見どころ満載!道内屈指の桜の名所・松前を訪ねて

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北海道渡島地方の最西端・松前町は江戸時代から長らく松前藩の城下町として政治経済、文化の中心地として栄えた町です。本州に最も近い町、そして北海道唯一の城下町として、松前城とそれを取り囲む松前公園の桜は全国でも有数の名所として知られています。函館市の五稜郭公園と並ぶ北海道屈指の桜を体験するために松前町を訪れてみました。

 

北海道で最も歴史の古い町

 

松前町は函館から南西へ約90㎞の距離にある人口約7700人の北海道最南端に位置する町です。江戸時代は松前藩の城下町として栄え、北前船やニシン漁でも栄華を築きました。主な産物はウニ、マグロ、イカ、アワビ、岩のりなどが有名。そして何と言っても北海道唯一の日本式の城郭の松前城(正式名・福山城)跡は国指定有形文化財であり、現在は松前公園として、北海道屈指、全国でも有数の桜の名所となっています。

アクセスは函館から車で約2時間。公共交通では、JR木古内駅で降り、松前行のバスで約1時間30分です。海沿いの国道を走るので気持ちよく、ドライブにも良いと思います。

しばらくは海に突き出ている函館の街並みと函館山を眺めながらのドライブとなります。晴れている時は海と青空のブルーが素晴らしく爽やかな眺めです。また、北海道の名山のひとつ、大千軒岳の雄姿も観ることができ。そして北海道最南端となる白神岬も花見の帰りにでも見学をオススメします。北海道らしい荒海の雰囲気を感じることができます。

入り口は色々あるのですが、今回は「馬坂」と呼ばれている坂を上り、城内に入っていきます。松前は今年は4月28日に開花宣言が出され、筆者が訪れたのは5月1日でした

松前公園は約250種1万本もの桜が咲き誇り、早咲き、中咲き、遅咲きの桜が時期をずらして次々と咲きます。ですので、4月末から6月初旬までの1カ月以上という、異例のロングランで花見を楽しめるのです。この時期は「松前さくらまつり」として松前町の1年で最もにぎわいます。今年は4月29日から5月20日にかけ行われました。様々なイベントや海産物や農産物の地元グルメ屋台などが出されお祭りムードが高まります。夜間も開催しており、ライトアップされた桜と天守閣も綺麗です。

 

開花初期は「南殿」を中心に咲き乱れる

 

松前城は蠣崎家の居城していた福山城を改装しており、蠣崎氏の松前への改姓で松前城と呼ばれるようになりました。松前公園がこのように桜の名所となったのは江戸時代、内地(本州)の各藩や、商屋から蠣崎家に嫁いできた奥様方が、故郷を懐かしんで桜を植えたとか、参勤交代で松前に戻った、藩主や侍が桜を持ち帰ったなどと言われています。

天守閣をバックにした桜は北海道の雰囲気とは思えません。咲いている桜も松前独特です。まつり初期の5月初めに公園内に咲き乱れているのは「南殿(なでん)」と言われる種類のものです。江戸時代から松前にあった桜で、色は淡紅紫色です。八重咲きで花弁12~15枚の八重桜です。昭和49年(1974年)には「松前早咲」と命名されています。「高砂」と「霞桜」の雑種と言われていて、松前の代表的な桜のひとつです。

淡いピンク色に染まり、派手ながら上品さも兼ね備えた八重桜だと思います。逆に花見の定番、桜の定番である「染井吉野」は、葉桜になりかかっていましたが、それでも上品で可憐な姿を見せていました。

こちらの染井吉野は明治33年(1900年)、松前奉祝会が皇太子(大正天皇)の御成婚を祝い「千株桜」として植樹された1本。117年もの間、風雪に耐えています。

「雨宿(あまやどり)」という地味ながら白く可愛らしい桜も咲いていました。

珍しい桜や歴史あふれる名木の桜も

 

松前の桜育成や保存の功労者の鎌倉兼助氏などの努力により、松前の桜は樹齢の古い桜も良い保存状態で元気に花を咲かせています。それは松前の「花守」と呼ばれる桜のお医者さんにより守られ、また、接ぎ木や添え木などにより品種改良で松前生まれの桜も約100種類もあるとか。北海道はエゾヤマザクラと染井吉野が中心ですが、江戸時代から江戸や関西から桜が持ち込まれ、250種もの桜があるのも大きな特徴で北海道ではここだけです。ですので、時期がずれて色々な種類の桜を見られますし。北海道と本州という南北の接点でもある松前は固有の桜や花も多いです。

この写真は「御所錦」と呼ばれる梅です。京都御所より移入されたもので、松前城内庭園に植え付けられていたもので、写真でもお分かりと思うのですが、紅と白の花を咲き分ける珍しい樹木です。ちなみに北海道では梅と桜が同時に咲きます。梅だけではなく5月初旬あたりから、野花も長い冬にためたエネルギーを爆発させるように、一気に花を咲かせる模様は北海道だけかも知れません。

 

南殿の親で伝説に彩られた「血脈桜」

 

ここからは北海道でも古い歴史誇る松前だからこそ観られる名木の桜を紹介します。城内には寺院なども複数あり、その寺院の庭に古い桜が咲いています。三大名木と言われますが、龍雲院にある「蝦夷霞桜」はまだ花を咲かせていませんでした。最も有名なのが、光前寺「血脈(けちみゃく)桜」です。

