ドイツの光熱費の仕組みと安く抑えるためのコツ

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住居が無事決まったら、次に手続きをしなくてはならないのが光熱費の支払いです。

ドイツでは水道代は家賃の共益費・管理費に含まれています。また電気やガス代については、最安値の会社を自分で選んで契約することができます。さらには公共放送の受信料の手続きについてもお伝えします。
ドイツの光熱費にはどんなものがあるのでしょうか。

水道代

一見意外ですが、ドイツでは水道代は家賃の管理費・共益費に含まれています。マンション住まいの場合は、住居の広さや一世帯の人数などによって水道代を分割しています。
でも何となく不公平に思えませんか?水をどれだけ節約しても、マンションの住人に無駄遣いをする人がいたら、その人の分まで分割して払うことになってしまうと思いませんか?
はい、実はその通りなのです!

例えば、単身で生活をしていて出張が多く家にあまりいない人が、大家族の分まで水道代を払うことには納得がいかない人も多いでしょう。実際に水道料金の支払い方をめぐっては、これまでに訴訟が色々と起きているようです。その原因には水道のメーターが各家庭に設置されていず、実際の消費量を測れないという問題があるそうです。
我が家でもこの方式で水道代が計算されています。一方、水道代を別の業者が管理している住宅もあります。その場合は各家庭にメーターが設置されています。
もっとも元々ドイツ人は節約精神にあふれているので、水道の水も無駄遣いをしていない人が多いです。洗剤で食器を洗ったら、驚くほど少量の水でしか洗剤を洗い落としません。かつてドイツ人の友人宅で泡が落ちていない食器を見かけたのでそれを言うと、「使っている洗剤はエコだから大丈夫」という返答でした(!)。食器洗い機がドイツの一般家庭で多く普及している理由の一つには、手洗いする場合よりも水を無駄遣いせずに済むという事も関係しているそうです。
それに日本では毎日お風呂に入るのは当たり前ですが、ドイツ人で毎日お風呂に入る人は恐らく数パーセントもいないのではないでしょうか。大半の人は朝か夜にさっとシャワーを浴びるだけです。
水道料金の測定方法については、賃貸契約書に規定されています。入居する前に水道代の支払いについてもきちんとチェックしましょう。

電気代

水道代は良いとして、電気がなかったら生活が始まらない。
入居したら電力会社に登録しなければなりません。ドイツ全土には電力会社がたくさんあるのですが、その数は何と900社以上と言われています。でもこんなにたくさんある中から、一体どうやって選べばいいのでしょう?
ここでは電気代を抑えて生活するコツをお伝えします。もし電力源などについて興味があれば、エコ電気会社での契約をすることをおススメします。
こちらはドイツのコンセントの形状です。220ボルトなので日本から持ってきた電化製品を使用する場合は変圧器を使用してください

電力の基本供給社(Grundversorger)

「引っ越したものの、電気が通っていないから生活ができない」ということは、ほとんどの場合ありません。どの地域でも電力の基本供給社(Grundversorger)があり、これらの会社が引っ越したばかりの人の生活もできるように電気が通るようになっているからです。
これは電気が人間の生活の基本となるため、電力会社は生活を保証するために電力を供給する義務を負っているという考えに基づくものだそうです。いかにもドイツ的ですね。
ならばわざわざ電力会社を選ぶ必要なんてないじゃないか、と思われるかもしれません。
しかし、ここには落とし穴があるのです!この基本供給社が請求する電気代は他に比べると高めに設定されているのです。安い電力会社に比べると、一年間に数百ユーロも多く電気代を支払うことになってしまいます。

電気代比較サイトを利用しよう

そこで役に立つのが、電気代を比較するサイトです。代表的なのはVERIVOX 社、https://www.verivox.de/ です。電力会社の他にも、ガス会社やインターネット会社などについても最安値を検索することができます。
検索の仕方はいたってシンプル。電気(Strom)を選択して、自分の住所の郵便番号、世帯人数を入力するだけです。

