イギリスの幼稚園の特徴と種類 ボランタリーエイデッド・スクールその他の入園応募方法を解説

イギリス

幼稚園はお子様にとって初めての集団生活を学ぶ場所。だからこそ慎重に選んであげたいものです。

イギリスの幼稚園は名称も様々で、それぞれ少しづつ方針が違います。この記事ではイギリスの幼稚園の種類と応募方法についてご案内します。

イギリスの幼稚園の種類:Maintained School

イギリスの幼稚園には大きく分けてMaintained SchoolNon-Maintained Schoolがあります。

Maintained Schoolは公立の宗教性のない幼稚園で、その年の9月から翌年の8月末までに4歳になる子供を対象にしており、無料で通園できます。

通常、生まれ月により9月、1月、4月というようにスタート日が異なります。午前か午後のパートタイムから始めて、次の学期にはフルタイムで通園します。したがって遅生まれの子供はパートタイムを1学期のみで卒園となります。

 

イギリスの幼稚園の種類:Non-maintained School

Non-Maintained School私立及び宗教に付属するボランタリーエイデッド・スクール、フリークスクール、アカデミーに付属する幼稚園を指します。

私立校は有料ですが、0才3か月から入園できる所もあります。カウンシルとOfstedの認可を受けている私立校では、カウンシルに申請すればその年に4歳になる園児について週に15時間、年間38週までは無料になり、差額を幼稚園に支払います。

ボランタリーエイデッド・スクールは英国教会、カソリック、イスラム教、ユダヤ教といった宗教の信者のための幼稚園ですが、幼稚園によっては一定数の信者でない児童も受け入れています。通常は無料で通園できます。

 

NurseryとNursery Schoolとは

小学校に付属していない独立した幼稚園ナーサリーまたはナーサリースクールと呼ばれ、公立と私立の両方があります。

ナーサリーは主にNursery Nurseによって運営され、ナーサリースクールは主にNursery Teacher或いはEYP(Early Years Professional)によって運営されています。

Nursery Nurseはカレッジで「National Certificate in Childhood Status」の認証を受け、Nursery Teacher とEYPは大学の学位が必須です。

いずれもEarly Yearsと呼ばれる幼児教育のプロで、遊びを通した学習がメインになっています。机に座ってスペルや数字を学ぶという授業はなく、一見ただ遊んでいるように見えますが、実は綿密なEarly Yearsのカリキュラムの基で活動がされています。

 

Day Nurseryとは

ディナーサリーチャイルドケアを専門とする私立の幼稚園で、0歳児から入園できる幼稚園や開園時間が長くフレキシブルな幼稚園があり、働くお母さん達の強い味方です。

スタッフ一人当たりに対する園児の数も少なく、アットホームな雰囲気が特徴なので、シャイなお子様には最適と言えるでしょう。

教材や設備が整っており、園外でのアクティビティも豊富です。但し設備やスタッフにバラつきがあるため、Ofstedのリポートを参照しつつ、実際に訪れて施設を確認する必要があります。Ofstedの認可は必須条件です。画像のように種別はディナーサリーでもナーサリースクールと名乗る施設もあります。

 

Pre-school, Early Yearsとは

小学校に付属している幼稚園はその学校のプレスクールアーリーイヤーズと呼ばれています。

EYPや教師が運営し、資格を持ったTeaching Assistantが補佐をします。どちらかと言えばよりカリキュラムを重視した教育が行われます。

これらの幼稚園の利点は、小学校と同じ敷地内にあるため子供にとって幼稚園から小学校への移行がスムーズであることです。

同じ環境で同じクラスメイトとの移行は子供にとって心強いでしょう。但し、小学校入学時に再び選定が行われ、特に人気校では必ずしも全員が自動的に小学校に移行できる訳ではないのでご注意ください。

 

Pre-prepとは

通常は私立のプレップスクールに付属しており、幼稚園から2年生までが通学するのがプレ・プレップ校です。

学校によって2才から4才の入学となります。プレ・プレップのみの学校もあります。

1クラス15~18人と少人数で、外国語を含めた豊富なカリキュラムが特徴です。英語が第一言語でない園児にも丁寧に対応してくれます。

 

