バリ島は、ジャワ島のように公共の交通手段が発達していません。移動手段として、タクシーなどに乗る以外、自分でバイクや車を運転する必要があります。
ただし、バイクを運転するには運転免許が必要。また、2016年に改定されたばかりのバイクの税法変更で、インドネシアで外国人がバイクを購入することが難しくなりそうです。
今回は、コロコロ変わるインドネシアのバイク税法と免許についてご紹介します。
バリ島でバイクを運転するには?
インドネシアでは、自転車代わりとも言えるバイク。バイクがなければ非常に不便なため、一人一台はバイクを所有しているというローカル一家もめずらしくありません。
インドネシアの免許はいくつか種類がありますが、基本的に一般車両用の免許SIM-Aと、バイク用の免許SIM-Cの2種類の免許を取得する必要があります。
多くの方がご存じのように、ジュネーブ協定に未加盟のインドネシアでは日本の国際免許で運転することは不可とされています。
かつて、バリ島では特別に、「国際免許でもバイクを運転しても大丈夫」だと言われていましたが、それも今では不可能に。
バリ島でバイクを運転したいのであれば、国際免許を取得するのではなく、現地の警察署で運転免許を取得しなければなりません。
日本人が取得できるバイクの免許の種類
バリ島には、仕事をされている方、リタイヤ生活を送っている方、結婚してバリ島で生活している方など、さまざまな立場の方がいらっしゃいます。
これらKITAS(1年用の暫時居住許可証)やKITAP(5年用の暫時居住許可証)を所有している方であれば、1年もしくは5年用の現地の運転免許証を取得することができます。(2016年11月時点)
一方、KITASやKITAPを有していない、ツーリストの方やソシアル・ブダヤビザと呼ばれる社会文化ビザでバリ島に滞在している方であれば、1カ月間有効のツーリスト用の運転免許を取得する必要があります。
ただし、これらツーリストやソシアル・ブダヤビザを使ったロングステイの方が取得できるのは、バイク用の免許のみ。
パスポートなどの必要書類を揃えて、デンパサールならワゲ・ルドルフ・スプラトマン通りにある警察署(POLDA Bali)まで、ウブド方面であればギャニャールのング・ラライ通りにある警察署(POLRES Gianyar)を訪れましょう。基本的に即日発効されますが、必要書類は警察署によって異なる場合があるため、事前に警察署を訪れて確認されることをおすすめします。
外国人はバイクを購入できない?!
現在のところ、外国人が自分名義でバイクや車を購入することはできません。
自分の名義でバイクを購入することはできませんが、現地のインドネシア人に協力してもらい、KTP(身分証明証)を借りてインドネシア人名義で購入することは可能です。
ところが、かつては多くの外国人が上記の方法でバイクや車を購入していましたが、2016年に可決された車両の「Pajak Progresif」という累進課税の導入で、この方法での購入が難しくなりそうです。
バイクもしくは車の所有者は、STNK(車両登録番号登録証)の期限にあるように、1年に1回税金を支払わなければなりません。
以前はSTNKの名義人が現在のバイクの所有者と違っていたとしても、滞りなく支払いをすることができました。
しかしながら、今回の「Pajak Progresif」の導入により、基本的に、STNKの名義人本人でなければ支払いをすることができなくなりました。
名義を貸してくれる人がいなくなるかも
「Pajak Progresif」では、バイクの名義人が税金を支払います。ところが、1台ごとに税率が違うのがこの法律のややこしいところ。
250CC以下のバイク1台目であれば1.75%、2台目は3%、3台目は4.5%、そして4台目は5%と、たくさんバイクを所有しているだけ税金を多く支払うことが求められます。
つまり、インドネシア人からしてみれば、自分名義のバイクが増える分だけ、高額な税金を払う羽目になります。となると、外国人のバイク購入のために名義を貸してくれるインドネシア人を探すのは、非常に困難になるのは当然のことでしょう。
もちろん、名義を貸してくれたインドネシア人にきちんと税金を渡して、一緒に税金を支払う場所であるSAMSATに行くなら、STNKの延長手続きをすることは可能です。
バイク没収の可能性も
もしもインドネシアで現地の人の名義でバイクを購入する予定があるなら、最初に税金の支払いとSTNKの延長について話しをまとめておく必要があるでしょう。
そうしないなら、名義人と疎遠になったり不仲になった場合、勝手にバイクの登録がブロックされてしまい、STNKが延長できないというケースも生じえます。
STNKの延長時に名義人が捕まらない場合には、最悪「盗品」としてバイクを没収されかねません。
ローカルであれば、1Juta(約1万円)ほどの手数料を払って名義変更をすれば良いだけですが、バイクを自分の名義で購入できない外国人にとっては名義変更の手続きもできないので、新たな現地人のスポンサーを探す必要があります。
ただし、「Pajak Progresif」(累進課税)がある限り、バイクの購入時に名義を気軽に貸してくれるインドネシア人を探すのは難しい、というのが今の現状です。
変更の多いインドネシアの法律に注目
「今よりももっと良い国に!」というスローガンの下、どんどん法律改正されている現在のインドネシア。
外国人だけではなく、インドネシアの一般市民も戸惑うほど、頻繁に法律の改正が行われています。
バイクや車の免許に関してもようやくオンライン化が進み、取得条件にも変更がありました。一時は、1年用の居住許可を取得している外国人の新規での免許取得は不可、とされていましたが、わずか数カ月で廃止に。現在では、以前と同じく新規取得、延長共に受け付けているとのことでした。
それどころか、KITASでKTAPと同じく5年用の運転免許を取得できるようになったという話も聞きます。ただし、正規ルートを通しての免許取得かどうかは怪しいため、免許取得予定の警察署で自分のビザに合った免許を取得したい、と伝えるのが一番良いでしょう。
まとめ
税法や免許だけに関わらず、毎年ビザ取得の条件が変わる国だけに、バリ島を訪れる方は、ぜひ最新の情報をチェックされることをおすすめします。
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