バンコク郊外に住んでいますと、外食も基本的には家の近所のお店に行くことになります。
日本人を含む夥しい数の外国人が暮らすバンコクの中心街では、和食は言わずもがな世界各国の料理にありつける昨今ですが、少し距離のある郊外に出てしまうと、すっかり環境が変わります。
例えば、和食のお店はあっても、経営はほぼ間違いなくタイ人。寿司屋もタイ人経営。洋食では、なぜかタイはステーキが人気なのですが、それらもチェーン店以外はタイ人が経営しています。つまり、日本における中華料理屋さんや洋食屋さんと同じ位置付けになりますね。日本人の自分としては、たまに恋しくなる和食も、タイ人プロデュースのお店にはやはり足が向かず、どうせ食べるなら日本人がやっているところで安心して食べたいと思うわけですね。
というわけで、ここローカル生活では、近所のタイローカルフードレストランに出向くのが通常です。
今回は、殆ど(というより絶対に)日本人を含めた外国人がより付くことのない、そしてトリップアドバイザーに出る可能性も極小のタイローカルレストランの状況をレポートしてみたいと思います。
半屋外のお店がイケている理由
バンコクに限らず、タイの飲食店は、店の中でありながらほぼ屋外、という造りのお店が結構あります。
なぜこうなるかというと一年中暑いからですね。つまり、若干風通しが良い場所で、多少の暑さをお客さんが我慢できれば、エアコンがなくても良いわけです。要するに、屋台とお店の中間のような造形になります。実際に、お客さんが増えるとテーブルを歩道に並べて、お店が拡張されることは多々あります。
一方、少数ながらガラス等でキチンと仕切られているお店(要するに日本の感覚で言うところの普通の造形です)もあって、こういうお店はエアコンが効いている店だということが外部からわかります。
このエアコンタイプのお店は、多くの場合、店の中が清潔で、インテリアにも少なからぬ気配りがあり、そして割と綺麗に作られたメニューがあったりします。ただ、食事の内容的には割と外す傾向があります。そして、半屋外的なお店よりやや高い。
結局、エアコンや雰囲気で客を惹きつけている分、料理の方はあまり特徴がないことが多いのですね。その点、半屋台風の完全ローカルの方が、料理の内容とコスパに関して充実している事が多く、それを分かっている地元の人もそういうお店によく集まるわけです。
いわゆる、キタナシュランですね。
料理の方向性
当たり前ながら、タイローカルフード店は、タイ料理を出すお店が大半です。ただし、タイ料理にも地域性がかなりあって、それぞれ趣が異なります。
例えば、北部は比較的マイルドな味付けで、油を多めに使いミャンマー料理に似ています。東北部はイサーン料理とも言われ、典型的な人気のタイ料理が多いタイプですが、鶏肉の炙り焼き(ガイヤーン)、青パパイヤサラダ(ソムタム)、またチムチュムと呼ばれる鍋料理もこのイサーン料理の典型です。
南部は、海鮮料理が多く、ゲーン・タイプらーと呼ばれる魚の内臓を使ったカレーなどが典型です。日本でも一時期流行ったマッサマンカレーも、この南部の料理ですね。
タイ中央部は、その他の地域の影響を受けながら、全体的にマイルドな甘みの味覚のものが多いという特徴があります。
タイローカルのお店としては、イサーン料理のお店が多いようです。次に多いのが南部料理。その他の地域の料理は、それら南部か東北部中心のお店に、少しアレンジされて用意されているという感じです。
自分の家の近所にあるお気に入りのお店は、南部を中心にアラカルト的に色々な料理を用意している言わばタイ流の居酒屋。
写真を揚げたこの日は4人でお店に行き、魚の身を揚げたものと菜っ葉の炒め物の「パップラークンチャーイ」、空芯菜炒め「パッブンファイデーン」、パパイヤサラダの「ソムタム」を中心に全部で7品くらいを注文しました。
タイローカルのコスパレベル
タイローカルの飲食店のコスパレベルは、一度知ってしまうと、スクンビットあたりの都会のレストランの料金が異様に高く感じてしまい、他に行きにくくなってしまうというほど。
今回の写真にあるものは、一品で概ね50バーツ(約160円)から高いものでも100バーツ(約310円)程度。したがって、6品や7品頼んでも、全部で1,500円くらいだったりします。これで、もしお酒を飲まなければ、一人当たり300円も出すと、十分に色々な味のものが楽しめて、お腹いっぱいになります。
まぁ、自分のような呑んべえは、そういうわけには行かないわけですが。。。
しかしながら、実はそのお酒も、ローカル居酒屋だと街の中心部より圧倒的に安いのです。まずはビール。タイのお酒と言えばビールですが、都市部価格だと大瓶1本だいたい120バーツ(約370円)くらいであるところ、ローカルだとだいたい70-80バーツ(約250円)。外の暑いところで飲んでいると、一人当たり2本くらいはすぐに飲んでしまいます。
今回行った4人は、4人揃って呑んべえだったため、ビールに飽きたらず、タイローカルラムウィスキーをボトルで注文。このラムは、センソーンという銘柄で、地元の酒好きにも人気のブランドです。通常の飲み方はソーダ割り。これを郊外の道端のテーブルでダラダラと時間を忘れて気の置けない仲間と飲み続けるのは、ローカル生活の中で至福の時でもあります。
ちなみに、センソーンの金額はこの大瓶で1,000円くらいです。
この日は、6,7品の料理と、ビールが10本程度、それにセンソーン大瓶1本、ソーダが5,6本で、一人当たり1,400円くらいの支払い金額となりました。
通常のタイ人は、ここまでガブガブ飲むこともあまりないため、この日の金額は、比較的高い部類だったと思われます。
何れにしても、このコスパ感覚がタイローカルのスタンダードということになります。
まとめ
タイに住んでいる者としては、一度、このローカル感を味わってしまうと、もう止められません。どうも、スクンビットあたりの大都会でクーラーの効いた店の中でビールを飲んでもあまり美味しく感じなくなってしまいました。
ただし、特筆すべき点はトイレ。コスパも料理もローカルな分、トイレのスタイルもローカルで、タンクで自動的に水洗されるタイプではなく、自分で、設置されている手おけで水を汲んで流すタイプのケースが非常に多いです。
ただ、これも慣れの問題。一度慣れて仕舞えば、全然気になることもなく、むしろ風情くらいに思えてきます。
以上、「バンコクローカルが好む地元の店」でした。多少なりとも、タイのローカル生活における外食のスタンダードが感じていたければ幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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