コモンやヒースでフォレージ・ウォークに参加しネトルやワイルドガーリック、ブルーベリーを摘んでみよう

イギリス

フォレ―ジ(Forage)はあまり聞き慣れない英語ですが、自然の中で食材を採取する事を意味します。

日本の山菜採りやきのこ狩りのようなもので、自然と旬の食材の両方を満喫できる楽しみがあります。

ところで、世界有数の大都市であるロンドンでも、フォレージを気軽にエンジョイできるってご存知ですか?

フォレージができる・できない場所

無論、どこでもフォレージが出来る訳ではありません。あくまで法的にですが、他人の庭のリンゴの木から歩道に落ちた果実を食べたら窃盗となります。

でも、1968年に制定された窃盗に関する条例では、フォレージについて「自然に育った植物からのフォレージは営利目的でない限り窃盗にはならない。」と定めています。

但し、地方条例でフォレージが禁じられている場所もあるのでご注意ください。

ナショナルトラストやウッドランドなどの団体に所属している土地が対象になっている事が多く、これらの場所は念のため避けた方が賢明です。

また、ロイヤルパーク内の動植物は全て王室の所有物となっているので、こちらもフォレージはできません。

コモンやヒースでフォレージを楽しむ

コモン(common)と呼ばれる緑地は、かつて貴族たちが一般庶民(commoner)に家畜の放牧を許した土地で、現在でも一般人の使用が認められています。

同様にヒース(Heath)と呼ばれる農耕に適さない荒地でも、フォレージが一般的に行われています。他にもボローの管理するオープンスペースやスポーツグランドでもフォレージが可能です。但し上述の通り、あくまで個人で消費する分が許可されているので、大量採取や植物を根こそぎ持ち帰るのはNGです。

最近では、きのこをスーパーの袋3個分も採取した女性が起訴されたというケースもありました。自然破壊につながる行動は控えて、家庭で消費する程度に留めてください。

フォレージ・ウオークに参加する

どこでフォレージが可能なのかよく分からない場合は、地元で開催されるフォレージウオークに参加してみてはいかがですか?フォレージが可能な場所や食用にできる植物などについて詳しく教えてくれます。

西ロンドンのフォレージウオーク

Dorset foraging and Urban wild food walks and workshops. Seashore foraging trips. Hampshire mushroom hunting
Dorset foraging events, seashore and coastal walks, Hampshire new Forest mushroom hunting forays. Urban wild food walks in London and Southampton.

ハムステッドヒースのフォレージウオーク

Events — Handmade Apothecary

人気のピーターシャム・ナーサリー周辺のフォレージウオーク

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※リストのうち「WILD FOOD WALK – FAIRY RINGS AND WILD FLOWERS」というプログラムです。

ピーターシャム・ナーサリーはとてもお洒落で、素敵なカフェもありますので、行くだけでも価値がのある超おすすめのナーサリー(ガーデンセンター)です。

フォレージ実践その1:ネトル

ネトル西洋イラクサと呼ばれる植物で、見た目は紫蘇そっくり!

しかし、葉全体が痛みを引き起こす成分を含む極細の針で覆われているため、ちょっと触っただけ針が刺さり、患部が火傷したように膨れ上がり激痛に襲われます。

フォレージの際には必ず厚手のゴム手袋を使用し、長袖・長ズボンで挑んでください。

万が一触ってしまった場合は、石鹸で洗い流すと痛みが和らぎます。このように厄介な上、繁殖力の強い雑草なので、多くの緑地で見つける事ができ、葉を摘んでも誰からも文句を言われません。食用にするには花が咲く前(5月頃)に先端の柔らかい葉を摘んでください。

 

ネトルの効用と調理法

厄介な雑草ですが、実はネトルの葉はビタミンA・C、鉄分、ポタシウム(カリウム)、マグネシウム、カルシウムが豊富に含まれたスーパーフードです。

ヒスタミンを含んでいるので、アレルギー症状の緩和に有効とも言われています。

茹でると針は消滅するのでご安心を。ネトルスープが有名ですが、ほうれん草の代わりにキッシュやリゾットの具に加えても美味しいですよ。

 

