バリ・ヒンドゥーを崇める人々が大半を占めるバリ島では、ヒンドゥー教徒でなくても自然と牛肉を食べる機会が少なくなります。
そんなバリ島にも、ジャカルタの味を堪能することができ、なおかつオックステールのスープを飲めることで有名なワルンがあります。
今回は、レノンにある「ワルン・レコ」をご紹介します。
レストランが立ち並ぶレノン・ププタン広場周辺
デンパサールのレノン・ププタン広場やレノンの行政機関がある地域は、ラヤ・ププタン通りとチョク・アグン・トレスナ通りに囲まれています。
この二つの大通り沿い、特にチョク・アグン・トレスナ通りには規模の大きいレストランが立ち並んでおり、平日のディナータイムや週末には、レストランを訪れるローカルの人々で込み合います。
「ワルン・レコ」(Warung Leko)は、このチョク・アグン・トレスナ通り沿いに建っており、レコ食堂という名前に似つかわしくないほど立派な店構えをしています。
サヌールからであれば車で15分ほど、クタやレギャン方面からなら車で30分ほどかかります。このエリアで外国人観光客の姿を見掛けることはほとんどありませんが、最近では観光地に負けないほど洗練されたレストランやカフェが増え、新しもの好きなローカルやグルメなローカルたちで賑わっています。
ジャカルタ発のレストラン
ジャカルタに本店のある「ワルン・レコ」は、ジャワ島のスラバヤやクディリなど、バリ島以外の場所にも支店を展開しています。
そんな「ワルン・レコ」の看板メニューは、Iga Sapi Penyet(牛肉のスペアリブ)。Penyetとは、インドネシア語でペチャンコ、平たいことを意味しますから、そのまま訳すならペチャンコの牛肉スペアリブになるでしょうか。
ペチャンコというとイメージが悪いかもしれませんが、「ワルン・レコ」の牛肉スペアリブは、決してお粗末な代物ではありません。5万ルピア(約500円)札を1枚出せば、お釣りが返ってくるほどのお手頃価格で牛のショートリブを食べることができる、大変貴重なレストランです。
また、オックステールスープやショートリブの煮込み、牛筋のスープなどのメニューも揃っています。もしも、崇拝の対象となっている牛を食べることが禁止されているバリ島で、「思いっきり牛肉料理が食べたい!」というなら、ぜひ訪れてみられてはいかがでしょうか。
アヒル肉のから揚げやシーフード料理もおすすめ
「ワルン・レコ」では、牛肉料理だけではなく、アヒル料理やシーフード料理のメニューも豊富です。そのため、「牛肉が食べられない」「牛肉があまり好きじゃない」という方でも訪れることができるレストランとなっています。
アヒル肉は、鶏肉よりもジューシーで、から揚げにするとパリパリと香ばしいのが特徴です。専門店で食べるとなると、バリ島にしては結構な値段がする料理ですが、「ワルン・レコ」では手頃な値段で食べることができます。
また、「ワルン・レコ」ではどんな料理にも特製サンバルが付いてきます。実はこのサンバルが非常にご飯のすすむ味なので、ご飯のお代わりをする人が多いのも頷けます。
もともと「ワルン・レコ」のご飯の量は少な目であるため、がっつりご飯を食べたい方は最初からご飯を2皿分オーダーしておいても良いかもしれません。
広々として清潔な店内
「ワルン・レコ」バリ島支店の店内は、とても清潔です。ピカピカの店内はワルンのレベルではなくレストランのレベルなので、「キレイなお店じゃないと食事できない!」とおっしゃる方でもきっと満足できるはず。
店内はシックなブラックで統一されており、照明も少ないため、日中でも手元が暗く感じられるかもしれません。ですが、天井が高く広々としているので、店内の薄暗さをカバーしています。
かなり広い店内であるため、注文するときにスタッフになかなか気づいてもらえないかも、と心配になるでしょう。たまにあることですが、あまりに広い店内だとスタッフを呼びたくてもスタッフの姿が見当たらないということもあります。
しかし、さすが「ワルン・レコ」はジャカルタに本店を持つお店だけあり、スタッフの教育もしっかり行われているのでしょう。
テーブルごとに担当のスタッフが決まっているので、広い店内でも安心して注文することができます。
長居するには向いてない?
「ワルン・レコ」は、あくまでも「食事をするところ」というスタンスで建てられているため、長居するのにぴったりなお店とは言い難いかもしれません。
その証拠に、店内に置かれている椅子はお世辞にも座り心地が良いとは言えません。店内の右側には壁沿いにソファ席がありますが、ふかふかのソファではないので長時間座るのは厳しいでしょう。
もちろん空間的には居心地が良いので、気持ち良く食事をすることができます。「ワルン・レコ」は、今風のオシャレなレストランではありませんが、清潔で美味しい料理が食べられるお店です。
ジャワ島の酸味の効いたスープが美味しい!
牛肉料理やアヒル肉の料理が美味しい「ワルン・レコ」ですが、今回はエビの炭火焼きとサユール・アサムという野菜スープを注文しました。
一人前6尾あるエビはちょっと焼きすぎたかのように見えますが、パリパリしていて殻ごと食べるのにぴったりです。
エビを炭火で焼く際に、トマトと唐辛子のソースであるサンバルを塗って焼いてあるので、香ばしい匂いが食欲を誘います。
エビの国外輸出量が多いインドネシア共和国。そのため、現地市場にもたくさんエビが卸されており、安い値段でエビを食べることができると思われるかもしれません。しかし実際には、日本でお馴染みのインドネシア産のエビは現地価格が高く、インドネシアの一般庶民の食卓にそう頻繁に上るものではありません。
そんな背景もあり今回はエビの炭火焼きを注文しましたが、エビ6尾で3万ルピア(約300円)なら、バリ島ではそこそこ安い値段です。
ジャワ島の料理であるサユール・アサムは酸味の効いた野菜スープで、野菜不足の人には嬉しい料理です。スープの中にはキャベツやニンジンなどの野菜のほか、トウモロコシの輪切りが入っていますが、トウモロコシのほのかな甘みが酸っぱいスープによくマッチして美味です。
「ワルン・レコ」は、ジャワ島の味を手軽に楽しむのにぴったりなレストランだと言えるでしょう。午前10:30から午後10時までの営業なので、夕食を食べに行く場合は早めに訪れることをおすすめします。
基本情報
店名:ワルン・レコ
住所:Jl.Cok Agung Tresna No.110, Denpasar
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