若き起業家グループが目指す「ライフ・スタイル革命」!




『Airbnb』などの人気により、世間で熱い視線を浴びる“シェアリング・エコノミー”。マレーシアでも、あるシェアリング・エコノミービジネスで起業した若きグループが注目の的!彼らは個人所有車のシェアを可能にするプラットフォームを築き上げたのです。今回『EdgeRent エッジ・レント』』Co-founder(共同創立者)のBlake Shiw( ブレーキ・シェウ)さんに取材し、マレーシアの人々に新しいライフ・スタイルをもたらす期待感が一杯になるお話を伺いました!

車を借りたい人・貸したい人をつなぐ場

『EdgeRent』は、車をレンタルしたい人と、個人所有車のオーナーをつなぐウェブサイト上のマーケットプレイスです。簡単に言うと、貸し出したい車があるオーナーが、車の写真やレンタル価格を含めた詳細をウェブサイトに登録し、それを見たレンタル希望者がウェブサイトで すぐに予約できるようになっています。車を所有するには財政的に厳しい方、レンタカー会社にはない多様な車、自分で買えないようなラグジュアリーな車に乗ってみたい方、結婚式のための特別な車予約、また観光客がレンタルしたい際に、ぴったりのサービス。車を貸し出す方も、車を使用しない時に簡単に収入を得られる方法として、最適です。

『EdgeRent』のサービスには、現在のマレーシアの社会的背景から、高いニーズがあります。生活コストが昔に比べてかなり高くなってきた当地では、車の購入費と維持費を捻出することが困難なのです。一方で、当地は例えば東京のように公共交通機関が行き届いていないため、生活に車の利用が必要不可欠。そこで、『EdgeRent』の出番となります!

生活費の急上昇で車が買えない!

物価が上がった、というのは誰もが感じているところ。実際、インフレ率や消費者物価指数が年々右肩上がりのマレーシア。『Trading Economics(トレーディング・エコノミクス)』ウェブサイトによると、マレーシアの消費者物価指数は2008 年で約94(-6%)であるのに対し、2016 年では115(+15%)。マレーシアに長く住む日本人の方に聞いても「10 年前に比べると、スーパーに行ってモノの値段が倍以上になった。」という感想をよく聞きます。

物価の上昇が家計を圧迫する中、そもそもローカルの方の所得に対して車の値段が恐ろしく高い当地!国産の安価な車もありますが、マレーシア一番人気なのはやっぱりトヨタ。同社の『Alphard(アルファード) 3.5L』だと、419,900 リンギット(約1 千78 万円)。と、日本の『アルファード』の2〜3 倍の値段。マレーシアのローカルの方で、大卒の初任給平均が2,100 リンギット(約5 万3 千円)〜2,500 リンギット(約6 万2 千円)であることを考えると、途方もない金額であることが分かると思います。車の値段が高い理由は、『Proton (プロトン)』など国産車保護のために国が輸入車に関税を高く設定しているためです。このような状況を踏まえ、ブレーキさんは、次のように言います。
「ありえないほどの生活費の上昇には、自分自身も困難を感じてきました。今米国からのシェアリング・エコノミーのうねりは、とどまることを知らない勢いでアジアマーケットにも浸透してきています。『Uber』や『GrabCar(個人が運転手になれるUber と類似したサービス)』とMRT によって、マレーシア中アクセスがしやすくなりました。新車を買い、強い日差しやスコールの中自分の車をさらさなくてもよく、オフィスや家に帰る手段としてのみ、車を利用すればいいのです。もし車の所有者が月々のローンや定期的な車検や駐車場料金で苦しむなら、それはお金とリソースの無駄です。従って、車をレンタルすることがよりシンプルで簡単になるなら、必要な時だけ支払い使うスタイルにするのがより賢いでしょう。」
つまり、生活コストの上昇と車の価格、維持費の高さから、ブレーキさんが提案するのは、車を所有するのではなく「車は必要な時に必要なだけ、利用しよ!」ということ。車の投資にかけるお金を、あちこちで開発が進み土地が減少してきているマレーシアで、不動産などに回した方がスマートな選択と考えているのです。

3 人のチームワークが困難を乗り越える鍵

「8 年間の会社員生活を経て気づいたのが、自分にも家族にとっても、これが欲しかった人生ではなかったということ。長時間オフィスで働き、帰宅してもディナーのあと更に働くこともありました。それでも給料がさほど上がるわけではないんです。生活費上昇のスピードが速いのか、給料の伸びがインフレ率に追いついていないのか、いずれにせよ“ただサヴァイブする(生き残る)”ことに必死でした。でも、家族によりよい生活をさせてあげたいし、人々を助けるような仕事をしたいと思ったんです。」
そう語るブレーキさん(写真右)は、2014 年にファイナンシャル・マネジメントやNeuro-Linguistic Programming Practitioner & Coaching(神経言語プログラミング)のコーチとして認定資格を取るなど、自己投資を開始。会社員時代と違って様々な背景を持つ仲間と知り合う中、“制限をつけているのは自分自身であり、取り払うのもまた自分で選択肢できる”こと、また“裕福な人々は、自分でビジネスを持っている人々であり、会社に雇われる立場の人たちはそうでないことが多い”という気づきに至ります。

