数年前までマドリッドの街中で自転車に乗る人は稀で、自転車を移動に使いたいと言っても「自転車はスポーツ!街で乗るのは危険!」と言われていました。
でも、ここ数年は自転車を足代わりにする人が確実に増えてきました。その傾向を裏付けるように、マドリッド市でもレンタサイクルを設置。しかも、電動アシスト付きなのです!
サービス開始時は「税金の無駄遣い!」とか「盗難されるだけ」など、批判的な声ばかり。私自身も半信半疑だったのですが、最近は利用者が増えてきたので初挑戦することにしました。
ポートを探す
現在市内165箇所に無人のポートがあり、自由に借りることができます。
まずは、近くにあるポートをサイト(https://u.bicimad.com/mapa)でチェック。 もちろんポートマップはポートでも見られます。
ポートでは、まず緑のランプがついている自転車があるか確認。緑は利用可能というサインのようです。ランプには3種類あって、赤のランプはラックに自転車が差し込まれていないか、ラックに差し込まれていても問題があると言うこと、そして青のランプは、その自転車が予約されているサインのようです。
利用者の書き込みによると、緑のランプがあっても中には使えない自転車もあるので、緑のランプがついた自転車が何台もあるポートを選ぶのがコツだとか。
利用カードを購入
緑のランプがついた自転車が確認できたら、次は利用カードの購入です。ポートにあるトーテムの画面で、指示に従ってボタンを押していきます。
最初は言語。スペイン語、英語、フランス語やドイツ語の他、中国語までありましたが、残念ながら日本語はありませんでした。
料金は、年間利用と1回だけの利用が選べますが、お試しということで1回だけの利用を選びます。最初にパスポート番号や名前などの個人情報を入力すると、クレジットカードから150ユーロのデポジットが引かれます。1、3、5日から利用日数を選ぶと、利用期間が終了した時点でデポジットは戻され、使った時間の利用料が換算されます。料金は、1時間で2ユーロ。
ここまで順調でしたが、ひとつ気になったのは、支払いの後、レシートを印刷すると押してもレシートが出てこないこと。最後に返却したポートで利用代金の印刷を押しても同様でした。これは改善の余地ありですね。
デポジットを払うと、黒い利用カードが出てきました。
しっかりとしたプラスチック製のカードですが、これは後で調べたところ、使い捨てのようです。次に使いたくても再利用できないので、「もったいない!」と言うのが利用者の声でした。
いざ発進!
自転車を選び、自転車の左横の差し入れ口に利用カードを入れると、ピッと音がしたので、ラックから自転車を力いっぱい引き出してみました。
なるほど、これで使えるようになりました。
普通の自転車としても使えますが、せっかくモーターが付いているので、電動の威力を試してみます。ON のボタンを押してペダルをこぐと、モーターが動いて前に引っ張られるように動きます。坂が多いマドリッドでは、 楽に坂を登らせてくれる自転車に病みつきになりそうです。使ってみて、やっと電動を選んだ市の意図がわかる気がしました。
サイトからダウンロードできるマップ(https://u.bicimad.com/img/plano2016_descarga.pdf)やトーテムのマップには、おすすめルートの他に、坂の勾配についても色違いで記されているので、ひとつの目安になると思います。
どこを走る?
街には、車道に自転車のマークのある車線も増えてきました。時速制限がある自転車優先の車線ですが、交通量が多い場所でもこの車線があり、車の間に挟まれて走る自転車を見て、この車線は走りたくないと思っていました。
そこで、私が体験用に選んだのは、自転車専用レーンを走れる地域。地下鉄ピラミデス駅近くにあるポートからマンサナレス川沿いへ行き、自然の広がる公園カサ・デ・カンポへ。最後はプリンシペ・ピオ駅近くのポートに自転車を返却しました。
おかげで車に脅かされることなく緑の中を走ることができたのですが、車が走らないだけに本格的な競技用の自転車に乗る人が多く、私より早いスピードで追い抜かれたり、すれ違ったり、街中とは違うスリルを感じました。
それでも、公園の中の山を一気に自転車で駆け上り、予想以上の距離を走ることができたようです。
自転車優先車線や専用レーンはこちらで確認:http://www.infobicimadrid.es/
自転車を返却
坂や山を上り、下って、堪能したところで約1時間が経過して、目的地のポートへ。赤いランプのついているラックに力いっぱい自転車を差し込みます。 ランプが赤から緑に変わったら良いのですが、私の場合、ランプが赤いままで自転車も抜き出せる状態だったので、トーテムの画面でインフォメーションから利用状況を確認してみました。すると、「利用なし」。
おかしいと思い、ラックを替えて、もう一度力いっぱい差し込むと、今度はランプが緑に。自転車もラックから抜けなくなり、無事返却できたことがわかりました。念のため、もう一度画面で利用状況の確認をすると、55分利用して、料金は1,90ユーロと出てきました。1時間以内でも2ユーロ徴収されるのかと思いましたが、30分以上の利用は分単位で計算してくれるようです。ただし、1時間以上使い続けると、利用料金が値上がりされるとか。市のレンタサイクルはあくまで交通手段で、観光などで長く借りたい時はレンタサイクルのお店で借りて欲しいということのようです。また、2時間以内でポートに返却してまた借りれば、超過料金は加算されません。
デポジットはいつ戻される?
初めて利用する時に気がかりなのは、正しく料金が引き落とされるかということです。
スペインの銀行口座を使った私は、利用料金が引き落とされた後も数日は150ユーロがデポジットとして取り置かれていました。
その間、1,90ユーロの徴収はなく、その後、デポジットが消えた時点で1,90ユーロが口座から引き落とされていました。
不慮の事態が発生したら?
レンタサイクルを利用する上で、不安なのは不慮の事態。自転車が充電されていなかった」とか、「故障していた」など、問題は無数にあるようです。
そんな時はいくつかの方法がありますが、市民コールセンター(010)に電話をかけるか、トーテムの画面から知らせるのが一番簡単な方法のようです。
まとめ
サービス開始時は長続きしないだろうと思っていたレンタサイクルも、早くも数年。街で見るだけでも、大分利用者が増えたようです。
個人情報入力など、少し面倒と思われる手続きもありますが、それさえクリアすれば快適に街を回れます。
是非一度試してみてください!
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