これが本物の隠れ家!と言えるビストロを発見しました。ビストロDIVA(ディーバ)は、日本屈指の路地裏、天満の雑居ビル2階にあります。
薄暗い階段を上ると、大きな青い旗看板があります。
訪問した時間は13:00過ぎ。中に入ると、先客は1組の男女のみ。シーンとしていて、いらっしゃいませの歓迎の声も特にありませんが、空いた席に座って、というジェスチャーをいただいたので、とりあえず居心地のよさそうなテーブル席に着席しました。
赤いチェックのかわいらしいテーブルクロス、店内はラフでカジュアルな雰囲気です。カーテンで仕切られた厨房では、シェフが1人忙しそうに動きまわっています。どうやらお1人で切り盛りされているようです。
ジャン=ジャック・ベネックスが監督したフランス映画「DIVA」が店名の由来。店内には、映画のポスターが何枚かディスプレイしてあります。シェフが大好きな映画なのでしょうか。
メニューをいただきました。
ランチコースは、2000円、2500円、3500円の3コース。いずれも前菜やメインを選ぶことのできるプレフィクススタイルです。3500円のコースは、デザートをチーズに変更でき、250ccのワインもついていてとてもお得。このコースをお願いしました。
赤ワインがデキャンタでやって来ました。このボリュームでしたら、おかわりもできますね。
同時に、シェフがミネラルウォーターのアクアパンナをあけて下さいます。これは何とも嬉しいサービスですね。主張の少ないまろやかなお水で、どんなお料理にも合うミネラルウォーターです。
前菜は、田舎風パテ、キノコとベーコンのキッシュ、カンパチのカルパッチョ、ホタルイカとクスクスのタブレの4種。赤ワインと合わせたく、田舎風パテをチョイス。
このインパクト、どうでしょうか。2cm弱はある豪快なぶ厚さです。
温かいバゲットに乗せていただくと、とても贅沢。見た目の豪快さからは予想しがたかったのですが、実に丁寧に作られていることがわかります。お肉、スパイスの風味もばっちりです。このバゲットも大きくて、生地にほどよい弾力があって美味。前菜であることを忘れてしまいそう。黙々と食べ続けてしまいます。
サラダの葉野菜はパリッと新鮮で、酸味が強めのたっぷりのドレッシングと和えられています。
メインは、日替わりの魚料理、豚肩ロースのグリエ、鶏モモ肉のロースト、鴨モモ肉のコンフィの中から、豚肉をチョイス。
ほら、やっぱりボリューム満点ですよ。大きく厚みのある豚肩ロースが3カットも。
お肉はとても柔らかく、ほどよい脂が入ってとてもジューシーです。弾力がある美味しいお肉で脂には甘さを感じます。計算された火入れで、ソースも主張しすぎずバランスがい良い一皿です。
添えられた茄子のピューレからはカレーの風味をわずかに感じます。表面にはこんがりと焼き目が。茄子のよい香りがして、なめらかな舌触りです。
食後にはデザートかチーズを選ぶことができます。ワインが少し残っていましたので、迷った挙句チーズをオーダーしました。
出てきたのがこちら。今回、何度も書いていますが、とにかく一品一品が、他店と比較してワンサイズ大き目なんです。
すべてフランス産で、ブルーチーズはフルム・ダンベール(左)。ピリッと舌に青かびの刺激が伝わります。これを食べた後に、上のハードタイプのコンテ(上)を食べると、とても甘く感じます。熟成の具合もありますが、不思議な食べ合わせを楽しめました。
そして、白カビチーズのブリア・サヴァラン(右)。しっかりした厚めの皮に、中はとってもクリーミー。口の中で溶ける感じがたまりません。
最後はコーヒーで締めくくりです。チーズはワインだけでなく、意外とコーヒーにも合いそうです。
どのお料理も、珍しい食材を使っていたり、調理法が凝っているわけではないのですが、すべてにおいて安定したクオリティです。この分ならデザートも素晴らしく、きっと満足させてくれることでしょう。
シェフは無愛想ですが、1人で忙しく黙々と調理・給仕をこなす姿を見ると、ついつい手伝いたくなってしまいます。店内奥の鏡越しにお客さんの食べ進み具合を見ておられるのでしょうか、サーブのタイミングは絶妙でした。
ミシュランがどうのこうの、というお店ではないものの、職人芸を感じずにはいられないビストロでした。リピート必至です。男性でも満足できること間違いありませんよ。
ちなみに、BGMがありません。そこがまた、いいんです。
DIVA
大阪市北区池田町7-7 2F
06-6882-5676
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