かに道楽といえば、動く巨大カニの看板を堂々と掲げ、道頓堀の顔的存在としてもあまりにも有名なかに料理専門店です。あの耳に残る、キダタロー氏作「とれとれぴちびちカニ料理~」のCMソングでもおなじみ。50年もの間、国内外観光客から高い評価を得てきました。
ですが大阪に住んでいると、かに道楽を外食先の選択肢に入れる人は少ないのではないでしょうか?今回は、このかに道楽の「奥座敷」として知られる網元本館に行ってまいりました。
はじめに、かに道楽の歴史について少しご紹介しますね。
かに道楽のルーツは、城崎にあります。山陰ジオパークの一角、城崎マリンワールドのすぐそばに古くからある料亭旅館 金波楼(きんぱろう)。1958年にこの金波楼は、大阪案内所を西道頓堀に開設します。その2年後には創業店となる千石船をオープン。かにすきを看板メニューに様々なカニ料理を提供することで、人気を広げていきます。カニを冷凍保存させる技術を確立させたのも、この頃。
そしてその翌年、かに道楽本店がオープン。
以来、カニ安定供給のための漁場開拓や、流通を整備するなどの企業努力により事業の拡大を続け、今日では関西を中心に、40を超える店舗を抱えるほどの規模にまで成長しました。
「カニで儲けさせてもらったので、カニを使って思い切り道楽をしてみたい」という創設者の思いからのネーミング。この一等地で思い切った賭けをし、見事成功に導いた創設者の裁量がうかがえますね。
1985年阪神タイガースの優勝時には、無法地帯となった道頓堀で、熱烈な阪神ファンによりカニ看板の目玉をもぎ取られ、タイガースの旗に置き換えられたり、同様なカニ看板を掲げる企業との訴訟を起こしたり、と何かと話題の多かったかに道楽。
どんなカニ料理をいただけるのでしょうか。わくわくします。
玄関は純和風の造り。石段や水を上手に使った日本庭園風の外観は、城崎の温泉旅館をイメージしているのでしょうか。期待を盛り上げてくれます。
玄関を入ると、ぴしっとした和装の仲居さん達が並んでお出迎え下さいます。若草色のお着物には清潔感があり、好感が持てます。
今回のお部屋は大部屋でした。お座敷は掘りごたつになっています。2~6階のお部屋はそれぞれ用途に応じて対応できるようになっています。60名の宴会から、接待にぴったりな個室、中庭をのぞめるお部屋も。予約時に希望を伝えるとよいでしょう。
今回、お昼のカニ会席「いこい(5300円)」をいただきました。
まずは前菜。鶏肉の煮もの、お魚に胡麻がまぶしてあります。
さて、いよいよカニづくしのお料理が運ばれて来ました。
カニ酢は、何もつけなくともカニの風味たっぷりで美味なのですが、甘酸っぱい三杯酢ともよく合います。さっぱりといただきます。
そして、お造り。脚、腹、ツメの部分が1本ずつ盛られています。
甘くてとろけるような舌触り。カニ専門店に来ないと、なかなかいただけるものではありませんよね。
まさに醍醐味です。わさびはたっぷりつけていただきました。
焼きガニは、香ばしく焼いてあります。すだちを絞っていただきます。
カニ料理はまだまだ続きます。カニのレパートリーは案外広いものですね。
お次はカニの天ぷら。高温の油でサッと揚げるのがよいのでしょうか、カニの甘さを感じることができます。そして、前菜以来久しぶりにカニ以外の食材と出会えました。茄子とオクラです。大根おろしと出汁つゆでいただきます。
カニ小鍋。お出汁はさすが料亭。優しいお味で、カニとよく合っているように感じます。きのこや白菜などのお野菜と一緒に炊くと、お野菜にカニの風味がしみて美味しくなります。
最後のカニ料理は、カニ寿司三種食べ比べです。のり巻き、バッテラ風押し寿司、にぎりの3種。ご飯ものはこのぐらいがちょうどですね。
コースの締めくくりには、ジューシーで甘いフルーツが一口ずつ。巨峰、パイナップル、オレンジでお口はさっぱり。
お料理もさることながら、料理旅館さながらのサービス、情緒あふれる雰囲気にも大満足です。ドリンク類は、ビールや日本酒に加え、ワインやカクテルなども豊富。
毎年11月のカニ解禁時期には、キャンペーンも開催されます。
いよいよカニのシーズン到来です。年末の宴会などにいかがでしょうか。
また、かに道楽各店では、同じクオリティのカニ料理をカジュアルな雰囲気の中、楽しむことができますよ。巨大ガニの看板は、裏で自転車をこいで動かしているという都市伝説をも持つかに道楽。
謎解きに訪れてみませんか?
かに道楽の奥座敷 網元本館
大阪市中央区西心斎橋2-13-15
06-6213-1010
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