北海道の代表的な魚のひとつサケ。そんなサケをテーマにした道の駅「サーモンパーク千歳」が道産子や観光客に大人気!秋はサケの遡上、捕獲が観られるほか。グルメ、ショッピングなど何でもござれ、水族館も隣接する複合施設で、「生命の神秘」を感じてみませんか?
新千歳空港からならJRで10分弱
秋の季節に新千歳空港から北海道旅行をされる方に、何はなくともまず寄っていた太抱きたいのがサーモンパーク千歳です。空港からレンタカーなど車で10分、JRは2駅目の千歳駅で降りて徒歩でも10分ほどで到着します。札幌からでもJR快速列車で35分ほどの好アクセスです。
サーモンパークは、支笏湖を源流とし、北海道屈指の大河・石狩川の支流となる千歳川のほとりにあります。千歳川は道央圏でも屈指のサケ遡上する河川です。昨年7月にリニューアルされ、隣接する千歳川の「インディアン水車」、「サケのふるさと千歳水族館」とともに、一大サケパークとなりました。平日でも混み合う人気ぶりで、修学旅行生なども見学する観光施設となっています。
まずは何はなくともサケをみたくて「インディアン水車」へ向かいます。
インディアン水車とは、毎年8月下旬ごろから遡上してくるサケの親魚を捕獲するために設置する捕魚車。水車の前の梁(やな)でサケをせき止め、魚道を1本だけ作って水車に入ってくるように誘導します。水車がサケをさらって、生け簀に投入します。
純粋に水力だけで回っている捕漁車は千歳だけだとか。実際、サケが遡上する時間帯は夕方から早朝なので、昼間にサケを見られることは稀です。水車がらみでサケを観たい場合は、早朝をオススメします。ただ今回は、生け簀に入ったサケを漁師さんが大きなタモ(網かご)ですくい、車に投入するシーンを見ることはできました。
また、日が落ちて、かなり暗くなっていましたが、水車がサケをとらえて生け簀に入っていくシーンをわずかにとらえられました。おわかりになるでしょうか?ガタンガタンとサケが捕獲されている音は聞こえるのですが、肉眼では見えないので貴重だと思います。
2016年度は7月17日に水車が設置され、8月28日から捕獲を開始、11万3973匹(10月27日現在)を捕獲しています。水車で捕獲したサケは一定量の孵化用の卵を確保し、それ以外は加工され、中国を中心とする海外に輸出されているそうです。前年比マイナス6万4000匹なので、やや不漁のようですね。
昼間でもサケを見られる穴場アリ
昼間はインディアン水車付近ではサケはなかなか見られないと前述しましたが、実は穴場があります。水車前の橋から一本下流側にある「サーモン橋」があります。そこから見た眺めは壮観そのものでした。
大量のサケが泳いでいます。ここは水深が深く流れが緩やかな水だまりになっているようです。世界中の海を回遊し、定置網をかいくぐり日本海から石狩川に入り、70㎞上流の千歳川にたどり着いたサケたちです。彼らは人生最後のイベント、産卵への遡上のために最後の力をここで蓄えているのです。すぐ先で捕獲される運命にあるのですが、母なる川へ帰ってきた彼らを見ているとやはり心に響いてくるものがあります。時々、元気なサケが水面から跳ねてきます。このサーモン橋からは、昼間でも確実にサケの姿を見られるはずです。また、大雨や、嵐の翌日により大量のサケが遡上してくるので、覚えておくとよいでしょう。
千歳や北海道の飲食店や農産物直売所なども充実
サーモンパーク内はグルメも充実。フードコート内は千歳や北海道の飲食店が出店していて人気のラーメン店やスープカレー店などがあり、それぞれ、千歳の農産物を使用した、ここだけの御路地成るメニューを出しています。
筆者は札幌の人気スープカレー店「奥芝商店」の「千歳温玉フランクカリー」を選択しました。
カレーに入っている温玉はライスに乗せてみました。
今回は最近トレンドのエビスープ(+100円)を選択。エビの香りとエキスがタップリ感じられ、コクがありながら非常に優しい味わいでした。
その他にも、北海道産野菜のベジタブルカフェ、石窯で約ピザ屋なども人気です。お土産店、そして地元の農産物直売所も観光客以外に、地元の方にも人気でした。しかし、今年は9月の台風で北海道は壊滅的な被害を受け、玉ねぎやキュウリ、葉物の野菜がメチャクチャ高いです。普段は安価な同販売所も今回は少し値上がりしていた感もありました。
自然のサケを観察できる「サケのふるさと千歳水族館」
サーモンパーク千歳に隣接する「サケのふるさと千歳水族館」も昨年7月にリニューアルされています。日本最大の淡水魚水族館というのがウリのようです。
入場料は大人800円で年間パスポートは1000円とお得です。サケの生態はもちろん、支笏湖や千歳川のほか世界の淡水魚などが豊富に泳いでいます。もちろん、主役のサケもいます。
色々イベントも行っていて、サケの餌やり、飼育スタッフの仕事の一部を体験する「飼育係ちょこっと体験」や、サケの遡上時期しか体験できない「サケの採卵体験」などを行っています。しかし、何と言っても同水族館の最大の目玉は、地下に降りたところにある、水中観察室です。
見学者の皆さんが観ている窓の風景は、実は千歳川の水中の眺めなのです。まさに自然のままの川底と川の流れの速さをリアルに感じられます。ボランティアのガイドさんが色々と説明もしてくれます。流れはかなり速く感じます。この流れに逆らってサケは遡上してくるのですから相当なパワーが必要でしょう。
観察室の場所は、インディアン水車の梁(やな)の後ろ部分で、サケがせき止められる場所で、昼間はそれほど数は多く見られませんが、今回は運よく、サケのつがいがちょうど、窓枠部分で体を休めていました。
口が鉤型になっている手前がオスです。しばらく見守っていると、メスが川底に穴を掘る様子もみられ、また、オスはメスに体を寄せ、小刻みに尾びれを震わせながら、メスに産卵を促しているようです。日本のサケはほとんどが捕獲しての人工産卵となっていますが、ごくたまに、梁を乗り越えて、自然産卵する個体もいるそうです。とにかく目の前で最後の命を燃やす本能の行為は厳粛な気持ちにさせられました。
サケの姿に見惚れて水族館を出ると、公園はすっかり薄暮の時間帯です。インディアン水車から眺める千歳川と夕陽も綺麗だったことを付け加えておきます。
まとめ
色々なアイテムがあり、食事やショッピングだけでも楽しめるサーモンパーク。もちろんお子さん連れでも、お遊戯施設もあるので問題ありません。ですが、やはり真骨頂は普段は食卓で何気なく口にするサケを感じること。実際、目の前で本物のサケの生態を見られるチャンスがあるのは全国でここだけかもしれません。サケ遡上の旬は10月中旬から11月中旬でしょうか。きっと新鮮な気持ちになれると思います。
▽スポット情報
サーモンパーク千歳
住所:北海道千歳市花園2丁目4-2
TEL:0123-29-3972
サケのふるさと千歳水族館
住所:北海道千歳市花園2丁目312
TEL:0123-42-3001
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