ダウンタウン・バンクーバーにあるVancouver Art Galleryでモネ特別展”Claude Monet’s Secret Gerden”が行われることになりました!以前はオリンピックのときにピカソ展が行われていたそうなのですがこのように教科書に載るような歴史に残る大物の画家の特別展が行われることは珍しく、バンクーバーではこのモネ展が話題沸騰中です。そんなバンクーバーで話題のモネ展に行ってみました!
まず、モネってどんな画家?
まずは今回の特別展の主役であるモネについて少しだけ紹介します。こちらはモネ展にて展示されていたモネ本人の写真です。モネと呼ばれ世界中で有名なクロード・モネは19世紀フランスで活躍した印象派の代表者とも言える絵画の巨匠。目に見える筆のストロークと光の描写などが特徴の印象派ですが、なかでもモネは光の画家とも呼ばれその色彩や光の表現は見る人の心を揺さぶる深みと美しさがあります。
今回のモネ展のテーマになっているのはモネが晩年に描いた最も有名で長大な連作「睡蓮」。自宅の庭園に咲いた睡蓮を、違った時間帯や季節でなんと200作品以上も描きあげたというその名に違わぬ超大作。現在は世界中のコレクターや美術館などによってそれぞれ保管されており、今回のバンクーバー・アートギャラリーのモネ展ではその「睡蓮」のいくつかをメインにモネの作品が集められています。
早速、モネの世界へ飛び込んでみましょう!
この先からは、モネ展で撮影(この美術館ではフラッシュなしの撮影が許可されています。)した作品の写真などが掲載されていますのでご注意ください。
モネ展の人気により連日美術館はたくさんの人で賑わっていると聞き筆者は平日の午前中に美術館を訪れました。同行した友人は「やっぱりモネ展がやっているから混んでいるね。」と言っていましたが、日本の美術館の特別展に慣れてしまった筆者の個人的な意見では、曜日や時間帯を選べば快適に鑑賞ができるなと思う程度の混雑だったのでそこまで心配しなくても大丈夫ですよ。ですが、火曜日午後5時からの無料開放(無料とは言っても大体の人はドネーション・寄付として$10程度払っています。)はかなりの混雑になるようですので、人混みの中での鑑賞は嫌だという方は火曜夕方は避けた方がベターなようです。
こちらの作品は”Le Parlement, trouée de soleil dans le brouillard(ロンドンの国会議事堂、霧を貫く陽光)” モネは冬のロンドンに立ち込める霧を気に入っていたようで、その霧によって生まれるロンドンの街の独特な雰囲気や風景を何度かのロンドン滞在の間に描いているのだとか。印象派、というよりモネだからこその色彩が冬のロンドンの存在感をまさに忠実に描写しています。霧の隙間からわずかに差し込む光・海に儚くちらちらと反射する光とロンドンの街の影の対比が日常的でありつつとてもドラマチック。それはきっとモネが冬のロンドンの霧に見込んだ魔法のような美しさからくるのかもしれませんね。モネの描く庭園の優しく華のある画と比べると地味な第一印象ですが、なぜか引き込まれて魅入られてしまうという深みを感じる素敵な作品でした。
こちらの作品は”Le Glycines(藤)”という連作の一部。日本の美術館にもこの連作の一部があるようです。この二枚だけでも結構見ごたえのある比較的大きめな作品で、多くの人がここで足を止めていました。不思議な雰囲気のある紫色が微々たる変化を交え絵画全体に背景としてひろがっています。その変化を目で追っていくのに夢中になってしまいます。その中で、印象派独特のストロークで描かれた藤の美しさにも気が付きます。藤と一言に言っても、数え切れないほどの色と光がそこには含まれているのです。モネを筆頭に印象派の画家が描こうとした生活の中の光・影と色彩は彼らの絵画を通じて現代の私達へ何気ない日常・自然の美しさを伝えてくれているようです。
最後に紹介するのが、この特別展の目玉”Les Nymphéas(睡蓮)”。総数200作品以上もあるモネの作品の中でもずば抜けて大きな連作であるこちらの作品。晩年〜超晩年に描かれた作品とだけあってモネのこれまでの作品の総まとめ、完成されたモネの作風というようなどっしりとした安定感があります。
睡蓮を描いた作品、というよりも睡蓮を包む雰囲気や空気感が描かれているような深い重厚感が感じられました。この睡蓮が描かれた晩年期のモネは白内障を患っておりほとんど視力を失っていたと言われています。そのような状況もあり、目に見える光や色彩を描写するという印象派としての描き方に変化が生まれたのかもしれません。
今バンクーバーでアートを触れるならぜひモネ展へ!
現在、バンクーバーで大人気となっているVancouver Art Galleryのモネ特別展”Claude Monet’s Secret Gerden”。モネの代表作でありこの展覧会の目玉である”睡蓮”をお目にかかれる大変貴重なチャンスです!また他の作品もモネの繊細でありかつ心を揺さぶる表現力があり、見る価値が大いにある素晴らしいものばかりです。モネの人生や作品の変遷などを丁寧に解説してくれるビデオを放送している部屋やモネが作品を描き続けた庭園の写真作品が並んだエリアがあったり、モネ展の理解をさらに深めるVancouver Art Galleryの公式アプリのサポートもあるなど、かなり充実した内容の特別展になっています。日本や東京でさえもなかなかこのような展覧会が行われることは珍しいのではないでしょうか?気になる方はぜひVancouver Art Galleryにて、素敵なモネのアートの世界に触れてみてくださいね!
名前:Vancouver Art Gallery |
開場時間:10時〜17時(火曜日のみ21時まで) |
住所:750 Hornby Street Vancouver, BC V6Z 2H7 |
URL(リンク先英語):http://www.vanartgallery.bc.ca/ |
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