近年急速に発展が進み、カンボジアに住み始める日本人はますます増えてきています。しかし、まだまだカンボジアに関する情報は出回っていないのが現状です。
カンボジアに住むために手続きが絶対に必要なものはビザと住居の二つです。そこでこの記事では、ビザの取得方法と住居の探し方を在住者目線でお伝えしていきます。
【必要なもの1:ビザ】カンボジアのビザの取り方
日本のパスポートのパワーは強くビザなしで行ける国も多いのですが、カンボジアに入国する場合には、依然としてビザが必要です。
しかしカンボジアのビザは世界でもトップクラスに取得条件が緩いため、多額なお金を納める必要もなければ、大量の書類も必要ありません。
少しの手続きで何年もカンボジアに住むことができるのです。(とは言え、無条件にビザを延長できた数年前よりはだいぶ厳しくなっていますが…。)
では、住むためにはどのビザを取得する必要があるのでしょう?またどうすればビザを取得できるのでしょうか?
そもそも、カンボジアのビザにはどんな種類があるの?
一般の人が使えるビザは大きく分けて二種類あって、それが観光用のビザとどんな用途でも使える労働ビザになります。
実は、これら以外にも国際協力プロジェクト用のビザや技術者用のビザ、公的ビザなどもあるのですが、こういったビザは所属している組織から支給されることがほとんどで該当者も少ないため、ここでは割愛させていただきます。
観光ビザと労働ビザの特徴
2019年3月時点でのビザ情報をお伝えします。現在最新のビザ情報をお伝えしますが、カンボジアのビザ制度は現在過渡期にあるため、それこそ先月と今月で制度が違うということもあるくらい頻繁に内容が変わります。
なので、自身でもビザの情報をチェックしておくことをおすすめします。
観光ビザ(T)
料金 | 30$ |
期間 | 1か月 |
延長 | 48$で最大もう1か月延長可能 |
延長時に必要な書類 | パスポートのみ |
観光ビザが有効な1か月のうちに延長手続きを取ることで、もう一か月滞在することができます。ただしそれ以上の延長は原則的にできません。
労働ビザ(EB)
料金 | 35$ |
期間 | 1か月 |
延長 | 165$で半年、290$で一年延長可 |
延長時に必要な書類 | パスポート、在職証明書 |
労働ビザも空港で取得することができ、最初は観光ビザと同じく最長一か月です。その後代理店経由でビザ申請を行えば、半年または一年住むことができます。一年以上住む場合はまた再度延長という形になります。
2018年から、一年以上延長する場合は在職証明書の提出が義務付けられました。
住むためには労働ビザが必須!その取り方を詳しく解説
以上見てきたように、観光ビザでは最長二か月までしかカンボジアにいることができません。(実は観光ビザでもビザランを繰り返せばカンボジアに居続けることができるのですが、途中で止められたりするリスクもあり、あまりおすすめできません。)
なので、もし住むとなったらほとんどの人は延長すれば一年連続でいることが可能な「労働ビザ」を取ることになると思います。
そこで労働ビザの取得方法を見ていきましょう。
手続き方法(初回)
労働ビザを取得する方法は、日本にあるカンボジア大使館で申請し取得する方法と現地の空港で取得する方法があるのですが、断然現地の空港で取ったほうがいいです。
大使館でビザを取得する場合、大使館が指定する時間帯、それも時間を空けにくい平日の9:00から12:00の間に申請し、さらに後日、平日の13:30から15:30の間に取りに行く必要があります。しかも日本だけでなくカンボジアの祝日でも休みです。以上のように大使館でビザを取得しようとすると、手間があまりにかかってしまいます。
一方、現地の空港でビザを取得する場合は、わずか10分ほどで発行してもらえます。
必要な書類も空港でもらえる紙一枚だけですし、英語で尋問されることもほとんどありません。
手続き方法(延長時)
カンボジアのビザ延長は入国管理局でできるのですが、手続きがややこしく、部署をたらいまわしにされる可能性も高いため、クメール語がぺらぺらでカンボジア事情に精通している方以外はおすすめできません。
ではほとんどの人はどうしているかというと、カンボジア国内にある旅行代理店に後述する必要な書類を持参してビザ延長を代行してもらっているのです。
必要な書類(初回)
・パスポート
パスポートは有効期間が6か月以上残っていなければカンボジアに入国できません。忘れていて入国できないということがないようにしましょう。
・アライバルカード(飛行機の中か空港でもらえる)
カンボジアに入国するために必要なカードです。これは飛行機の中で添乗員から渡されます。もしもらうのを忘れたとしても、空港でもらうことができるので心配いりません。
・ビザカード
ビザを作成してもらうのに必要なカードです。これも飛行機の中で添乗員からもらえるほか、空港でも入手することができます。
・証明写真
ビザカードに添付する写真で、日本で写真を撮ってそれを持っていきましょう。万が一撮ってくるのを忘れてしまった場合でも、写真代を5$ほどビザ担当の従業員に払うことでビザを発行してもらえます。
必要な書類(延長時)
・パスポート
出国するときに期限が切れないかどうか確認しておきましょう。
・証明写真
ここでも証明写真が必要になってきます。プノンペンには写真の右にある建物のような証明写真屋が点在しているのでここで写真を撮って持っていけば大丈夫です。なお、カンボジアの写真屋は証明写真であってもphotoshopを使って加工することが多いですが、それをビザ申請に使用しても問題はありません。