そして、2016 年2 月に会社を設立!他2 人のメンバーとともに、この会社を設立しました。ブレーキさん本人は、全体を包括的に見る立場にありますが、メンバーのうちの一人は高校時代からの親友であるJim Loo(ジム・ルー)さんで、販売ネットワーク開発とオペレーション担当。もう一人は元同僚のGreg How(グレッグ・ハウ)さんで、デジタルマーケティングとサーチエンジン最適化担当。自分一人のスキルでできることには限界がありますが、異なる強みを持つ仲間と助け合うことでより会社が成長できるから、グループで起業することにしたとか。同じゴールとヴィジョンを分かち合って、お互いにない力を出し合い、大変な時も共に歩み続けることができます。

起業にあたり、当面の課題はやはり資金調達。投資家からのタイトな要求により充分な資金調達ができなかったため、『EdgeRent』はブレーキさんらの資金のみで立ち上げました。当然小さなスタートを切ることとなりましたが、ふさわしい時が来れば、よりお客様が使いやすいように、現在のウェブサイトだけでなく、携帯電話のアプリで予約できるようにしたいと考えているとか。まだ始動したばかりのサービスですが、先にあげた社会的需要の高さから、成功が約束されているように思います!
筆者は、実はこのブレーキさんとシンガポール在住時にグローバル企業で同僚として働いていました。そこで興味があったのが、これまで経験した、そんな大企業での会社員時代と起業家との違いはどんなところか。すると、それは “求められるスキル”だとか。起業家として求められるのは素早い決断力をもって、多くの問題を解決するスキル!それが大企業だと、何段階かにわたる上司の決裁が必要となり、最終決断に数ヶ月や数年かかることもありますよね。トップマネジメントレベルにでもない限り、自分で重要な事項の決断をすることはありません。個人事業の場合は、スピード感と責任の重さが大きく違うのだなと、理解できました。

新しいライフ・スタイルの提案と社会貢献

『EdgeRent』は収入レベルによらず、誰もが利用できるサービスです。既存のサービスと違って、異なる種類の車が選べ、自分で好きな車を運転できて、しかも毎月のローンから解放されるもの。
それを聞いた時、筆者が一番このサービスを通して叶えられることではないかと思ったのが、“安全性喚起と社会貢献”です。と言うのも、筆者がマレーシアに来て以来個人的に最も驚き懸念していたのが、家族3〜5 人が全員一台のバイクに乗る光景を日常的に見ること。小さな子供たちが母親と父親の間に挟むようにしてバイクに乗る姿は、危険極まりないです。

それと同時に、そういった家族は低所得層で車を買うことができないため、選択肢がないということも知りました。このような方は、『EdgeRent』のサービスで、例えば村の近所の方とカーシェアリングをするなどして、安全に移動ができたら良いなと考えてしまいます。またそのためには、安全性のアウェアネスを喚起する必要もあり、安価に車をレンタルできる『EdgeRent』のサービスをきっかけに、意識を変える人々が出てきたら良いなと、自動車会社出身の者として、切に願います。それにより、『EdgeRent』は現在提供する、ファイナンシャルプランの変革につながるサービス以上の価値を持つこととなります。人々に、新しいライフ・スタイルそのものを提案するためです。単なるビジネスとしてだけではなく、“誰かの助けになる仕事がしたい”というブレーキさんの想いが形になった『EdgeRent』。マレーシアの人々のライフ・スタイル改革に、大きな一歩を踏み出したばかりです!

<取材協力>
EdgeRent
・ホームページ:https://edgerent.com/
・Face Book: https://www.facebook.com/edgerent/
<参考>
・Malaysia Consumer Price Index (CPI) – Trading Economics
http://www.tradingeconomics.com/malaysia/consumer-price-index-cpi
・60% Fresh Graduates Expect RM3,500 Starting Salary – Is It
Unrealistic? -Malaysian Digest.com
http://malaysiandigest.com/features/586346-60-fresh-graduates-expectrm3-
500-starting-salary-is-it-unrealistic.html
・マレーシアのAlphard 価格:2016 UMW Toyota Motor Sdn. Bhd.
https://toyota.com.my/vehicles/mpv/alphard
・日本のAlphard 価格:
http://toyota.jp/alphard/




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