引越しトラックも自分で運転!?アメリカ国内転居時の知恵




アメリカでは、賃貸住宅の契約更新のたびに、家賃が上がる可能性があります。人口の増えている地域では、ひと月あたり数百ドル高くなることも…。

少しでも家賃の負担を減らすため、アメリカの人々はよく引っ越しをします。荷物の少ない世帯なら、業者を介さずに、自分たちで作業を済ませるのが一般的。現地在住ライターが、自身や知人の経験を元に、アメリカでの国内引っ越しのコツをご紹介します。

大型家電は搬送不要

アメリカの賃貸住宅では、洗濯機や冷蔵庫などの大型家電は、物件に備え付けになっていることがほとんど。つまり、引っ越しの時には、これらの重い家電をわざわざ運ばなくて済むのです。

面倒な洗濯機の水抜きや、冷蔵庫の庫内乾燥も不要なので、日本での引っ越しに比べて作業はずっとスムーズに進みます。

運ぶ必要がある家具・家電のうち、場所をとるものは、ベッド、テーブル、椅子、本棚・タンス、テレビなど。これらのサイズをあらかじめ測っておけば、引っ越し用の車を手配するのに安心です。

もし、不要だと感じる家具・家電があれば、捨ててしまう前に、人に譲ることを検討してみましょう。

 

ムービングセール:不用品は人に譲ろう

いらなくなったものを処分する際に役立てたいのが、アメリカの「moving sale」の文化。

これは、引っ越しを前に、不用品を個人的に売るというものです。

ライターが近所でよく見かけるのは、売りたい商品の写真を撮って、集合住宅やスーパーマーケットの共有掲示板に貼り紙を出すという方法。貼り紙には、連絡先を書いた付箋などをつけておきます。

引っ越し前に不要なものを売る「moving sale(ムービングセール)」の貼り紙。大きな集合住宅では、高級ダイニングテーブルから小さな電球まで、日々いろいろな広告を見かけます。

商品の写真やサイズのほか、元の販売価格が併記されていると、高値で売れることが多いようです。

一戸建てに住んでいるご家族でしたら、ご近所の方へのご挨拶もかねて、休日にガレージセールを開くのもお勧めです。

より広範囲で買い手を探したい場合には、「Craigslist(クレイグズリスト)」(https://www.craigslist.org/about/sites)や、日本人向けウェブサイトなどの、個人売買仲介ページに出品する方法も。

ただし、直前のキャンセルなど、トラブルが起きる場合もあるため、時間に余裕を持って出品を開始しましょう。

衣類など、特定の品目については、donation(ドネーション:寄付)を受け付けている団体や、チャリティを目的とした中古品店「thrift shop(スリフト・ショップ)」に贈るのも一案です。

 

引っ越し用の車を準備しよう

アメリカの高速道路では、時々、妙にたくさんの荷物を積んだ車が走っているのを見かけます。

写真で紹介しているような、トランクからのはみ出しのほか、地域によっては、大きなバッグや袋をぶら下げたり、屋根に椅子をいくつもくくりつけていたりしている車が走っていることも。

こうした荷物の積み方をしている車から、物が道路に落ちてきて事故につながることもあるのです。

これらは「引っ越し費用を少しでも抑えたい」と考えた人たちが、無理をした結果です。しかし、そこまで危ないことをしなくても、近距離の引っ越しでしたら、数十ドルから百ドル程度(数千円から1万円ほどに相当)の出費で、安全な輸送手段を手配することができます。

アメリカでは、引っ越しトラックや機材のレンタル業者が多く、インターネット経由で簡単に申し込みをすることができます。

代表的な会社は、U-Haul(ユー・ホール)RYDERS(ライダース)PENSKE(ペンスキー)など。大きめの都市では、休日になると、これらの会社のロゴが付いたレンタカーをあちこちで見かけます。

機材レンタル会社「U-Haul(ユーホール)」の貸トラック。1時間につき19.95ドルの時間料金と、1マイル(約1.6km)につき0.69ドルの走行距離料金を合わせた金額を支払います(2016年6月現在)。大型トラックやバンなどの貸し出しも。