・在職証明書
カンボジア国内で働いていて、一年間延長する場合は在職証明書の提出が義務付けられるようになりました。なお、在職証明書には必ず会社のロゴが入ったスタンプと責任者のサインが必要なので、たとえば、会社に入っていない人が長期でカンボジアに滞在したいからといって自分で書いて提出することはできません。
もし会社に入っていなくてカンボジアに長期で滞在したい場合は、後述する「求職者ビザ」を取ることになります。
カンボジアで働いていないけど長期で滞在したい方は「求職者ビザ(EG)」
カンボジアで短期でいるなら観光ビザ、長期でいたいなら労働ビザを取得するのが基本です。しかし中には、働いていないけれど(もしくはノマドワーカー、フリーランスだけど)カンボジアに長期滞在したいと思っている方もいると思います。
そのような人でも、実は現行のルールなら、「求職者ビザ」を取得して滞在するという抜け道があります。私も一度書類が間に合わなくて求職者ビザで滞在したことがあります。
求職者ビザ(EG)の特徴
料金 | 35$ |
期間 | 1か月 |
延長 | 165$で半年延長可(その後の更新は不可) |
延長時に必要な書類 | パスポート |
料金は労働ビザと一緒です。求職者ビザの一番の特徴は何と言っても労働許可書が不要で半年延長できること。その代わり一度しか延長することはできません。
【必要なもの2:住居】住居の探し方
ビザも一段落したら、次に探さなければいけないのは自分の住居。カンボジアではどのように住居を探せばいいのか、また家賃の相場などもお伝えしていきます。
カンボジアで住居はどうやって見つければいい?
日本の場合はネット検索すれば大体住居を見つけることができますが、カンボジアの場合は駐在員が住むような高級マンションくらいしかありません。もっとお手頃価格の住居を探す場合はどうすればいいのか、いくつか方法をお伝えします。
方法1:Facebookで検索する
Facebookで「phnompenh house」などと検索してみると、住居の広告がいくつか見つかると思います。
カンボジアでは日本よりはるかにFacebookが普及していて、アカウントを持っていない人を探すほうが難しいくらいなので、カンボジアでビジネスをやろうと思った人は真っ先にFacebookに広告を打つ人が多いのです。
もし気に入った住居が見つかったら、記載されている電話番号に電話して住居を見てみましょう。
方法2:自分の足で探してみる
Facebookでも見つからなかった場合は、自分の足で探すしかありません。町をうろうろしていると写真のような文字がときどき目に入ります。ផ្ទះជួលはクメール語で「貸家」という意味です。もしこの文字が見つかったら、記載されている電話番号に電話して家の中を見せてもらいましょう。
ただし、こういった広告を出している大家さんは英語が話せないことがほとんどなので通訳に同行してもらうことをおすすめします。通訳の相場は、個人間での契約の場合は60$前後ですが、通訳の会社経由で依頼する場合は100$ほどになります。
内見についても一点注意すべきことがあります。日本では「一回見てまた考えよう」という「下見」の文化がありますが、カンボジアでは即断即決が基本です。住むなら賃貸契約を結ぶ、住まないなら住まないで態度をはっきりさせないと、大家さんが苦い顔をすることもあるので気をつけてください。
一方、町にはこういった文字もよく目にします。こちらのផ្ទះលក់はクメール語で「売家」という意味なのですが、カンボジアでは外国人が家を買うことは法律で禁じられているため、売家を買うことはできません。
プノンペンの家賃の相場はどれくらい?
プノンペンに住むことが決まったら、気になるのが家賃の相場ではないでしょうか。プノンペンは場所によって家賃が大きく異なるので、事前のチェックが必要です。
ボンケンコンエリア
相場:500$~2000$
おしゃれなレストランやカフェが立ち並ぶボンケンコンエリアは、駐在員も多く住むプノンペンの一等地です。家賃の相場も高く、安くても500$、駐在員が住むマンションになると2000$くらいするものもあります。
トゥールトンポンエリア
相場:300$~1000$
アクセスが良好なトゥールトンポンエリアもボンケンコンエリアほどではありませんが、近年開発が進められている新興住宅地で、ここに住んでいる駐在員も結構います。
家賃の相場もボンケンコンエリアに比べれば安く、200$前後で住める住宅もあります。
トゥールコックエリア
相場:100~800$
トゥールコックエリアも近年開発が進められているエリアなのですが、プノンペン中心部から少し距離があるため家賃も比較的安めになっています。この地域はアジア系の外国人が多く住んでいますが、日本人はあまり見かけません。
その他ローカルエリア
相場:50~250$
ローカルエリアなら一か月50$くらいで住める住居もありますが、セキュリティが脆弱で「物がよく盗まれる」といった声もよく聞くので、最低でも100$くらいの物件を探すことをおすすめします。
基準は「出入口の鉄格子がしっかりしているかどうか」です。上の写真は私が住んでいる家の出入り口ですが、厚い鉄格子で封鎖されているため、外部者は侵入できないようになっています。
まとめ
この記事では、カンボジア・プノンペンに住むのに必要な手続きであるビザの入手方法と住居の見つけ方をお伝えしました。
この手続きは煩わしいものですがこれさえクリアできれば楽しいプノンペン生活が待っています!
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