旅行者にとってうれしい特典と言えば免税です。ベルギーではVATと呼ばれる付加価値税が、書籍や食品には6%、その他のものには21%もかけられています。旅行者は支払ったVATの一部を還付してもらうことができますが、手続き方法がいまいち分からないという人がいるのではないでしょうか。2015年に日本からベルギーへの直行便が就航し、ブリュッセル空港で免税手続きをする人は増えていると思います。今回はブリュッセル空港での免税手続き方法を詳しくお伝えします。
・免税とは?
ベルギーでは”Global Tax Free Shopping”のサインがある店で、一日に同一店舗で50.01ユーロ以上の買い物をした場合に免税の手続きが出来ます。数ヶ月前まで125.01ユーロ以上でしたので、かなりルールが緩和されました。同じブランドでも”Global Tax Free Shopping”のサインがないお店では免税手続きができませんので、支払いをする前に確認しましょう。残念ながらEU圏内に居住している人は対象になりません。
ベルギーの免税ルール
商品は未使用の状態でEUから持ち出すこと
煙草は対象外
購入月末日から3ヶ月以内にEUを出国し、税関のスタンプをもらうこと
オリジナルのレシート添付が必要
購入者と出国者の名前が一致すること
EU非居住者であること
書類自体は発行日から3年間有効
・免税手続きはどこでする?
まず購入した店で免税の申請書類を発行してもらいましょう。免税書類は再発行できないので大切に保管してください。書類にはパスポート番号や住所などの記入欄がありますので、事前に記入漏れがないか確認しておくとスムーズです。基本的にEUの最終出国地で、EU圏内で購入したすべての免税手続きを行います。日本への直行便を利用する人は分かりやすいのですが、経由便を利用する人は気をつけてください。
例1:ブリュッセル~成田→ブリュッセルで手続き
例2:ブリュッセル~フランクフルト~成田→フランクフルトで手続き
例3:ブリュッセル~イスタンブール~成田→ブリュッセルで手続き
・税関でスタンプをもらおう
免税の書類には、まず税関でスタンプを押してもらう必要があります。税関は”CUSTOMS”と言います。
この際に必要なものは、
免税書類
EUを出国する搭乗券
パスポート
品物
以上の4点です。免税対象の実物を見せるように言われるかどうかは、税関職員次第です。いつでも出せるようにしておくとスマートです。商品を購入したらすぐに使いたくなる気持ちは分かりますが、免税手続きをするのであればぐっとガマンしてください。タグや袋がないものは使用済みと認識されることがありますので、ご注意ください。また商品をその場で提出できない場合にもスタンプを押してもらえません。
・免税商品は手荷物?預け荷物?
対象品を手荷物に入れる場合と預け荷物に入れる場合では、スタンプをもらう税関の場所が違います。
<手荷物に免税商品を入れる場合>
チェックイン→セキュリティコントロール→出国審査→税関
ザベンテム空港では出国後すぐに税関があります。少し奥まっており、トイレの看板に隠れて見えにくいので見落とさないようにしてください。そこで書類にスタンプをもらいます。EU圏内で乗り継ぎをする場合はブリュッセル空港ではなく、乗り継ぎ空港の税関に行きます。
<預け荷物に免税品を入れる場合>
免税品がいっぱいあったり、大きかったりすると手荷物に入りきらないこともあります。そんな時は預け荷物でも問題なく手続きができますので安心ください!
チェックイン→搭乗券・タグ付きの預け荷物を持って税関→預け荷物を返却→セキュリティコントロール→出国審査
まずはチェックインをし、搭乗券を発券後、預け荷物にタグをつけてもらいます。カウンターでは必ず免税品が預け荷物にあることを伝えてください。次にタグ付きの預け荷物を持って税関に向かいます。この時に行く税関は、ザベンテム空港の出発ロビー、チェックインカウンター4番の奥にあります。そこでスタンプをもらい、預け荷物をチェックインしたカウンターに再度持って行けば完了です。手荷物に対象品が入っている場合、出発ロビーの税関では受け付けてくれません。注意事項としては、EUを経由して帰国する場合でも預け荷物に対象品を入れるのであれば、出発地(ブリュッセル)で免税手続きをします。なぜなら、預け荷物は日本まで受取ることができないため、ブリュッセルで「EUを出国」ということになるからです。
・払い戻しをしてもらおう
税関で書類にスタンプをもらったら、次は還付手続きです。その方法は時間、手間がかからない順に、
払い戻しカウンターで現金でもらう
クレジットカードで返金
銀行小切手を郵送してもらい、換金
となります。
一番手っ取り早いのはカウンターでの還付です。ザベンテム空港の払い戻しカウンターは2つあります。出発ロビーにある税関でスタンプをもらった場合、すぐ近くにあるTravelexのカウンターが利用可能です。もうひとつのカウンターは、免税店を通り抜け、搭乗ゲートB01の手前にあるTravelexです。その場での現金払い戻しには3~5ユーロ程度の手数料が発生します。手数料を取られたくないという人にオススメなのがクレジットカードでの返金です。免税書類にクレジットカードの番号を記入し、封筒に入れます。Travelexのカウンターの裏に免税専用のポストがありますので、そこに投函すれば切手は不要です。クレジットカードの払い戻しには数ヶ月ほどかかるものの、手数料なし、日本円で返金されるのがうれしいところです。銀行小切手での還付の経験はありませんが、換金の際に手数料が必要だと聞きます。換金の手間もかかりますので、クレジットカードを持っている人はそちらのほうが簡単だと思います。
・まとめ
ヨーロッパのVATは基本的に20%以上なので、高く感じると思います。しかし、きちんと免税の手順を踏めば10~15%ほど払い戻しされますので、これを利用しない手はありません。EUを周遊する人に知っておいてほしいこととしては、EUと言えども各国規定が異なるということです。ベルギー、オランダは1店舗50.01ユーロ以上で免税ですが、ドイツでは25ユーロ以上で免税対象となります。一方、フランスで免税となるのは175.01ユーロ以上です。同じものでも、購入する国によって免税となったりならなかったりします。初めて免税手続きをする人は心配かもしれませんが、やってみると意外に簡単です。免税の仕組みを知って、上手に買物をしてください!
*記載している情報は2016年10月のものです。
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