いろんな人が、それぞれ目標や夢を持って日本を飛び出し留学やワーホリ、海外生活にチャレンジしています。
ここバンクーバーにもそのように新たなスタート・チャレンジを求めてやってきた方がたくさんいらっしゃいます。そんななか、カナダでのキャリアについて悩みを抱える方も少なくありません。
そこで、今回は「カナダのファッションに関係するキャリア」について実際にバンクーバーで活躍するスタイリストさんから聞いたお話をシェアしていこうと思います。
バンクーバーにはファッションの学校がいくつも!
バンクーバーにはUBC(University of British Colombia)、SFU(Simon Fraser University)などの大規模な有名ユニバーシティの他、Langara CollegeやBCITのようなカレッジなどさまざまなスタイルの教育機関が揃っています。
そんな中、ファッションに特化した学校というのがバンクーバーには集中しているんです。Blanche Macdonald, John Casablancas Institute, La Salle College などがファッション・デザインやファッション・ビジネスなどの専門コースを持っていることで有名です。
日本のファッションの学校とはカリキュラムの内容が違い、パターンなどの縫う技術よりもファッションに携わるビジネスに関する知識、例えばマーケティングやバイイング、リテーリングなどに重点を置く学校もあったりそれぞれの学校に個性や強みがあります。
バンクーバーでのファッションのキャリアって
「どうしてバンクーバーでファッションのキャリアなの?」と疑問に思う方は多いでしょう。確かにバンクーバーはニューヨークやパリなどと違い、待ちゆく人々がみんなおしゃれに気をつかっているようなことはありません。むしろバンクーバーにいるより東京や大阪など日本の都市部にいる方がよっぽどおしゃれな人を見かけます。
実際にバンクーバーでファッションに携わる仕事をしている人も「バンクーバーはファッションの都市ではないよ。」と口にするほど(活躍する彼らの多くはロサンゼルスやニューヨーク、ロンドンやパリなどに出張に出かけることが多いようです。)。しかし、ある点においてはバンクーバーはかなりのアドバンテージをもっているんです。
実は、バンクーバーのファッションが持っているアドバンテージはハリウッドと結びついた映画産業にあるんです。
バンクーバーに実際にお住まいの方にはなんとなく気がついている人も多いと思いますが、ここバンクーバーはドラマなどのテレビショーや映画の撮影は頻繁に行われています。これがバンクーバーのエンターテイメントに関わる業界が盛り上がっている理由。
なぜならたったひとつの撮影のためにはカメラマン、スタイリスト、メイクアップアーティスト、ヘアスタイリスト、美術さん、照明さん、音声さん、スタントマン、それぞれにつくアシスタントなどさまざまな職種からたくさんの人が雇用されることになるからです。それに加え、それらのスタッフの食事、出演者の滞在費などを考えるとたったひとつの撮影がバンクーバーにもたらす経済効果が想像を絶するもの。
しかし、なぜバンクーバーにそれほどもの撮影チームが訪れるのでしょうか?その理由は、バンクーバーで撮影することによって撮影チームは撮影費を節約出来ることとバンクーバーには世界各地の都市を彷彿とさせるようなそれぞれ異なる個性的な町並みが一つの街に集約されていて撮影に便利という2つが主にあげられます。例えば、ニューヨークのようなビジネス都市を舞台とした映画を撮影するとしましょう。
その場合、実際にモデルとなったニューヨークで撮影しようとすると滞在費や食費や現地でチームメンバーを雇う人件費などが大きく跳ね上がります。
しかし、撮影地をバンクーバーにしたところどうでしょうか。
バンクーバーにはビジネス街があるのでまるでニューヨークにいるかのようなシーンを取ることが可能ですし、ニューヨークのような物価の高い大都市に比べて滞在費も人件費も削減することができます。
さらにアメリカドルとカナダドルでは基本的にアメリカドルが優位なのでアメリカ、ハリウッドからバンクーバーに撮影に来る場合は為替も相まって撮影費はかなり抑えられることになります。そのような撮影側への大きなメリットがあり、バンクーバーでは映画やドラマの撮影で活躍する職業は大きな機会に恵まれているんです。
出演者を主人公からエキストラまでスタイリングするコスチュームスタイリストはそのうちのひとつ。
実際に映画のコスチュームスタイリングを担当した経験のあるスタイリストさんにスタイリストという仕事についてお話を聞かせてもらうことができました。
バンクーバーの強みを活かす、スタイリストさんに聞いてみた
現在は広告に向けた撮影のためのスタイリングを中心に活動しているMさん。今は娘さんが1人おり家庭との両立を目指すためかなりの長時間労働となる映画やドラマなどエンターテイメント分野でのスタイリングは控えているようですが、数々の作品のスタイリングに参加してきたという彼女は、アート作品のような非現実的な写真撮影から場面のリアルさを重視する映画までこなす凄腕のスタイリスト。
カナダの東海岸、トロントに生まれた彼女は幼少期からクリエイティブなことが大好きな性格で、仕事を探していたとき「服をそれぞれの世界観やニーズに合わせてスタイリングする仕事があるなんて!楽しいに決まってる!」とスタイリストという仕事に出会いその道を志したんだそう。
映画でのスタイリングについて伺うと、映画の撮影はかなり長い時間を毎日チームメンバーと一緒に過ごすため出演者からさまざまなスタッフまで撮影メンバー全体が家族のような雰囲気になるんだそうです。
そんなこともあり、彼女が映画のスタイリストになるために必要なものは「チームワーク」と「忍耐強さ」だと語っていました。
そもそも、スタイリストという仕事は自分の好きな服をスタイリングするのではなく必ずクライアントやお客さんのニーズに合わせたりチームの作品づくりに密着してスタイリングしなくてはなりません。ただお買い物してコーディネートするのとは訳が違うんですね。
しかし、彼女はスタイリストという仕事の面白さがそこにあると嬉しそうに語ってくれました。
まとめ
バンクーバーの意外な強みと、それを活かしたファッションの職業スタイリストのお仕事を紹介していきました。
映画の撮影をチラッと見に行くのも楽しいですが、映画の撮影にお仕事として参加するという道もあるかもしれません!
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