例えばハンブルクのアルトナに住んでいる場合を検索してみましょう。4人家族で年間の電力消費量が5000 kwhだとします。


一番お得な会社はエコ電気会社となります。年間1395.50ユーロで基本供給社に比べると258.20ユーロ安くなります。次に安いのは大手電力会社であるVATTEMFALL
で年間1399.4ユーロです。
エコ電気というと一般的に高価なイメージがありますが、他社とそれほど変わらない会社が多いですし、このように最安値になることすらあります。
ドイツは再生可能エネルギーの普及率が高いです。風力発電の風車は郊外を車で走っているとよく見かける他、太陽光発電のパネルを張っている一般の住宅もたくさんあります。

利用の仕方

さて比較サイトの続きです。価格の下に表示されているオレンジ色のmehr zum Tarif(料金の詳細)をクリックすると詳細が出てきます。


ここにはこの料金で保証されている期間 (Eingeschränkte Preisgarantie、この場合は12か月) や契約期間 (Vertragslaufzeit) が提示されます。ドイツでは最低契約期間があるので、この場合は最低12か月はこの料金での契約をしなくてはなりません。
右側のオレンジ色 in 5 Min. online wechselnをクリックすると、申込み画面が表示されます。氏名や住所などの他、銀行の引き落としのための口座情報など入力したのちに、一番下のオレンジの部分、Weiter zu den Anschlussdatenをスクロールして登録を完了させます。

ガス代

ガス料金ですが、こちらは台所の調理台でガスを使っている場合のみ契約が必要となります。住居によっては、ガスを通していなくて調理台が電気で稼働するものも多くあります。その場合はガス代は生じません。
経験から言うと、ガスの調理台の方が料理がしやすいです。中華や和食を作るのには細かい火の調節ができるガスの方が合っていると思います。電気の調理台だと調節をするのにどうしても時間がかかります。
大手ガス会社、GASAGに行ってみたのですが、対応が親切で好印象でした。
カスタマーセンターに入ってみました。

中の待合室ですが、寛げそうな空間です。

入り口で「引っ越したばかりでガスの登録の仕方がわからないのですが」と言ってみると、懇切丁寧に教えてくれました。家の中のどこかにこんな感じのガスのメーターがあるので、「まずはそれを探してみてね」と言ってメーターをわざわざ見せてくれました

上部の写真のNR.の先の番号が契約者番号で、黒と赤の部分がメーター表示です。登録する際には契約者番号を伝え、入居時点でのメーターを伝えてくださいとのことでした。メーターは黒字部分の数値のみ伝えれば良いそうです。

こちらは申込用紙ですが、オンラインでも登録できます

ドイツの家賃の共益費・管理費

以前にお伝えしましたが、水道代は原則的に家賃の共益費・管理費に含まれています。これはドイツならではの制度だと思いますが、ここには水道代だけでなく、いろんなコストが含まれています。ざっくり分けると光熱費の範疇に入りますので、ここで詳細をお伝えしましょう。
Die Grundsteuer 土地税。税率は地域、各自治体により異なりドイツ全土で一律ではあありません。
Kosten für die Wasserversorgung 水の供給にかかる費用。水道の消費量だけでなく、基本料金、メーターのメンテナンス費なども含まれます。
Die entstehenden Kosten für die Entwässerung 排水にかかる費用。家、土地の排水で屋根に取り付けられた雨どいの排水なども含まれます。
Die Heizkosten 暖房代。水道代と異なり通常は各家庭にメーターがあり、実際の消費量によって計算されます。
Die Kosten für die Warmwasserversorgung お湯の供給にかかる費用
Kosten für verbundene Heizungs- und Warmwasserversorgungsanlagen
暖房、お湯の供給に連結する費用
Kosten für Aufzüge エレベーターにかかる費用(点検費など)
Kosten für Straßenreinigung und die Müllbeseitigung 道路清掃、ごみの処理にかかる費用
Entstehende Kosten für die Reinigung des Gebäudes und der Bekämpfung von Ungeziefer
建物の清掃、害虫駆除にかかるコスト
Kosten für die Gartenpflege 庭の管理
Kosten für die Beleuchtung 照明代(建物の共用部分の照明代)
Kosten für die Reinigung des Schornsteins 煙突掃除代
Laufende Kosten für die Sach- und Haftpflichtversicherung 損害賠償保険料
Laufende Kosten für den Hausmeister / Hauswart 家を管理するハウスマイスターへの支払い
Entstehende Kosten durch vorhanden TV-Anschlüsse テレビのアンテナの取り付け代
Die entstehenden Kosten für den Betrieb einer oder mehrerer Geräte zur Wäschepflege
洗濯機の管理費(住居によっては共用部分に洗濯機などを設置している所もある)
Sonstige entstehende Nebenkosten その他、上記に含まれない費用