光前寺の境内にある、推定300年以上の樹齢の古木であり、前述した松前を代表する桜「南殿」のすべての親木です。

血脈という名の由来は、松前から奈良吉野へ旅に出た柳本伝八と静枝の父娘が、そこで世話になった尼僧にわたされた桜の苗木という伝説があります。松前に戻った伝八が菩提寺の光前寺に植えます。伝八も静枝も亡くなり、行く年月を経て、大きくなりすぎた桜を、本堂の建て替えとともに伐採することになります。そして明日伐採という日の夜、光前寺の上人の枕元に桜模様の着物を着た女性が現れ、どうか血脈を与えてくださいと目に涙をためて頼んできます。血脈とは極楽浄土に行く証文のこと。上人は本堂でお経を上げ、血脈を書き女性にわたしました。翌日、桜を見た上人は葉がくれに、昨日書いた白い血脈を見つけました。驚いた上人は伐採を取りやめ、盛大な供養を行いました。前日に現れた女性は静枝だったと語り継がれています。木の幹をから枝を大きく広げ今も健在の血脈桜。松前の南殿の親として今も子供たちを見守っているようです。

 

染井吉野と南殿がからみあう「夫婦桜」

 

天神坂門の前に1本の大きな桜があります。よく見ると白っぽい染井吉野と八重桜の南殿が1本の幹から寄り添うように生えています。

夫が染井吉野、南殿が妻として、「夫婦桜」と名付けられています。この歴史溢れる公園内、そして風雪を耐えてきた桜などの古木を見ると、北海道にいるというより、やはり本州に来ているような不思議な気分にもなります。

 

桜だけではない見どころも紹介しておきましょう。松前は本州と北海道、北と南の境の町ということが草花を通じてわかります。光前寺の隣にある龍雲院には白花タンポポが花を咲かせていました。

関東以西でしか見られないタンポポだそうですが、龍雲院はじめ、寺町の境内などに咲いています。もちろん北海道ではここでしか見られません。

こちらは椿です。本州以南では雪解け時期に咲き春の訪れを告げる花ですよね。野生の椿も青森県が北限のはずが、なぜか松前だけに根付きました。不思議な花ですね。

こちらは孟宗竹林です。北海道では竹林はほとんどなく、笹竹が生えているぐらい。ですが、松前には佐渡から渡ってきたと言われる孟宗竹が根付きました。もちろん、松前が北限となっています。

松前藩主松前家一族の墓所で55基の墓があります。和式の墓やお堂に入ったものキリストあ教の影響が見られるお墓など様々な形式のものが立っています。墓所ということもあり、ひっそりとしていて、ひんやりした空気を感じました。国指定史跡です。

 

箱館戦争の舞台にもなった松前城

 

最北の松前藩も幕末の動乱に巻き込まれました。新政府方に着いた松前藩。明治元年(1868年)、北海道に上陸した榎本武揚率いる幕府脱走軍は、土方歳三の部隊を中心に松前に進攻します。松前藩も激しく抵抗し激戦となりましたが最終的に城は攻め落とされ、藩主は青森に逃れ、事実上、松前藩は終わりを迎えました。

本丸御門と松前城です。本丸御門国指定重要文化財です。城側の石垣には、箱館戦争の弾痕が複数個所、生々しく残っています。昭和24年(1949年)、本丸御門を除いて火事で焼け落ちましたが、昭和35年に城を復元しました。城内は有料の資料館となっています。

 

海産物グルメはホントに美味!

 

グルメについても触れておきましょう。海沿いの町で、津軽海峡の速い潮の流れの恩恵を受け、何でも美味しいです。松前城の下は繁華街や観光街となっていて、中でも、老舗の旅館「温泉旅館矢野」が運営する「レストラン矢野」が大人気です。

筆者、同店特製の「松前あわび飯」(1350円)をいただきました。炊き込みご飯に松前産のアワビを蒸したものを乗せたもの。

浸け合わせは女将特製の昔ながらの昆布とスルメイカを使っただけの絶品の「松前漬け」と岩のり佃煮など。蒸したアワビは軟らかい歯ごたえと香りが良く、薄味の炊き込みご飯と相性抜群でした。松前漬もまさに昔を思い出すコクもあるしょっぱい味。お値段的にも満足の逸品でした。松前漬けや、水産加工品など土産物が欲しいなら、矢野レストランの近くにある「松前物産館よねた」も有名です。

こちらは気持ち悪く見えますが、松前産エゾアワビの肝の塩漬けです。まさに珍味!まさに海の恵みの味で、塩っ辛く日本酒にものすごく合うおつまみでした。

 

まとめ

 

正直、松前町も桜も1回では紹介しきれません。今回の桜についても咲く時期が違うので、一部しか紹介できていません。現在は過疎化に苦しむ地方の町ですが、根底には北海道唯一の城下町としての風格と誇り、奥深さを感じました。北海道らしくない、だからといって本州の町ともまた違う、不思議な魅力を満喫しながら松前の桜と歴史を楽しんでほしいと思います。

▽スポット情報

松前城(管理事務所)

北海道松前郡松前町字松代144番地

TEL:0139-42-2216

URL:http://www.asobube.com/

 

レストラン矢野

北海道松前郡松前町字福山123番地

TEL:0132-42-2525

URL:http://www.matsumae-yano.com/(温泉旅館矢野)

 

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