アムステルダムの蚤の市といえば、ワーテルロー広場のフリー・マーケットが有名です。日によっては300近くの露店が並び、がらくたから珍品、レアものまで、ありとあらゆるものが販売されています。中でも服飾品やレコードが充実しているので、個性的な古着が目当てでヨーロッパの蚤の市めぐりをしたい方にはぴったりの場所です。
フリー・マーケットには、一見がらくたのようにも見える商品の山から掘り出し物を探し出す楽しみがあります。さあ、自分だけのお宝を探しに出かけましょう!
文化のごった煮を体現するマーケット
蚤の市の会場であるワーテルロー広場には、アムステルダム中央駅から徒歩20分程度、ダム広場からは15分程度で到着します。中央駅からは地下鉄の「Waterlooplein」駅を使えば一番手っ取り早くアクセスできます。1,2,5,13番トラムの停留所「Stadhuis」からも会場はほど近い場所にあります。
マーケットに面している大きな建物は、国立オペラ・バレエ劇場とアムステルダム市役所の入っている建物「ストペラ(Stopera)」です。いったん広場に足を踏み入れると、多い日で300近くの出店がずらりと並んでいて圧巻です。
個性が強くてちょっと怪しい雰囲気の出店の店主たちや、路上に山のように積み上げられた格安の古着や古い靴、用途の分からない道具などを並べている露店も多いので、こぎれいなショッピングセンターを見慣れている人はびっくりするかもしれません。いわゆる整った市場でないことは確かですが、その代わりに、ここにはストリートマーケットならではの独特の味わいがあります。
19世紀に運河の合間にできたワーテルロー広場は、後にこの地域に根付いたユダヤ人によって、最大規模のマーケットとして栄えました。1941年にナチスドイツによって一掃されてしまいましたが、第二次世界大戦が終わると再開され、現在はヨーロッパ各国やアフリカ、中東、アジアなど、世界中のさまざまな地域から出店する人が集まり、国際色あふれる蚤の市となっています。観光客のグループや自転車に乗った地元民が通るついでにお店を覗いていくため、とりわけ運河沿いの「Zwanenburgwal」という通りにある露店の並びには、人の行き来が絶えません。お天気がいい日には、散歩の途中に蚤の市を覗きにきた人たちも加わって、マーケットは賑わいます。
珍品もたくさん並ぶ露店
主に扱われている商品は、靴や洋服、レコードや古本、アンティーク小物、自転車とその関連グッズ、観光客向けの「アムステルダム」のモチーフがついたTシャツやマグネット、キーホルダーなどのお土産物です。曜日によって出展者が少しずつ違うので雰囲気も違います。今回この記事でご紹介する内容は、火曜日の露店で売られていた品々です。
個性的な古着や新品の洋服が、バリエーション豊富に販売されています。値段は安くて1ユーロから高くて100ユーロを超すものまで、本当に幅広い品物が取り扱われているのが特徴的です。こちらの古着屋さんは、男性もののジャケットなど、値段は高めですがおしゃれなものが揃っていました。
また、奇抜な色やスパンコールがついたドレス、何かの制服や作業服など、見ているだけで想像力が掻き立てられる面白い服もたくさん売られています。黒ゴスロリ服が好きな人にぴったりの専門店も運河沿いにありました。個性的な露店の店主の服装や雰囲気は、それぞれのお店のテイストを体現しています。蚤の市というのは、実は人間観察をするのにも楽しい場所です。
ユーズドの軍服に交じって、ミリタリーグッズやガスマスクを見かけました! 実際にちゃんと使えるかどうかは謎です。コスプレ用や、部屋のインテリア小物として使うのがいいかもしれません。
ゴッホやクリムト、レンブラントなどの有名な絵をプリントしたワンピースやトートバッグ、シャツなどを販売しているお店もありました。
一方で、バリ島から輸入された品を専門的に取り扱うお店では、素朴で小さなおもちゃのような楽器や、表紙が葉っぱで作られたノートやフォトアルバムも見かけました。店主はもちろんインドネシア人の方です。
ブリキの看板をずらりと並べたこのお店では、一枚10ユーロ程度で有名な映画や歌手、面白い標識などの絵がついたプレートを売っていました。その他にも、お菓子などのアンティークのブリキ缶を専門的に販売しているお店もありました。レトロな色あいのポストカードも数多く見かけました。
実用的なところでは、自転車を改造するためのカラースプレーや修理グッズ、施錠のためのチェーンなど、自転車周りのアイテム一式をずらりと並べて売っているお店がありました。自転車が普及しているオランダ・アムステルダムならではの豊富な品ぞろえです。
お土産用のアイテムも豊富
イギリスやオランダでよく見かけるのがこういったパロディやジョークが印刷されたTシャツやパーカーなどの洋服です。有名な絵やキャラクターを使ったパロディものもあります。値段は12ユーロ程度が相場ですが、交渉次第でもう少し単価を下げられるかもしれません。値引き交渉も蚤の市の楽しさのひとつ。特にたくさん買う場合は挑戦してみて損はありません。
変わった柄のスカートばかり扱うお店では、定価37ユーロだけど、30ユーロでいいよというおじいさんがいました。
それにしてもちょっと高いので、他のお店をのぞいてみます。エスニック柄の薄手のロングワンピースは1着20ユーロでした。
こちらはブランドものの靴で値段は100ユーロ以上です。色や柄、素材が違うものが取り揃えられていて見た目が華やかで、思わず足を止めてしまいます。ゴツめのデザインと色あいのバランスがかわいいですね。
アムステルダム流のファストフードコーナーもあり
小腹がすいたときには、広場の外縁に並んでいる飲食コーナーもあります。ストロープワッフルやポテトフライやパンケーキ、ひよこ豆のコロッケであるファラフェルを包んだラップサンドやケバブ、イタリアン・ピッツァのお店があります。それぞれの屋台の前には、テーブルと椅子が用意されているので、座って食べることができます。また、広場の周りにはカフェがいくつかあるので、休憩したいときには手頃な場所がすぐに見つかります。
国際色豊かなアムステルダムの縮図のような、多国籍なワーテルロー広場の蚤の市を、お天気がいい日にぜひ訪れてみてください!
(インフォメーション)
名称:ワーテルロー広場の蚤の市(Waterlooplein Flea Market)
住所:Waterlooplein, 1011 PG, Amsterdam, The Netherlands
開催時間:9:00~17:30
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