西天満交差点を南に、一つ目を西に入ると左手にある閑静なマンション。
その1階にあるイザイ。見逃してしまいそうなたたずまいではありますが、実はとても美味しいフレンチレストランなんです。
店名となった「イザイ」とは、ベルギーに生まれ、1800年代後半に活躍したロマン派の音楽家、ウジェーヌ・イザイからつけられたとか。
日本庭園にみられる「つくばい」が置かれ、涼し気で落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
2013年のオープンから3年とまだ若いお店ですが、食べログフレンチ部門の人気ランキングでは、トップ20にランクインするほどの実力あるレストランなんですよ。
鳥取県出身の田中シェフはフランスや大阪の有名店での修行・経験を積んだ実力派。
コストパフォーマンスの高いランチを食べられるということで、行ってまいりました。
洗練され、落ち着いた雰囲気の内装です。白いクロスに清潔感を感じますね。
ランチコースは2種類。
リーズナブルな1800円のコースは、前菜、メイン、ドリンク、小菓子(+500円でデザート)。
もう1つ3500円のコースは、さらにグレードアップした前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート、 ドリンク、小菓子というフルコースです。
予約せずの訪問でしたが、時間の関係で1800円のものであればご用意いただけるとのこと。そのようにお願いしました。
カトラリーは、ポルトガルのCutipol(クチポール)のGOAシリーズ。ブラックレジンの細い持ち手がとてもスタイリッシュ。繊細なラインが素敵です。このシリーズは軽くて使いやすいのです。まさにエレガントさと機能性を兼ねそろえたカトラリーです。
前菜は、初鰹のタルタルとアボガド サラダとビーツのピュレ。
アボガドペーストの上に鰹のタルタルが置かれ、その上には黒い魚卵的なものが。これはニシンの卵をスモークし、イカスミで味付けをしたもの。スモーク独特の香りとプチっとした食感を、鰹のタルタルと一緒に味わいます。臭みのない新鮮な鰹です。ビーツのソースが添えられています。
個人的にはサラダのドレッシングの甘さも好みでした。
パンは、天然酵母のバゲットとデニッシュパン。御影石のプレートに乗っているのは、自家製バターです。これはとてもソフトなバターで、はじめパンの甘さと思ったのですが、バター自体にほんのりハチミツの甘味があります。いずれのパンにもよく合い、おかわりはないのですかとお尋ねしたくなりました。これらは吹田の山田にあるブーランジェリー・ルマタン・ドゥ・ラヴィから取り寄せているそうです。
メインは和牛、国産豚ひき肉のパイ包みと旬野菜。
赤ワインのソースを添えて。新鮮な旬の野菜は、株ごとのミニチンゲン菜、ミニキャロット、えんどう豆、甘味の強いさつま芋などにかぼちゃのペーストが添えられています。焼きたてのパリっとしたパイに包まれたお肉は、とてもジューシーでお肉の味が凝縮されています。しっかりしたソースとピッタリでボリュームもあり、大満足の一品です。
ここまでとコーヒー+小菓子で1800円のコースなのですが、やはりデザートがないと寂しいもの。
+500円でデザートをつけていただきました。デザートは、
・クレームブリュレ キャラメルソース
・フルーツと白ワインのジュレ
・ショコラガナッシュとバナナのキャラメリゼ
・フォンダンショコラ
・アメリカンチェリーのコンポートとアイス
の5種類。
ショコラガナッシュをチョイスしました。
そして来たのがこちら。
黒いプレートといい、何とも芸術的ではありませんか?縦半分にカットされたバナナの断面がキャラメリゼされています。ほどよく熟れたバナナに、パリっとした食感。キャラメルとバナナの相性にうっとりです。パリパリの波型の焼き菓子もアクセントになっていますね。
わかりにくいですが、バナナの下に柔らかいクッキー生地、その下にショコラガナッシュです。ほろ苦いガナッシュクリームをクッキーに乗せていただきます。
アイスクリームは塩キャラメル。塩気も甘味も、それほど強くありません。こんがりした香ばしいキャラメルの香りがお口に広がります。
小菓子のマカロンとマドレーヌ、コーヒーです。コーヒーのカップはとても軽く木製かと錯覚しますが、軽い陶器です。木製のシュガーポットにせよ、個性的なうつわが多かったのも好印象でした。
幹線道路近くにあるお店ですが、意外にも店内はとても静か。ランチは一人でも気兼ねなく入れるカジュアルさもあります。コストパフォーマンスが高く、夜もリーズナブルな料金で、上質で手の込んだお料理をいただけそうです。素材の良さと、お料理の美しさのレベルは高く、ぜひ大切な人と訪れてみたいお店です。
イザイ
大阪市北区西天満4-2-12
06-6363-1779
コメント