中華料理を食べることができるレストランはバリ島にもたくさんありますが、「本格中華」を食べるとなるとお店は限られてきます。
今回は、バリ島のグルメなローカルたちの舌を唸らせる名店、「デポット・ガン・ジャンクリック」をご紹介します。
移転しても大繁盛の本格中華レストラン
「デポット・ガン・ジャンクリック」は、バリ島のリッチなローカルグルメたちの間では有名ですが、観光客にはまだまだ知られていない名店です。
その証拠に、土曜日や日曜日の午後から夜にかけて込み合う店内は、グルメなインドネシア人たちで埋め尽くされます。
ローカル向けレストランにしては、一品の平均価格が5万ルピア(日本円で500円ほど)とお高め。ちなみに、初めてこのお店の噂を聞いたとき、ナシゴレンが5万ルピアもすることに驚きました。
屋台で食べれば1万ルピア(100円ほど)、ワルンで食べれば1万5千ルピアほど、レストランなら高くても3万ルピアで食べられるナシゴレンが、5万ルピアもするなんてかなり強気な価格設定です。
しかし、バリ島にあるお店は支店で、本店はジャワ島マランのジャンクリック通りにあるそうですから、どれだけ繁盛しているお店であるか、想像に難くないでしょう。
かつては、バリ島一の電気屋通りであるテク・ウマル通りにあった「デポット・ガン・ジャンクリック」。現在では、イマン・ボンジョール通りを挟んだ向かいの、テク・ウマール・バラット通り沿いに店を構えています。
今年の中ごろに移転し、デンパサールの中心部からは少し離れてしまいましたが、それでも客足が途絶えることもなく大繁盛しています。
コオロギの絵が目印
デンパサールのテク・ウマール通りとイマン・ボンジョール通りの交差点から、100メートルほど西に向かいます。すると、道の右側に薄い赤茶色のバックに黄色の文字で、「デポット・ガン・ジャンクリック」と書かれ、コオロギの絵が右に描かれたのぼりが見えるでしょう。
堂々とした作りの広い店内は、正直あまり垢抜けしない内装です。そのため、初めてのデートで立ち寄ると、おしゃれなデートを期待していた女性にがっかりされ兼ねないでしょう。
そもそも、店名からして「ジャンクリック」(コオロギの意味)ですから、このお店のことを知らない人が「怪しいお店なんじゃないの?」と思っても、仕方のないことかもしれません。
おすすめ料理は?
しかし、お料理ほうは、イケてない内装や店名を補って余りあると言えます。
「デポット・ガン・ジャンクリック」のメニューは、ドリンクメニューの一部を除いてすべて写真付き。そのため、どんなお料理が出てくるのか、注文したことのない品であっても容易にイメージすることができます。
こちらのお店のおすすめ料理としてバクミー(麺料理の一種)を推す方が多いようですが、「デポット・ガン・ジャンクリック」は、実は何を頼んでも外れなし、の非常に稀なお店です。
点心系から中華粥、各種チャーハンや海南鶏飯はもちろん、北京ダックやエビマヨ、揚げ魚の餡かけなど、中華料理のメニューは一通り揃っています。
本格中華レストランの高級店と言えば、ラヤ・クタ通りにある「飛龍」(フェイルーン)が有名です。しかし、美味しいお料理さえ食べられさえすればお店の雰囲気なんて二の次、という方ならぜひ一度こちらのお店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
ドリンクの注文にはご注意を!
料理はどれを注文しても外れなしですが、ここで注意したいのはドリンクの注文です。ワルンやレストランの定番ドリンクと言えば、エス・テ(冷たくて甘い紅茶)やエス・ジュルック(冷たいオレンジジュース)でしょう。
ふつうのお店では、高くても5,000ルピアほどのドリンク類が、こちらのお店ではなんと2万ルピア。エス・テは8,000ルピアほどですが、「エス・ジュルック一つ」と注文してしまうと、後でその高さにびっくりする羽目になります。
食いしん坊も驚きのメガ盛り
レストランに入って、メニューの写真と実際に出てきたお料理との差にがっかりするのは、バリ島ではよくあること。
ところが、こちらのお店では、メニューそっくりかそれ以上のお料理が提供されます。このことも、「デポット・ガン・ジャンクリック」が、ローカルたちの間で人気の理由かもしれません。
メニューをじっくり検討した後、サポタフという野菜と豆腐が入ったお料理、鶏肉ミンチの餃子とアヒル肉のチャーハン、そしてサユール・ヒジョウのスープを注文しました。
その後、出てきたお料理の数々にびっくり。特盛りやメガ盛りを頼んだ訳でもないのに、一品一品がすごい量です。
お味のほうは、噂にたがわずすべて美味でした。アヒル肉のチャーハンは、パラパラのチャーハンにしっかりした味付けのアヒル肉がマッチしており、これまでに食べたナシゴレン(チャーハン)の中でも一番のお味と言っても過言ではありません。
また、サポタフとサユール・ヒジョウのスープは、日本人の口に合った味付けで、どんどん食べることができます。どちらも、たっぷり野菜を摂ることができるので、野菜不足になりがちな方におすすめのお料理です。
量が多いため、残った料理をお持ち帰りすることも可能となっています。お店のスタッフに「Tolong dibungkus.(トロン ディブンクス)」と言えば、お持ち帰り用に包んでくれます。
フェイルーンかジャンクリックかで迷ったら
名の知れた名店「飛龍(フェイルーン)」か、グルメなローカル御用達「ジャンクリック」か、どちらに行こうかと迷ったら、用途や状況に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
新鮮なシーフードが食べたい、予算も潤沢にあって豪華な雰囲気の中で中華料理を味わいたいなら、「飛龍(フェイルーン)」がおすすめです。
一方、家族や友人たちなど、気心の知れた人々とお手頃な価格で本格中華を味わいたい、お腹いっぱい美味しいものを食べて幸せな気分に浸りたいというのであれば、「ジャンクリック」がおすすめです。
豪華だけど生バンド演奏やカラオケがある、ちょっと騒々しい「フェイルーン」は特別な日のためのレストランとして、静かで気取らない雰囲気の中で中華料理を食べることができる「ジャンクリック」は、ふだん使いのレストランとして訪れたいですね。
基本情報
店名:Depot Gang Djagkrik
住所:Jl.Teku Umar Barat No.22,PemecutanKlod,Denpasar Barat
電話番号:0361-223052
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