もはや言うまでもありませんが、バンコクは毎日暑い!
ここでの気候は、雨期、乾期、(猛)暑期と3シーズンに分けて把握するのが一般的ですが、タイ人をして、hot、hotter、hottest、の3シーズンだとジョークを飛ばすほど、1年と通して暑いわけです。
そんな過酷な猛暑の中で飲むビールはまた格別な味。
本記事では、タイ国産ビールのご紹介をしてみたいと思います。
タイのお酒と言えばまずはビール!タイ産のメインのビールをご紹介
タイでは、下でご紹介するように、数個のビールブランドが製造販売されています。
ただ、日本のビールメーカーのように、毎年、或いは季節毎に新商品が開発販売されることはなく、数個の銘柄が消費者に市場にしっかりと定着して、外国人を含む消費者に愛されているという状況です。
それでは、具体的にどんな銘柄がどんな特徴で出回っているのか見てみましょう。
何はともあれド定番、シンハー
タイの国産ビールの代名詞とも言えるシンハービル。日本でも、輸入ビールを扱っている小売店では取り扱いがあるところも多いですし、タイ料理さんでも置いてあるところが多いと思われますが、タイ国内においても圧倒的なシェアを誇ります。
商品の種類としては、ビン入りが大ビンと小ビン、缶入りが小サイズだけというラインナップで売られています。
コンビニで売られている価格帯としては、円にして約120円〜190円弱といったところ。
現地のレストランやローカル居酒屋でも、圧倒的に取り扱いが多い銘柄で、タイ国内外のビール愛好家からの安定的な支持を受けています。
味は、日本の標準的なビールの味を基準にしてしまうと、やや薄め、泡立ち少なめ、苦味は中くらいといった感じで、比較的クセが少なく飲みやすい味と言えると思います。
他の銘柄に比べると、若干高い部類に入るので、安いタイローカル居酒屋では、若干敬遠される傾向があるように見えます。
庶民の味方、チャン
チャンビールは、シンハービール同様、最も広くタイ全土に出回っているメジャーブランドの一つで、シンハーよりも若干安い価格設定になっているため、ローコスト志向の強い郊外や若者が多く集まるエリアで強く支持されています。
チャンとはタイ語で象の意味。その象が、このビールのトレードマークになって、シンハーに比べるとややポップな印象のラベルデザインが施されています。
こちらのラインナップは、ビン入りと缶入りがそれぞれ大小用意されており、殆どのコンビニや酒屋で買うことができます。
コンビニ価格は、約100円-160円ほど。
飲食店でも、シンハーと並んで売られているお店では、シンハーよりも15-20円程度安く設定されていることが多いです。
味は、不味いわけではありませんが、どこか薬臭い感じがあります。
このビールを大量に飲むと、ほぼ確実に頭が痛くなる。
まぁ、単に飲みすぎだろ、と指摘されても仕方のないところではあるのですが、他のビールでは同じ量を飲んでも起きない現象であることを考えると、やはりあのケミカルっぽい匂いと関係がないとは思えないわけです。
ちなみにこのチャンビール、お隣の国ミャンマーでも流通しており、ミャンマーローカルビールの雄である「ミャンマービール」と市場競争にて、そこそこの健闘をしています。
タイ国産3本柱の一角、レオ
タイ国外では殆ど知れらていないながら、タイ国内ではシンハー、チャン、と並んで根強い人気を誇るレオビール。自分も、タイに来るまで知りませんでした。
コンビニや酒屋での店頭販売流通も行き届いており、また飲食店で提供しているところが多いです。
それもそのはず、このレオ、販売はシンハービールとメーカーが同じなんですね。
要するに、シンハービールよりも少し廉価で広く普及させるためのラインとしてメーカーが戦略的に用意したラインナップという位置付けになります。
そのマーケティングが功を奏してか、若者が集まる市場すでに広く浸透しつつあり、またその範囲は広がりつつあるようです。
価格帯としては、ほぼチャンとバッティングするため、具体的な数字は把握できていませんが、この2ブランドの市場のシェア争いは熾烈なものと予想できます。
商品バリエーションとしては、ビンについては大ビンと小ビン、缶は小サイズのみで、これもシンハーと同様のラインナップですね。
コンビニでは大健闘チアーズシリーズ
居酒屋を含む飲食店では、ほとんど見かけることのないこのチアーズシリーズ。
逆に、セブンイレブンやスーパーマーケットでは見ないことがほとんどありません。
なぜ、そういう営業になっているのかは分かりませんが、とにかく小売店専用商品のような位置付けになっています。
サイズのラインナップは、500mlの缶か大ビンの2タイプのみ。黒ビールのようなテイストの黒いバージョンだけは、250mlのものが流通しています。
価格は、500mlの缶のもので140円程度。素晴らしいコストパフォーマンスを実現しています。
気になる味の方は、ブルーの缶のラガーは極めて飲みやすく美味しい。クアーズやバドワイザーのような軽いアメリカのビールの雰囲気を彷彿とさせます。
また、黒ビールも、本来の黒ビールのコクはありませんが、まぁOKレベル。日本の馴染みのある感覚としてはハーフ&ハーフのようなテイストです。
そして、赤い缶のもの。これはストロングという位置付けで、アルコール度数も8%と高めになっています。
残念なことに、この赤い缶のものは、単にアルコール度数が高いだけでなく、味自体が若干違います。なぜそうなってしまうのかわかりませんが、青いビターに比べると、さわやかなキレがない。アルコール度数を代償に、何かを犠牲にしなければならない製造上の事情があるのかもしれません。
何れにしても、このチアーズ。高いコストパフォーマンスを反映してか、コンビニやスーパーでは品薄が目立ちます。
不人気ながらも十分な実力アーチャー
アーチャービールは、タイ生産の中では最もマイナーなビールだと思われます。
まず、こちらもチアーズと同様、飲食店で置かれているのを見たことがないので、小売専用の商品なのかもしれません。
さらに、コンビニですら、置かれていないとこも多いという、ある意味で入手が容易でない商品となっております。
こちらは、大ビンと小さな缶入りの2タイプのラインナップ。価格は、店頭で売られているものの中で最も安いです。缶入りで90円ほど。
あまりビールっぽくないパッケージの雰囲気と価格から、味も全く期待ができない印象があるのですが、実はこれが味にクセがなく、爽やかに美味しい。
自分は、コンビニで晩酌用に個人で購入するのであれば間違いなくこれを選びます。
ただ、どの店でも冷蔵庫の一番端に置かれ、しかも品切れであることも多いため、買いたい時にいつも買えるとは限らないと言うマイナー感たっぷりの実力派商品です。
まとめ
いかがでしたでしょうか、タイ国産のビール。この記事では、特に主だったところのみをご紹介してみました。
飲食店で飲めるものと小売店で購入できるものとの違い等、メーカーのマーケティングや流通支配のウラ事情もうっすら透けて見える面白い市場です。
タイにお越しの際は、是非、その視点を持ってビール市場を眺めてみて頂ければと思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。乾杯!
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