バンコクに観光でいらっしゃる方はもちろん、こちらに居住されている方でも、日本人は大抵スクンビット通りの周辺を拠点に活動をされます。
BTSスカイトレインの駅で言えば、アソーク、プロンポン、トンローあたりは日本人専用とも言えるほど日本人居住者だらけのコンドミニアムも少なくありません。
さらに、最近は、そのエリアが東に伸びており、プラカーノン、オンヌットといった駅周辺も、日本人のみならず外国人の姿を多く見かけるようになりました。
そんな中、不肖私、若干天邪鬼の性格とビジネス上の都合もあり、ほとんどの日本人が寄り付いたこともないエリアに居住しております。
その名も、カセット・ナワミン通り。
ここに居住を始めて、約1年半が経過しておりますが、この通りでお会いした日本人はわずかに一人。
それも、ある宗教の布教活動で、敢えて僻地を回られておられる方でした(笑)
さて、多くのバンコク在住日本人も知らないバンコクの一面を、少し詳しくレポートしてみたいと思います。
カセット・ナワミン???どこ、それ?
このタイトルのセリフ。さすがにバンコク在住のタイ人には少ないですが、長年住んでいる日本人でも、
「どこに住んでいるんですか?」
「はい!カセット・ナワミンです!」
と明るく答えた時に返ってくる多くの現実的な返事が、だいたい
「???どこそれ?」
です。
まぁ、それもそのはず。
タイに住んでいる殆どの日本人には全く用のないエリアだからですね。そして、日本人が多くいるスクンビットを中心とするエリアから20km以上も離れており、遠すぎるために名前すら聞いたことがない人が多い僻地なのです。
このような、仲間はずれ的な疎外感も、最初のうちは若干寂しい気持ちになっていましたが、最近はむしろ、希少価値さえ感じられ誇りに思うようになって来ました(笑)。
「カセット・ナワミン」は、エリアの名称ではなく、大通りの名前です。
カセットとはタイ語で農業の意味。そしてここに立地している大きな農業大学のことを略して称しています。
一方、ナワミンというのはある地域の名前の呼称です。従い、カセット・ナワミンとは、その2地点の場所をつなぐ、総距離約13kmの幹線道路の呼称なのです。
実はこのカセット・ナワミン通り、正式にはこの通りは「Prasertmanukit」(プラサートマヌキット)という列記とした名称があるのですが、この通りが開設されたのが2000年代に入ってからで、あまり歴史がないために、その本来の名称が人々にきちんと認知されずに昔流の呼び方の方が圧倒的に定着してしまっているというのが現状です。
日本で言えば横須賀と横浜をつなぐ「横横道路」のようなイメージでしょうか。
タクシーに乗って行き先を「プラサートマヌキット」と伝えても、運ちゃんに分かってもらえる確率は10%程度で、ほとんどの場合「カセート・ナワミン」と言わないと通じません。
実際の通りを端からご紹介
さて、この愛すべきカセート・ナワミン。
実際の雰囲気と僻地感を感じていただくために、ロードムービー的にご紹介してみましょう。
まずは起点となるセササート大学、農業大学ですね。
こちらは設立1943年で最初の農業大学かつ3番目に古い歴史を持つ大学で、在校生は50,000人以上という規模を誇るマンモス校です。
さすが、農業大国を代表する農業大学ですね。
カセート・ナワミンは、片道4車線という幅広の道路ですが、ここもご他聞に漏れず朝夕の渋滞は非常に激しい。
そして、道路はBTSや地下鉄といった鉄道はおろか、1路線だけ走っているバスも恐ろしく本数が少ないです。
従い、タクシー以外の移動手段としては、ソーンテウと呼ばれる乗り合いトラックがメインになります。
要は、トラックの荷台にベンチが二つ据え付けられていてるだけの乗り物。
したがって、乗り心地は恐ろしく悪いわけですが、料金は一律で7バーツ(約22円程度)。
渋滞でメーターだけカチカチ上がっていくタクシーに乗ることを思えば、他に選択肢もないわけだし、文句は言えません。
ちなみに、このソーンテウ、立っている乗客を含めると1台で最大20人程度が乗れるのですが、夕方等のラッシュ時には、乗りきれず積み残しも発生します。
頻度としては、通常は1時間に3-4本が走っているので、まぁ一応は使えるという頻度ですね。
カセサート大学より中腹近辺までの概略
起点のカセサート大学から東の方に進んでいきますと、敷設されて10年程度の新しく道路のためか、左右に比較的新しく綺麗な住居が多く立っていることが目に付きます。
まずは、住居用の開発から始まったことの証かもしれません。
それを象徴するかのように、カセサート大学の交差点のそばでは、経営がストップしたと思われる比較的大型のクラブが無残な姿をさらしています。
聞いたところ、こちらのクラブは開業から1年足らずで閉めた模様。
原因は、おそらくいろいろあるのでしょうが、まぁこの立地も大きな要因と思わざるをえません。
さらに進みますと、自動車関連の店がポツポツと出てきます。
カセート・ナワミン通り全般の特徴ですが、とにかく自動車関係のお店が多いです。
中古車販売、新車販売、修理工場、チューンナップ店、加えてタクシー会社やタクシー車両販売専門店などまであります。
巨大な団地のような住居を右に見ながら東に進みますと少し珍しい施設が出てきます。
地元の大手ゼネコンRittaの子会社で建築用足場の専門会社があり、敷地内に足場のディスプレイをしています。
その横には、建設重機のディスプレイもされていますが、まぁ、かなりマニアックな風景ですね。
引き続き大型の開発が進行
さらに東に進みますと、少し高級志向の住居棟が出てきます。これは、2016年にオープンした住居で、そのデザインと佇まいからは、行き届いた設備とサービスという想像ができますね。
また、それに隣接する土地も大型の開発がかかっているようで、建設中の巨大な柱とクレーンが目に止まります。
さらに進むと、2020年あたりを開業目標として大型のコンベンションホールが設立されることが予定されており、すでにゼネコンが予定の敷地に囲いをして準備をしている模様です。
徐々に始まった商業施設開発
この通りは比較的新しく、現在までのところ住宅用に開発がメインに進んできており、商業的な側面としては自動車関連が中心ということをお伝えしました。
周辺人口が増えてくれば、飲食やショッピングといった通常の生活者のためのサービスもそれに追従するのが常ですが、このカセー・ナワミン通りにも徐々にその波が押し寄せてきています。
まず、広大な土地があるエリアなので、大きな駐車場を備えた店舗が増えてきました。
具体的には、おしゃれなカフェ&バーの店、カラオケの個室を備えた大型のシーフードレストランなどです。
そして、最近の特徴的な傾向としては、複数のスポーツジムがほぼ時を同じくしてオープンしました。周辺住民のライフスタイルを反映していると言えますね。
全距離約13kmの中腹には、ナワミンシティと呼ばれるちょっとしたショッピングモールがあります。
ここには、24hのマクドナルド、スターバックスを始めとして、多くのレストランと一応何でも揃うスーパーも入っているため、常時、周辺の住人で賑わっています。
まとめ
カセート・ナワミン通り、全行程の約半分をザザーっと見てきました。
僻地と言っても、現在、開発が進行して変化が激しいエリアなので、注目点は多いです。
また、時を改めて残りの行程をご紹介します。
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