ネトルスープの作り方

とても簡単にネトルの栄養をしっかり摂取できる優秀スープです。

材料(2~3人分):ネトル200g、じゃがいも大1個、玉ねぎ1個、リーク1本、人参1本、牛乳(水か豆乳でも)適量、ストックキューブ半分、バター適量、塩・胡椒

準備:ネトルはゴム手袋着用の上よく洗ってザルに上げて水を切る。野菜は皮のあるものは剥いて全て小さく切る。

手順:鍋にバターを熱し、野菜を良く炒め、水か牛乳(豆乳)または併せたものとストックキューブを野菜が被るまで加えて煮る。野菜が柔らかくなったらネトルを加え、更に1分煮た後、ハンドミキサ―で撹拌し、塩・胡椒で味を整えたら出来上がり。お好みで生クリームを垂らしてお召し上がりください。

 

フォレージ実践その2:ワイルドガーリック

ワイルドガーリックは、日本の北海道や高地で自生する行者ニンニクの亜種です。

イギリスでは川沿いの湿地に群生しており、4月頃、一斉に白くて可愛い花を咲かせます。川辺の湿地をご存じでしたら、花の時期に散歩に出掛け、ワイルドガーリックの自生地を見つけてください。

スズランの葉に似ていますが、こちらは毒があるのでご注意を。

ワイルドガーリックは強いニンニク臭があるので、匂いを確かめてください。葉を食用にするには、花が咲いた頃の柔らかい葉が最適です。

ご参考までに、ロンドンから少し南下したサリー州にあるEsher Commonが私のフォレージ場所です。

ワイルドガーリックの効用と調理法

ワイルドガーリックはニンニクよりアリシンの含有量が多く、精の付く食べ物と言われています。

調理法は行者ニンニクと同様ですが、イギリス人はネトルのようにスープにしたり、ほうれん草の代わりとして調理するようです。

日本人的には、やはりがお勧めです。みじん切りにして餃子の具に加えると、見た目も味もニラ入りの餃子のようで美味しいですよ。なかなかニラが手に入らないイギリスでは嬉しいですね。カレーに入れるのもお勧めです。

 

フォレージ実践その3:ブラックベリー

西洋藪イチゴとも呼ばれるブラックベリーは、児童公園の片隅ですら生育しているくらい、とても丈夫な雑草でです。

緑地やちょっとした空き地でも群生していますから、ご近所を探してみてください。夏に可愛らしい薄紅色の花が咲き、夏の終わりくらいからラズベリーを黒くしたような実が熟し始めます。

バラ科の植物なので、大きく鋭い棘を持っています。フォレージに行く際は手袋と長袖・長ズボンの服装で棘から肌を守りましょう。深紅の果汁の染みはなかなか落ちませんから、汚れても良い服装で出掛けてくださいね。

ブラックベリーの効用と食べ方

ブラックベリーは食物繊維を豊富に含み、果実100gで一日に必要な食物繊維の4分の1が摂取できるそうです。

他にビタミンCとKもたっぷり入っており、美容と健康に役立つ果物と言えるでしょう。

よく熟したものは爽やかな甘味と酸味が特徴で、そのまま美味しく食べられます。ペクチンの含有量が少ないので、ジャムを作る際はりんごも加えると上手く固まりますよ。ブラックベリークランブルは簡単で美味しいのでお勧めです。

 

おわりに

有名テレビシェフやガーデナーの影響で、近年ますます人気を集めているフォレージ。

緑地でフォレージしていると、通りがかりの人が「あの道を行った先にもっと沢山採れる場所があるよ」などと教えてくれる事もよくあります。

同じ場所でフォレージしている人とレシピ交換をするのも楽しいものです。無料で自然とその恵みを満喫できるフォレージ、皆様もぜひ挑戦してみてください。

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