梅田から歩いて10分ほど。中崎町にやって来ました。古民家をリメイクしたお店が多いことで知られる中崎町では、どのお店も個性的で、街全体にノスタルジックな雰囲気が漂っています。昔は商店街もあったのだとか。すれ違う人の中にはカメラを構える人も多く、大阪では1,2を争うフォトジェニックな町。美味しい中国茶とスイーツをいただいてきましたので、ご紹介します。
細すぎる路地の奥にありました
すぐに迷子になってしまいそうな細い路地が多い界隈ですが、この路地はその中でも別格。一人がギリギリで、誰かとすれ違うことは至難の業。でもこの細さ、何だかワクワクしてしまいませんか?
路地の突き当り、ようやく目的地に到着です。
古民家を改装した、中国茶専門店の雅楽茶(がらくちゃ)。引き戸がどうにもノスタルジックですね。
畳のお部屋には、卓と座布団のお席がいくつか。階段下のスペースには、小さな水琴窟があります。木枠の窓の外は、狭い奥行ながらも中庭風になっていて、とても素敵な空間。おばあちゃんちに来たような。
さて、こちらでは、オーナーが台湾の生産者農家にまで足を運び、厳選の上に持ち帰った茶葉を、中国式の作法でいただけるんです。
中国茶というと、烏龍茶を思い浮かべる方は多いと思いますが、烏龍茶の中にも色々な種類があり、凍頂烏龍茶、梨山、東方美人など8種類ものラインナップ。
そして、台湾では紅茶の生産も盛んなんです。はちみつのような蜜香紅茶や、キャラメルの香りがする鉄観音紅茶など、風味豊かな紅茶もたくさん。
日本の緑茶や、ジャスミン茶、金木犀の香のする桂花緑茶などもおいています。
そして、お茶請けのスイーツもありますよ。
豆腐白玉(温、冷)や、数種類のおやつを好きなだけチョイスできる「お茶うけバイキングセット(お茶とのセットで950円)」なども人気なのだとか。
お品書きを眺めてみるのですが、どれも美味しそうで迷ってしまいます。
悩んだ挙句、黒ごまプリンセット(1050円)を凍頂烏龍茶でお願いしました。
中国茶の作法を簡単に学びます
オーナーから直々に、中国茶の飲み方を教わります。難しいことはしないのですが、美味しくいただくためには手順があります。ペーパーにもまとめてあるので、聞き漏らしても大丈夫。
まず、好きな茶杯(湯呑茶碗)を選びます。
茶器のセットがやってきました。
茶盤代わりの木のお盆の上には、一口お茶請けのお菓子、先ほど選んだ茶杯、ミルクピッチャーのようなものは茶海といって、出来上がったお茶を急須から移しておくためにあります。急須と茶葉も。そして、温かいお湯をいつでも使えるようにと、アルコールランプ台にポットがセットされています。
このほかに、砂時計と、お湯やお茶を捨てるための壺も。
さあ、では早速始めてみましょう。まずは、茶器を温めます。急須→茶海→茶杯の順にお湯を移していきます。
温まったところで、茶葉を急須にコロコロっと投入。丸い茶葉をほぐすために、一度たっぷりのお湯を急須に注ぎ、すぐに捨てます。
再度、急須にお湯をたっぷり注ぎ、1分間蒸らします。砂時計はここで使いましょう。
1分経過したら、茶杯に注いでいただきます。残ったお茶を茶海に出し切ります。
急須の蓋は結構熱くなりますので、こんな風に合体させておけば楽ちん。
これを繰り返して、5~6回は十分楽しめるそうです。多いと10回ぐらい出す人もいるのだとか。
1回目、2回目と出していくうちに変わって来る風味を楽しむのが作法なんですね。
1~4杯目の色を比較してみたのですが、蒸らす時間を調整することで、4杯目でもしっかりと色は出ていますね。
ところで、イメージしていた凍頂烏龍茶はもっと緑色をしたものでした。意外に茶色がかっていますが、4杯目になっても香りが消えません。発酵の度合によっても色は変化するそうです。
何か忘れていませんか。
普通ならスイーツが主役なのですが、今回ばかりは脇役に思えてしまいます。
手作りの黒ごまプリンは、濃厚な黒ごまの粗い舌ざわりとクリーミーさが絶品で、ぺろりといただいてしまいました。ガラスのうつわも涼し気ですね。
凍頂烏龍茶のフレッシュですっきりとした風味との組み合わせ、最高でした。
まとめ
農家によって、土壌によって、そしてその年の気候によって出来の違う茶葉。阿里山、凍頂、日月譚、梨山など台北から何時間もかかる産地に、年に数回足を運ぶことで、高品質なお茶を提供できるのでしょう。オーナーの楽しいお話を聞きながら、楽しいティータイムを体験することができました。
店頭には、お土産用に茶葉なども販売されています。
寧蜜紅茶とジャスミン茶を買って帰りました。本格的な茶器セットがなくても、おうちでも同じ味を楽しめそうです。暑い季節には、水出しにしてもいいですね。
雅楽茶
大阪市北区中崎西1-9-12
06-6375-3075
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