バンコクのローカルスタイルミーティング




バンコクには、約10万人近い日本人がいると言われていますが、そのうちの多くは大中規模の日本企業、あるいは現地との合弁企業にお勤めの方々及びその家族です。

その中に、ローカルパートナーと共に中小のビジネスを営んでいるタイプの方々も混ざっており、自分もその後者の部類に属し、中でも極小タイプとしてひっそりと生きています。

今日は、そんなひっそりタイプのローカルビジネスに勤しむ人間が、どんな感じで仕事をしているのか、恥を忍んでその一端をお見せしようと思います。

郊外での打ち合わせ

この日は、いつも打ち合わせをしているメンバーの一人の個人オフィスにての打ち合わせとなりました。それがまた遠い。。。

バンコク市街には、地下鉄MRTと高架鉄道BTSと言う二つの鉄道がありますが、BTSの北端の駅であるモチット駅から、車で約40分ほど走ったところにノンタブリーと言う地域があります。

この辺りは、バンコクの住居エリアが拡大している地域ですが、まぁ車がないと何もできない地域です。2016年に、新たなBTSのラインが敷設され、便利になったことになっているのですが、実は駅間の接続が悪く、あまり多くの地元民に利用されていないのが現状です。

何れにしても、そのノンタブリー(そのかなり外れ)まで行きつき、周辺の人にヒアリングをし、先方に電話で聴き倒し、やっとの思いで事務所を探しあて到着。

風景としては、まぁオフィスと言うより団地ですな。

 

よくあるローカル事務所の風景

タイでは、ローカル企業となると何やらとてもアットホームな環境の仕事環境が多く見受けられます。靴を脱いでスリッパを履いて上がるような事務所ですね。

日本でも、デザイン事務所等のブティックオフィスのような事業所はこのようなスタイルのところもありますが、バンコクの場合は、これが会計事務所であったり、開発会社のような事務系の仕事の場合でも、このようなスタイルの事務所は珍しくありません。

本来、タイでは住居用の建物では、勝手に法人登記ができないことになっており、会社の事務所として利用するには、不動産のオーナーが事務所用で使用することを認可しなければならないのですが、一般に、不動産オーナーがオフィス用としての利用を許可することが、あまり多くないようです。

おそらく、その利用者の需要と供給側のニーズのバランスによるところも大きいものと思われます。

高層のオフィスビルが林立しているバンコク中心街では、巨大資本を背景にしている会社も多く、全く状況も風景も異なりますが、少し郊外に出ると、このような微妙なタイプの不動産が少なからず存在しているようです。

ちなみに、今日訪問したのは農業研究関係の方の事務所。オーナーの社長は、公共の行政機関に関わる研究をしている立場の方ですが、個人的なビジネスもいろいろと手がけている模様。スタッフも全部で6、7人は抱えている様子でした。

見てくれは、マンションの一室に毛が生えたような状況ではありますが、肥料や農業系の素材があちらこちらに散乱し、いかにもちゃんと稼動している雰囲気はあります。

まぁ実態はよくわかりませんが。。。

自分を含めた訪問客5人で靴を脱いで事務所に上がります。通されたのは、円卓のある小部屋。まぁ、一応オフィスなので「会議室」と呼ぶのが本来は相応しいと思われますが、実質的な体裁は応接間ですね。隣には、ベッドが置いてあるしギターなども見えます。

スリッパを履いて、円卓を囲み、コーヒー&茶菓子をつまみながらのトークは、日本人のビジネス感覚からするとあまりにもリラックスしすぎて、殆ど「仕事感」を感じるのが難しい環境です。

この日は、打ち合わせメンバーは5人。それにアシスタント1人というメンバー構成でした。本物のホワイトボードの代わりに、模造紙を貼り合わせて作った紙製ホワイトボードに、社長がフローチャートなどを書き始めます。そして、それを女性のアシスタントがサポートするという図式。

アットホームすぎる雰囲気のために、非常に緩い空気に包まれますが、一応、彼らなりに真剣にビジネスの話をしています。

基本的に、タイはストレスが非常に希薄な社会。こんなところにもその空気が充満しています。

 

ただただ過ぎ行く時間

タイでは、会議は打ち合わせが長引く傾向にあります。自分はタイ語が完璧ではないので、タイ人同士のタイ語パートは、スルーするしかなく、後でパートナーにどんな話だったかをヒアリングするわけですが、まぁ愕然とすること頻繁です。

つぶさには何を言っているのかは理解ができませんが、後になって要約を聞いてみると、議論の最初にあった状況と、2、3時間ワーワー話し合った後の結論を比較するにつけ、大きく状況が変わっていないということが極めて多い。

もう、愕然としてしまうわけですね。

日本の通常のビジネスの場合、会議を行った結果が、あまり実り多くなかった場合、参加者全員に軽い敗北感が生まれ、同時に次の会議のための課題などが自ずと抽出されてきたりするものですが(まぁそうじゃ無い事もあるけれど)、ここタイでは、何度も同じことができます。しかも、2、3時間という長時間。

もう、効率とか合理性とかいうまともな概念では測れないですね。おそらく彼らは、その会議の成果以上に、集まってペチャクチャやっていることに「仕事やってる感」を感じているとしか思えません。

実際に、彼らのうちの2人は元役人上がりのエリート。どこのお国も、立場によってつくられる価値観には大きな違いは無いのかもしれません。

 

ようやく終了

3.5時間という長時間に及ぶ打ち合わせがようやく終了。皆さん、満足気です。

そして、次の打合せの予定を入れることなく、なんとなく「良かった、良かった」感を残したまま散会です。タイでは、仕事に関わらず、人と別れる時に仲間同士ではあまりちゃんと挨拶をしないままフラーッと三々五々それぞれ散っていくということが多いのですが、今日も例に漏れず、典型的なタイスタイルでお別れです。

自分の把握しているところでは、この会議の背景には少なくとも3つプロジェクトが走っていて、それぞれ億円単位のサイズのプロジェクトのはず。

まぁ、一体いつクロージングするのでしょうね?というより、進むのでしょうかね?

計画立てて仕事を進めることが苦手であったり、また、計画通りに事が進まない、という事態はビジネス上の大きなリスク。そして、国全体にそのような空気がある場合は、ダイレクトにカントリーリスクとなってしまうわけですよね。

タイは、東南アジアでシンガポール、香港以外で最も発展をしている国ということになっていますが、その実態はこんな感じだったりします。

 

まとめ

外国のローカルビジネスの雰囲気を知る機会はあまりないと思い、敢えて普段仕事の様子をお伝えしてみましたが、いかがだったでしょうか?多少なりとも、そのユルさはお伝えできたかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。




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