「U-Haul(ユーホール)」の貸トラックは、初心者でも積み下ろしがしやすいよう、荷台が低くなっているのが特徴。スライド式の踏み台も付いています。

引っ越し用のトラックにはいろいろなサイズがあり、主に、荷台の奥行きに応じて名称がつけられています。

一般的な集合住宅(1-bedroom、2-bedroom:リビングに加え、寝室が1つか2つ)の引っ越しでしたら、10-foot(奥行:約3メートル)から15-foot(奥行:約4.6メートル)のサイズのトラックがあれば十分です。

これは、日本の1.5トン〜3トントラックに相当する大きさで、大型のベッドや棚、スタンド照明などがしっかり収まります。現地の一般的なタイプの運転免許証や、日本の普通免許があれば、運転が可能です。

また、studio(ストゥディオ:いわゆるワンルームタイプ)の物件の引っ越しなら、貨物用バン(cargo van:カーゴ・ヴァン)のレンタルでも十分かもしれません。

 

重い家具や大量の本を運ぶ場合には、車に加えて、台車(hand truck:ハンド・トラック)も用意しておきましょう。足腰を守れるだけでなく、時間とエネルギーの大幅な節約にもなります。

台車はトラックと同時にレンタルできる場合もありますし、ホームセンター等で購入しておく、知人や職場から借りるなどの方法もあります。

軍手(work gloves)は必ず要るというわけではありませんが、用意しておくと便利かもしれません。場合によっては、タオルや古布でも手を守ることができます。

 

荷物の梱包:汚れと破損の対策を

引っ越し業者に頼む場合でも、自分たちで運ぶ場合でも、気をつけておきたいのは荷物を守ることです。

街で見かける引っ越し・配送業の人たちの様子を見ていると、決して悪気はなくとも、荷物をポンと放り投げたり、埃や汚れのついた荷台に載せたりすることはよくあります。

また、エリアによっては道路の状態が悪く、車に載せた引っ越し荷物が激しい揺れに遭うことも。

家具・家電や食器などを守るために、壊れ物の梱包はきちんとしておきましょう。

引っ越し荷物を保護するために、活用できるものの例を挙げておきます。

新聞紙など

緩衝材として。

食器どうしが直接ぶつからないよう、くしゃくしゃにしてシワをつけた新聞紙で包みます。

新聞をとっていない世帯では、郵便受けに入っているチラシや、フリーペーパーなどの紙を活用。

ゴミ袋、レジャーシート

トラックに荷物を直接載せるのに抵抗がある方は、荷台にこれらを敷いてみましょう。

レジ袋

家具の角や脚をカバーし、汚れから守ります。内側に古紙や古布を入れるとより安心。

小型の観葉植物の保護にも使えます。アメリカのレジ袋は薄いので、2枚重ねにすると良いかもしれません。

また、日本式に室内で靴を脱ぐ生活をしている場合、引っ越しを手伝ってくれる人に、シューズカバー代わりにレジ袋を使ってもらうことができます。靴の上からレジ袋を履いて、持ち手を靴紐代わりに結びます。

引っ越しをすることが決まったら、車や機材の手配と合わせて、こうした梱包グッズの用意も始めておきましょう。

レジ袋をフットカバーに転用。土足禁止のエリアで、靴を脱ぎたくない人に使ってもらいます。

 

引っ越し作業を楽しもう!

自力での引っ越しは、一見、大変そうに思えますが、やってみると意外に簡単です。

業者への問い合わせや見積もりの手間もかかりませんし、多くの場合、コストも大幅に抑えられます。

地域や生活スタイルにもよりますが、アメリカでは、日本よりも引っ越し作業を身近に感じている人が多いようです。

もし、家族・同居者だけでは人手が足りないようでしたら、職場や学校の知り合いにも声をかけてみることをおすすめします。共同作業がきっかけになって、仲が深まることもあるかもしれません。

手伝いを頼む時には、作業中に飲めるドリンクを用意しておいたり、軽食、ランチなどをご馳走したりと、ねぎらいの気持ちを忘れずに。

アメリカ暮らしの醍醐味は、「自分でやる(Do It Yourself)」こと。引っ越しもその一つと考えて、楽しみながら挑戦してみましょう!




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