不動産契約の項目でもお伝えしましたが、ドイツの家賃はKaltmieteWarmmiete から成り立っています。前者は住宅にかかる家賃で後者は共益費・管理費を含んだ全部の家賃で、毎月支払う家賃はWarmmieteになります。
一般に共益費・管理費はWarmmieteの約2割程度であることが多いです。
共益費・管理費の金額は一年間にかかった費用を各住宅の面積で割って算出されます。ただし暖房費(一部の住居では水道代も)は消費量で計算され、後日各家庭に請求書が届きます。ふつうは6月から12月くらいまでの間に前年分の請求書が送られてきます。
もし多く支払い過ぎていた場合は戻ってきますが、少なかった場合は付け足して払わねばなりません。金額は色々で数ユーロの場合もありますが、中には「1000ユーロの請求書が届いた」という話も聞きます。

公共放送局の受信料

2013年以来、ドイツでは公共放送の受信料を支払うことが義務付けられています。これはNHKの受信料と同じもので、月額17.50ユーロです。
以前は「家にテレビまたはラジオ、コンピューターを持っている場合に支払い義務が生じる」とされていたのに、数年前からは所有の有無にかかわらず各家庭ごとに受信料が徴収されることになりました。
住居毎なので家族やシェアハウスで住んでいる人たちは人数に関係なく、月額17.50ユーロとなります。(障碍者は5.83ユーロです)
つまりテレビを見なくても支払わなくてはならず、税金の徴収とほぼ変わりません。これに反対の意を唱える声も多く訴訟も行われたのですが、日本の最高裁判所に該当するドイツ連邦憲法裁判所が合憲の判決を下しています。
支払いが義務付けられたことで、受信料に余剰が生じ、値下げになるのではという期待もあったのですが、今までのところ料金は変わっていません。なお長期失業者、生活保護受給者である場合は支払いが免除されることもあります。
登録は以下のサイトで行いますが、郵送でもできます。
https://www.rundfunkbeitrag.de/
もっとも日本とは違い、ドイツの公共放送局はかなり色々とあります。第一ドイツテレビ、第二ドイツテレビに加え、フランスと共同の放送局(ARTE)、ドキュメンテーション番組を多く扱っているPHOENIX、子供向けの専用放送局KIKAなど、バリエーションが様々です。
さらには放映した番組をインターネットで見られるものも多いので、利用価値はたっぷりあります。
以下は公共テレビ、ラジオのリストです。
»Erstes Deutsches Fernsehen 第一ドイツテレビ

ベルリンにある第一ドイツテレビのスタジオでは主に政治に関する報道をしています。道を挟んだ所には連邦議会議事堂があります。


» Bayerischer Rundfunk (BR) バイエルン放送局
» Deutsche Welle (DW) ドイチェベレ (海外向けにドイツのニュースを発信している)
» Deutschlandradio 公共ラジオ局
» Hessischer Rundfunk (HR) ヘッセン放送局
» Mitteldeutscher Rundfunk (MDR) 中央ドイツ放送局
» Norddeutscher Rundfunk (NDR) 北ドイツ放送局
» Radio Bremen ラジオ・ブレーメン
» Rundfunk Berlin-Brandenburg (rbb) ベルリン・ブランデンブルク放送局
» Saarländischer Rundfunk (SR) ザールラント放送局
» Südwestrundfunk (SWR) 南西ドイツ放送局
» Westdeutscher Rundfunk (WDR) 西ドイツ放送局
» Zweites Deutsches Fernsehen (ZDF) 第二ドイツテレビ

こちらがベルリン中心部にある第二ドイツテレビです。余談ですが、この建物の向かいにあるお寿司屋さん(Ishin一心)はとても人気でお昼時は常に行列ができるほどです。


» ARTE – Der Europäische Kulturkanal フランスとの共同放送局。二か国語放送が多い。
» KiKA – Der Kinderkanal von ARD und ZDF 第一放送局と第二放送局共同の子供専用放送局
» PHOENIX – Der Ereignis- und Dokumentationskanal von ARD und ZDF ドキュメンタリーなどを多く扱う、第一放送局と第二放送局の共同の放送局。

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