Montessori Nurseryとは

イタリアのマリア・モンテッソーリによって推奨された教育方針に沿ったカリキュラムで運営されている私立幼稚園です。

子供の自主性や独立心を育てることを念頭に、主に知的好奇心を刺激する自由なアクティビティで人気を集めています。

 

Play Group, Toddler Groupとは

プレイグループトドラーグループは、教会のホールやコミュニティセンターを会場に就学前の子供たちと保護者が集まる小規模なグループアクテイビィティです。

カリキュラムはなく、保護者は常に在席している必要があります。

どのようなグループがあるのかは、図書館やヘススビジターから情報を得ることができます。

 

Children’s Centre, One-O’clock Clubとは

チルドレンズセンターは政府主導のSure Startが、ワンオクロッククラブはカウンシルが運営する就学前児童を対象とする無料のアクテイビィティセンターです。

こちらもカリキュラムはなく、保護者が在席している必要があります。事前予約等は必要ありませんので、気軽に訪れてみましょう。

 

Maintained Schoolへの願書申請方法

まずはカウンシルごとにの幼稚園のリストや応募方法とスケジュール等についてのブックレットがありますので、カウンシル内の図書館かカウンシルのウエッブサイトからダウンロードしましょう。

リストの中から気に入った幼稚園に電話して「Prospectus」と呼ばれる学校案内と入園願書を入手します。更にオープンデーに参加、或いは個別に学校訪問をアレンジして見学をします。Ofstedのレポートも目を通しましょう。

Find an Ofsted inspection report

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入園願書は直接幼稚園宛てに送付し、何校でも申し込む事ができます。

 

入園の可否はどのように決定されるのか

基本的に、同じカウンシル内で、幼稚園と自宅の直線距離で近い順に入園が許可されます。

歩く距離の近い順で、どのカウンシルに属しているかは関係しない小学校の可否基準とは異なりますのでご注意ください。最低でも一校は同一カウンシル内で距離の近い幼稚園に応募することをお勧めします。

尚、カウンシルによって可否条件が異なったり、特別優先入学区域がある場合もありますので、カウンシルの発行するブックレットを必ずご参照ください

 

ボランタリーエイデッド・スクールその他の応募方法

ボランタリーエイデッドスクール、アカデミースクール、フリースクールに付属する幼稚園は、基本的にはMaintained Schoolと同様ですが、別途条件が設定されていますのでProspectusをご参照ください。

特にボランタリーエイデッド・スクールでは、洗礼を受けた年月日、教会への礼拝頻度等を司教のサイン入りで申請する必要があります。

Pre-Prepや私立校の幼稚園部への応募方法

私立校の幼稚園部に応募するには、とにかく早い段階での情報収集が必須

早く応募するほど入園できる可能性が高いので、遅くとも3才までには応募するようにしたいものです。特に人気校では少なくとも1才半から2才までには応募すべきです。

ネットで探す他、カウンシルのFamily Information Serviceでも私立校のリストを入手できます。Ofstedのレポートを参考に希望校を絞りましょう。

希望校が決まったら、電話か学校のウエッブサイトからProspectusと願書の送付を依頼します。その際、学校見学の日もアレンジしましょう。願書は幼稚園に直接送付します。

Day Nurseryへの応募方法

Day Nurseryはチャイルドケアを主目的に設立しているため、定員に余裕があればいつでも入園できます。

幼稚園に直接問い合わせて入園が可能か確認してください。学校見学は随時可能です。

 

希望校に入れなかったら

Maintained School、Non-maintained Schoolとも、入学できなかった場合は自動的にウエイテイングリストに入ります

幼稚園に直接電話して、ウエイテイングリストの何番目であるか確認しましょう。

特にPre-Prep等の私立校は、驚くほど長いウエイテイングリストがありますが、数校同時にウエイテイングしているケースが多いので、入学できる可能性が残っているか学校に直接問い合わせましょう。

入学許可を得た幼稚園、或いはDay Nurseryに通わせながらウエイテイングしますが、幼稚園は義務教育ではないので無理に通わせる必要はありません。

 

終わりに

イギリスの幼稚園の種類と応募方法をご紹介しました。

お子様の個性やご家庭のニーズを鑑みて最適の幼稚園を選び、お子様の社会生活のより良いスタートの一助となれば幸いです。

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