたかしっかり記憶しておきましょう。
お手洗いについての注意点
ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠにはお手洗いがありますが、きれいではありません。
どうしてもお手洗いに行きたいのであれば、店の一番奥にあるドリンクを作るスペースに入って、そこにある階段を下に降りて行きます。
お手洗いを使用する際には、おばちゃんに「Boleh pinjam kamar mandi,Bu?」(お手洗いをお借りして良いですか?)と一声掛けるのを忘れないようにしましょう。
階段の下のスペースは水はけの悪い場所になっていますから、足を滑らせないように注意しましょう。
一番奥にお手洗いがありますが、インドネシアのふつうのワルン同様ティッシュなどは備え付けられていませんから、ティッシュとウェットティッシュ、そして殺菌用に手ピカジェルなどを持参すると良いかもしれません。
基本情報
名称:ワルン・サテ・ニョマン・ブレドルⅠ
住所:Sangeh,Abiansemal,Kabupaten Badung
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