淀屋橋と本町の間、平野町にあるイタリアンレストランAlla Goccia(アッラ・ゴッチャ)。
惜しまれながら閉店した、中之島ダイビルのアリアラスカ マーブル・トレ。そちらで料理長を務めておられた北村シェフのお店です。オープンからはや1年。安定したお料理やサービスには、早くも称賛の声が上がっています。どんなお料理をいただけるのでしょうか。
光が差し込む明るく温かい店内
スタイリッシュで落ち着いた雰囲気の入り口から階段を上がると、大きなワインセラーがありました。
フレンドリーなお出迎えがあり、テーブルに案内されます。広くはありません。シェフが全席をやっと見渡せるかぐらいのキャパシティ。白っぽい木目調のテーブルには温かみがありながら、何かスッキリと洗練された印象です。どちらかというとカジュアルな雰囲気ですね。
店名入り紙テープで巻いたナフキンには清潔感があります。
丸みを帯びたフォルムがかわいいグラスは薄く、冷えたお水をいただくと、それだけで美味しいんです。カトラリー類も細身でステキ。この最初のテーブルコーディネートには、シェフのセンスがあふれているのでしょうね。
ランチメニューは豊富なラインナップ
ランチでは、あまり時間のないお勤め中の方達向けの「平日限定パスタランチ(800円)」や、パスタの前に前菜が付く「MENU A(1500円)」,ゆっくりとお食事を楽しみたい人向けの「MENU B(3500円)」、前菜3皿、パスタ2皿とたくさんのお料理を少しづついただける「MENU SPECIALE(5000円)」など、TPOに合わせて4種類用意されています。
今回は時間がたっぷりあったので、MENU Bをお願いしました。
MENU Bは、アミューズ、前菜、パスタ、メイン、ドルチェ、カフェという贅沢な内容。どんなお料理で楽しませてくれるのでしょうか。
パスタやメイン料理は、日替わりで一種類のみ。にもかかわらず、「苦手な食材はありませんか?」と一声かけて下さいました。その心遣いに心がほぐれます。
いよいよ待望のコーススタート!
1皿目がやって来ました。
前菜かと思いきや、こちらはアミューズです。左から真鯛のエスカベッシュ。白身の淡泊で上品な真鯛が、ほどよい酢加減で風味付けされています。中央は、レーズンを混ぜ込んだクリームチーズ。熟成した生ハムで包んであります。芳醇な香りのある生ハムで、ねっとりとしたクリームチーズやレーズンの甘酸っぱい風味と合います。右はポロ葱のポタージュ。素材の甘さが引き立つ塩加減です。どの一口もとても繊細で美味。
白ワインをグラスでいただきました。フルーティーな香りがあり、さわやかな風味です。
前菜は、カツオのカルパッチョ。
白いソースはエシャロットのソース。奥には山椒パウダーもあしらわれています。白いこのパウダー、口にしてみると確かに山椒の香りが。
葉野菜やスナップえんどうは色鮮やかでもちろん新鮮。カツオはさっぱりしていて臭みなく、柔らかな身で、こちらも白ワインと合いますね。
それにしても、この黒いプレートがスタイリッシュですね。アーティスティックな盛り付けが素敵です。
真っ黄色のオリーブオイルをフォカッチャにつけていただきます。フレッシュなオリーブオイルは、たっぷりとつけても重くありません。フォカッチャが美味しいので、お代わりをお断わりすることができませんでした。
パスタは、ホタルイカとあさりのタリオリーニ カラスミのソース。
ホタルイカの大きいこと。タリオリーニは歯ごたえがあり、もちもちとしています。水菜のシャキッとした食感に、ホタルイカとカラスミの磯の香りが贅沢ですね。このあとにメインが待っていますので、量は少な目。
豚とあなどるなかれ!もち豚とシェフに完敗
この日のメインは、もち豚のロースト。
黄色味がかったソースは、マスタードソース。ピンク色のお肉にたっぷりとかかり、見るからに美味しそう。お肉に合わせて赤ワインをいただきます。
もち豚とは、三品種の豚を掛け合わせたブランド和豚。厳選された農場のみ管理が許されています。快適な環境で大切に育てられたもち豚は、ビタミンBとEが豊富に含まれ、健康にも良さそうです。きめ細やかな肉質と甘味、上質な脂には定評があるとのこと、期待が膨らみます。
ロースの部位でしょうか。赤身の中に脂身はあまりないようです。ナイフを入れるのに力は要りません。火入れも絶妙なのでしょう、スーっと切れて驚くほど柔らか。きめ細やかさを実感できます。こんなに美味しい豚肉にはなかなかお目にかかれません。上質な素材とシェフの技術があればこそ、の一皿です。
お野菜もたっぷり。ローストされた茄子やマッシュルーム。アスパラのような緑の野菜はアスパラソバージュといって、ヨーロッパ原産の初夏が旬の野菜。アスパラの仲間ではないんですよ。つくしのようなかわいらしい姿をしています。食べると苦味や野菜臭さはなく、食べやすいお味。オクラのような粘度を少し感じました。
充実のメイン、大満足です。
デザートは、こちらも芸術的で美しい一品。白いプレートに盛られたのは、形のよいミルクのジェラートとガトーショコラ。ラズベリーのソースと、キャラメルのソースが添えられています。
ふわっとした口当たりのジェラートは、さっぱりしていて後味はミルキー。ガトーショコラと一緒に合わせても相性抜群です。
美味しいお食事のあとは、やはりコーヒーで締めくくりたいもの。
一口サイズのかわいいマコロンを添えて。ごちそうさまでした。
まとめ
普段使いできる平日限定のランチもとても便利なのですが、ここはゆっくりとお食事を楽しめるレストランでもあります。今回のように時間をかけてのコース料理もおすすめですよ。
接客も素晴らしく、2階からわざわざ1階まで降りてのお見送りなど、最初から最後までおもてなしの精神を感じずにはいれませんでした。
Alla Goccia
大阪市中央区平野町3-3-5 2F
06-6203-5555
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