ローカル色の濃いデンパサールですが、昔ながらのワルン(食堂)やクダイ・コピ(コーヒー屋台)に加えて、おしゃれなカフェもどんどん増えてきています。
今回は、レノン地区にある老舗カフェ「コピ・マデ」をご紹介します。
「コピ・マデ」の場所は?
ビザの手続きでデンパサールの移民局を訪れる人や、観光地だけではなく、バリ島の庶民の暮らしを覗いてみたいとデンパサールを訪れる人がいらっしゃるかもしれません。
何気に広いデンパサールですが、デンパサールの中心地とも呼べるのは、やはり行政機関が集まっているレノン地区でしょう。在デンパサール日本領事館のあるラヤ・ププタン通りの南側は、豪邸が立ち並ぶ高級住宅地です。
そんなレノンの中心には、庶民の憩いの場である緑豊かなププタン広場があります。「コピ・マデ」は、ププタン広場からほど近く、パンジャイタン通りにあるデンパサールの移民局からも近い場所にあります。
一方通行であるラヤ・ププタンの大通りに店を構える「コピ・マデ」を訪れるなら、サヌールのバイパスからハン・トゥワ通りに入り、レノン地区に向かいましょう。新しくできたショッピング・モールの「プラザ・レノン」を過ぎて、右手にププタン広場が見えてきたら、お目当ての「コピ・マデ」まではもうすぐです。
静かにコーヒーブレイクを楽しめる場所
デンパサールのおしゃれなカフェは、すぐに地元の若者で溢れかえります。昼夜を問わず大盛況なカフェもあり、静かな環境でコーヒーブレイクやティータイムを楽しみたい人には、それらのカフェは少々入店しにくく思えるかもしれません。
ところが、老舗カフェである「コピ・マデ」は若者御用達というよりは、もう少し年齢層が高いファンが多く、落ち着いてコーヒーブレイクを楽しむことができます。
老舗カフェといっても何十年も前からある訳ではなく、あくまでもデンパサールのおしゃれカフェの先駆け的存在という意味で「老舗」と呼ばれています。
2階建てのカフェは、決して広い訳ではありません。しかしながら、テラス席も屋内席も、座り心地の良い椅子やソファが置かれており、心から寛げる空間となっています。
店内は明るく清潔で客層が良く、キビキビした動きのスタッフにも好感を持つことができます。また、某有名コーヒーチェーンのように仕事を持ち込んでいる人の姿もなく、ただひたすら美味しいコーヒーを味わっている人の姿があるのみです。
「コーヒーは好きだけど、意識高い系の人や賑やかな人たちの間では寛げない」と思うなら、ぜひ至福の時間を約束してくれる「コピ・マデ」を訪れてみてはいかがでしょうか。
カウンターで直接オーダーしよう
品の良い喫茶店のような雰囲気の「コピ・マデ」ですが、喫茶店やレストランのように注文を取りにきてくれることはありません。店内にはバリスタが2人しかおらず、注文は直接カウンターにて行います。
こぢんまりとしたカウンターで注文を終えた後は、カウンター脇で待つのではなく、座席に座って待ちましょう。
カウンター手前には、ドリンクメニューのほかにも、フードメニューが置かれているため、軽食をとることも可能です。インドネシアの定番料理であるナシゴレンやミーゴレンのほかにも、揚げバナナであるピサンゴレン、そしてパスタ類などがメニューに載せられています。
コーヒーメニューが豊富なのは当然のことですが、シェイクやフレッシュジュースもあるので、コーヒーが苦手な人と入店しても安心でしょう。
値段はコーヒーが2万ルピア(約200円)から、そしてフードは3万ルピア(約300円)からあります。コーヒーブレイクを楽しむ場合、5万ルピア(約500円)札が一枚あれば、小腹が空いていたとしてもお腹を満たすことができ、ゆったりとコーヒーブレイクを楽しむことができるでしょう。
オムライスのようなナシゴレンが美味!
コーヒーが美味しいのは言わずもがなですが、「コピ・マデ」を訪れたのであれば、まるでオムライスのようなナシゴレンを試してみてはいかがでしょうか?
一般的にインドネシア風チャーハンであるナシゴレンは、玉子が両面目玉焼きになったものをチャーハンの上に飾って提供されます。
ところが、「コピ・マデ」のナシゴレンは、オムライスの中身を見せる形にカットしてあり、これまで見たことのあるナシゴレンの中でも、非常におしゃれに盛りつけられていました。
味に関しても、かすかにスパイシーなカレーの味がしておりとても美味でした。ベチャベチャと油っぽいナシゴレンが多い中、まったく油っぽくなく、ご飯がパラパラしているのも素晴らしいのひと言です。
雰囲気や店構えはおしゃれなカフェでも、肝心の料理の味が疎かになっているところも少なくありません。そういうカフェは、話のネタとして一度行ってみることはあっても、リピーターになることはないでしょう。
また、雰囲気も料理もそこそこ良かったとしても、スタッフの接客態度が悪くて「もう二度と行かない」と心に誓う、そんな店も多くあります。
しかし、「コピ・マデ」はスタッフのプロ意識が高く、雰囲気も料理の味も言うことなしの店です。「コピ・マデ」の営業時間は午前8時から午後0時までとなっているため、いつでも好きなときに立ち寄ることができるでしょう。
アート系イベントが多いカフェ
実はバリ島本店だけではなく、インドネシア国内に4店舗も支店を持つ「コピ・マデ」。バリスタスタッフの制服は、どのお店もデニムシャツにダンディな中折れ帽、そしてエプロンとなっています。
カフェとしてだけではなく、コーヒー豆を焙煎するロースターでもある「コピ・マデ」では、美味しいコーヒーの淹れ方をレクチャーするワークショップや、写真や絵画などを展示するアート系イベントが多く行われています。
バリ島内で活躍するフォトグラファーや画家といったアーティスト達が集まる様子は、フランスはパリ・モンマルトルのカフェのよう。19世紀にパリで活躍する芸術家たちが夜な夜なカフェに集い芸術談義に花を咲かせていた姿が、遠く離れたバリ島の現在に蘇ったかのようです。
イベントは不定期で行われており、店内にイベントを告知するフライヤーなども置かれていません。
そのため、スタッフに直接訪ねるか、「コピ・バリ」のFaceBookをチェックしてみることができるでしょう。
コメント