ベルギーで洗濯機を使う

ベルギー

海外で生活をするとなると、困るのが電化製品の使い方です。説明書があれど分からないからとなんとなく使っていたりしませんか?絵の表示だけで分かれば苦労しないのですが、日本とは文化が違うため何を意味するのか分からないこともあります。欧州は言語が違えど、流通している製品は同じことが多いので、ひとつ使い方を覚えれば同じ要領で使えます。今回は電化製品の中でも使用頻度の高い洗濯機の使い方を紹介します。

・洗濯機を買う?買わない?

家具付きではない限り、基本的に賃貸物件には洗濯機はついていません。また、古いアパートなどには洗濯機置き場がないことがあり、この場合はコインランドリーを利用することになります。洗濯機置き場がある場合、日本に帰国する予定の方の中古品を譲り受けるというのはいい方法だと思います。残念ながらタイミングが合わない時は、電気屋で購入することになるかと思います。まず考えるのは、洗濯機のみか乾燥機も必要なのかです。乾燥機が必要な場合は、洗濯機と一体型かどうかで効率がかなり変わってきます。なぜなら通常の洗濯が2時間半以上かかるからです。洗濯機と乾燥機が別であれば2回目をまわしている間に乾燥機にかけることができますが、一体型だとそうはいきません。自分の生活スタイルにあわせて選ぶといいと思います。洗濯機、乾燥機を買うときに参考になるのが、価格表の横にあるラベルです。水の使用量、キロ数、騒音などが分かりやすく記載されています。ここで重要なのはA+++からDまでのエネルギー消費量ランクです。Dが一番エネルギーを消費し、A+++が一番少ない消費となり、エコと言えます。よく洗濯機をまわす人は出来るだけ消費電力が少ないものを選ぶといいでしょう。

・使い方

ここではわが家の洗濯機(Bosch社製)を参考にモードや機能を説明したいと思います。各社でモードの表示などは違いますが、参考になるかと思います。素材と温度を選ぶと、洗う時間、すすぎの回数、脱水の回転数を自動で設定してくれます。脱水の回転数は必要に応じて手動で変更可能です。

ここでは時計回りに紹介をしていきます。

Katoen/Coton:綿製品

20度、30度、40度、60度、90度から選べます。40度のVoorwas/Prelavageは汚れがひどい場合に行う「前洗い」込みの洗濯モードです。温度が高いほど汚れ落ちがいいものの、生地は傷みやすく、色落ちもします。脱水の回転数は最大の1400で、設定温度によりますが、大体2時間30分~50分ほどかかり、前洗い込みだと3時間を超えます。硬水は汚れが落ちにくく、水で何回も何回も叩き付けることで汚れを落とすため、時間がかかります。日本だと1回洗濯機をまわすのに1時間未満ですが、こちらでは忘れた頃にようやく洗いあがります。

*コインランドリーにある洗濯機は業務用のため、1回あたり1時間未満で洗濯できます。ご安心ください。

Mix+Snel/rapide:混合素材の早回しモード

脱水回転数1400、所要1時間。

Spoelen/Rincage、Centrifugeren/Essorage:すすぎ、脱水

すすぎと脱水がセットになっているので、脱水のみしたい場合は横にあるExtra spoelen/Rincage plusを押し、解除する必要があります。

Afpompen/Vidange:排水、ポンプを空にしたいとき。

Extra snel 15/Express 15min:超速モード15分

通常2時間半以上かかる洗濯を15分に短縮。これでは洗った気がしないため、使ったことはありません。

koud/froid、Wol/Laine:手洗い、ウール素材

脱水回転数800、所要時間40分ほど。

Fijn/Zijde、Delicat/Soie:シルク、デリケート素材

脱水回転数400、所要時間40分ほど。

Kreukherstellend/Synthetiques:化繊

脱水回転数1200、所要時間は1時間半程度です。

 

各モード以外にも機能があります。

Speed Perfect:時短

従来の半分以下の1時間で仕上げます。消費電力が増えるらしいです。

Eco Perfect:省電力

30分くらい余計に時間がかかります。

Licht strijken/Repass facile:シワ軽減モード

Extra spoelen/Rincage plus:追加のすすぎ

 

・洗い方のアドバイス

一番理想的なのは、黒、色物、白に分けて洗うことです。黒や色物と白いものを一緒に洗うと、瞬く間に色落ちし、白がグレーっぽくなってしまうからです。そこまで洗濯物が多くない場合は、黒&色物、白に分けて洗うといいでしょう。また、細かく素材ごとに分けず、おしゃれ着以外の洗濯物は綿製品モードにし、温度を都度選んでいます。推奨されているのは40度、60度ですが、汚れがひどくない場合は30度で洗えば十分落ちます。子供や赤ちゃんの服など汚れがひどい場合は、60度もしくは90度で洗うといいでしょう。雑巾や布巾など定期的に90度で洗うと、汚れが落ちるだけでなく殺菌にもなり清潔に保てるのでオススメします。おしゃれ着は必ず洗濯表示を確認し、手洗い、もしくはデリケートモードで洗います。今のところこれで失敗したことはありません。日本は洗濯ネットが安く、種類が豊富なので、多めに持ってくるととても便利です。

・洗剤のこと

まずおおまかに通常の洗剤前洗い用の洗剤おしゃれ着用の洗剤に分かれています。通常の洗剤は黒、色物、白など専用のものがありますが、全般に使えるものもあります。黒や色物専用の洗剤は、発色をよくさせる効果があります。同様に白用の洗剤はグレーになるのを防ぎ、より白くさせる効果があるようです。洗剤によっては匂いがきつかったりしますが、最近日本でも取り扱いがあるエコベールはベルギー生まれのエコ洗剤で匂いもきつくなく、日本人にとっては使いやすいと思います。

洗剤の入れる場所は左から、

II:普通の洗剤

*花みたいなマーク:柔軟剤

I:前洗い用洗剤

となります。

前洗いの設定がないモードの場合はIIの所に洗剤をいれればOKです。また、配管に石灰が詰まるのを防ぐために水を軟水化するカルゴンと呼ばれるものを使用しますが、専用の投入口はないので洗濯物と一緒に入れます。

・柔軟剤

硬水で洗うと非常にごわごわするため、一般的に柔軟剤を使用します。びっくりするくらいの種類と色の柔軟剤がスーパーでは売られていますので、試してみてお気に入りを見つけるといいでしょう。

・まとめ

ベルギーのアパートでは外干しが禁止されているところも多く、室内干しや、乾燥機の使用が一般的です。外干しが可能な住居であっても、天気がころころとよく変わるので気をつけておかなければなりません。最後に洗濯の悩みとしてよく聞くのがタブレット型カルゴンの溶け残りにより洋服に付着する白いスジです。粉洗剤の溶け残りと同じようなものですが、カルゴンを小さな洗濯ネット(ブラ用がオススメです)に入れてから洗濯機に投入するといいですよ。これにより、カルゴンの溶け残りが洗濯物に付着するのを防ぐことが出来ます。カルゴンで悩んでいる方は、一度試してみてください。

 

*写真補足

洗濯洗剤:赤、色物用。ピンク、おしゃれ着用。白、普通洗剤(何色でも使用可能)。黒、黒や暗い衣類用。

エコベール洗剤:左から、普通洗剤、色物用、おしゃれ着用。

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