ライデンは、ミュージアムやモニュメントなどの文化的な見どころが多い古都です。そのうえ、出島の医師であり学者だったシーボルトが研究していたほか、1855年に世界で初めて「日本学科」が設立されたライデン大学があり、オランダ中でも日本と関わりの深い町です。そのようなライデンの魅力を存分に味わうための、モニュメントをめぐる街歩きをしてみました。
・ライデン観光情報センター(VVV Leiden)
ライデン駅に着いたら、まず駅前広場から中心街の方角に伸びているStationswegという道路を進みます。すると、向かって右手にライデンの公式観光情報センターがあります。「VVV」という青い逆三角形のマークが、オランダでの観光情報センターの目印です。
こちらに立ち寄れば、無料で町の地図(手のひらサイズ)や美術展、イベントなどのパンフレットが手に入ります。カウンターにはスタッフが常駐していて、観光の手助けをしてくれます。宿泊や交通、イベントのチケットなどの手配もこちらでしてくれるそうなので、心強い存在ですね。グッドデザインなお土産が並んだショップも併設されていました。
住所:Stationsweg 26, Leiden
・ライデン市庁舎(Stadhuis van Leiden)
中世から街の中心で大きな存在感を放ってきたのが、こちらのライデン市庁舎(Stadhuis van Leiden)です。ファサードの部分は1547年に建てられたルネッサンス様式で、火災ののち改築されて今に至ります。ウェディングの場所としても人気で、ガイドツアーで内部を見学できるほか、イタリアンレストランとしても使用されています。
市庁舎が建っているBreestraatは、ショッピングに最適なお店の多い通りなので、ついでにウィンドーショッピングやお買い物が楽しめます。
住所: Stadhuisplein 1, 2311 EJ Leiden
・聖ピータース教会(Pieterskerk)
美しい外観を持つこの教会「聖ピータース教会」は、なんといってもその長い歴史が特徴です。1100年頃には教会としてこの地にあったのだそうです。その後、増築や改築を重ねて、現在のような壮大な建造物になりました。教会内を見学するのには3ユーロかかります。教会内にはあまり美術品などの鑑賞すべきものは多くありませんが、大きな2台のオルガンやステンドグラスが美しいのが印象的です。
また、この教会では色々な催し物が開かれています。予約の上で、脱出ゲーム(the Mayflower Escaperoom)に参加することもできます。参加費は125ユーロで、他ではできない特別な体験ができそうです。
住所:Pieterskerkhof 1a ,2311SP Leiden
・ホーフグランツ教会(Hooglandse Kerk)
聖ピータース教会と並んで、ライデン市内で存在感を放っているのがこちらのホーフグランツ教会(Hooglandse Kerk)。写真は、小高い丘の上に造られている要塞(De Burcht)からの眺めです。運河沿いを中心に、カフェやレストランの多い下町にあたる地区に建っています。
ホーフグランツ教会についてはあまり宣伝されていませんが、個人的には聖ピータース教会よりも見どころが多い教会だと感じました。入場自由で、誰にでも開かれているという印象です。お昼どきに行われていたパイプオルガンの無料コンサートには多くの人が集まって、じっと音楽に浸っていました。ここのパイプオルガンはサイズが小さいながらも、音の響きがとても美しかったです。教会の建物は後期ゴシック様式で、空から見ると十字架の形をしています。ほっと一息つけるような場所でした。観光の合間に立ち寄るのにおすすめです。
教会の周辺は、下町らしく小さな個性あふれるお店が立ち並んでいました。小道に迷い込むのも、町歩きの楽しみの一つですよね。かわいらしくデコレーションされた、個人のお宅の窓も多く見受けられました。
・要塞(De Burcht)
ライデンの町中には、個性的な「要塞(De Burcht)」があります。運河沿いの建物に囲まれるような場所にあるので、町の奥に入っていかないと存在に気づかないのがおもしろいところです。「De Burcht」と書かれた道路標識に従って進めば、エアポケットのような緑に包まれた要塞にたどり着きます。周りの芝生には、寝転がって日向ぼっこやピクニックをする人々の姿があり、和やかな雰囲気が流れています。階段を上がると、ライデン市内を見渡すことのできる素晴らしい眺望の場所があるので、ぜひ登ってみてください。
今の時代だからこそ、のんびり過ごせるスポットなのですが、昔は敵が攻めてきたときのためのシェルターとして市民に活用されていたそうです。丘と頑丈な石壁は11世紀になって造られたものです。実際に上って、ぐるりと一周することができます。要塞の内側では、大きな木が枝を風でゆっくりと揺らしていて、読書やおしゃべりをして、リラックスした時間を過ごす人たちがいました。なんだか心和む風景です。
写真でお見せした通り、要塞の階段を上がりきったところからは、ホーフグランツ教会のファサードがとてもきれいに見えるので、お見逃しなく。記念写真にもぴったりの場所です。
住所:Burgsteeg 14, Leiden
・ライデン大学および植物園(Hortus botanicus Leiden)
あまり広くはないライデンの町の中には、13ものミュージアムがあります。そのどれもが個性的で、訪れる価値のあるスポットですが、中でも特色があるのはライデン大学植物園(Hortus botanicus Leiden)です。熱帯雨林のような、オランダとは打って変わった環境の植物も大切に育てられ、研究に生かされています。自然科学が好きな方には特に魅力的な好奇心を刺激されるカルチャースポットだと思います。
住所: Rapenburg 73, 2311 GJ Leiden
この記事でお伝えしたのは、ライデンの主な見どころのほんの一部です。このほかにもたくさんの魅力がつまった町なので、ぜひたっぷりと時間をかけて味わってみてください。筆者は個人的に、要塞やホーフグランツ教会のある下町地区、そして植物園がお気に入りです。実際に街を歩いてみて、皆さんが自分だけのお気に入りを見つけることができますように。
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