サッカーの試合に熱狂的な盛り上がりをみせるイタリア人。イタリア語ではサッカーはカルチョと呼ばれ、試合のあった翌日にはカルチョの話題で盛り上がります。
ローマには、ASローマとSSラツィオという二つのチームがあり、どちらもスタディオ・オリンピコをホームスタジオとしています。ローマ対ラッツィオの試合はダービー戦と呼ばれていて、ローマの街を二分するほどの勢いで、敵、味方に分かれての応援合戦が行われます。
サッカーをこよなく愛するイタリア人
イタリアのサッカーリーグは、それぞれの街をベースにしたチーム同士の戦いです。地元を極めて愛するイタリア人は、地元のサッカーチームの勝利のために、熱狂的になって応援します。イタリアでは、ホームゲームの試合は、ほぼすべての観客が地元チームを応援する中で戦いますが、遠征試合では、ほぼすべてを敵にまわして戦うことになります。
あくまでも地元を愛するイタリア人にとって、自分の町を代表するチームが優勝をかけて他の町と争うサッカーリーグは、一大関心事です。歴史的にも、イタリア半島が1つの国に統一したのも約150年前。それまでは、中小の都市国家として覇権を競い合ってきたことの名残のようです。
また、ローマやトリノ、ミラノといった大きな都市では、セリエAのチームが2つもあり、激しいダービー戦が行われます。これも同じ街の中で、ローマ教皇派と神聖ローマ皇帝派の2つに分かれて戦いあった歴史を反映しているようです。
ヨーロッパの一流サッカーリーグのセリエA
イタリアのサッカー1部リーグがセリエA。ホームとアウェイで各2試合ずつ計38試合を戦います。シーズン終了時に、20チーム中、上位17チームが来季も継続してセリエAで戦えますが、下位3チームは、2部リーグのセリエBの上位3チームと入れ替えられてしまうシビアなリーグです。
試合は、基本的に8月下旬から翌年5月までの水曜日、または土・日に行われます。日本と違い、夏はサッカー選手もバカンスに出かけるのが特徴的です。
試合開始時間は、平日は20時45分、週末は18時や15時開始になることが多いです。かなり白熱した試合になることが予想される場合は、トラブルを避けるため、なるべく日中である15時に開始するように設定されています。
2016-2017年シーズンのセリエAチーム昨シーズンは、トリノに本拠地を置くユヴェントゥスが圧倒的な強さを見せつけました。史上初の6年連続で優勝という偉業を成し遂げ、ヨーロッパトップレベルの競争力の強さを誇示しました。
2位になったのは、ローマのASローマ。エディン・ゼコが39という年間得点記録を更新したにもかかわらず、ユヴェントゥスには力の差を見せつけられました。ローマは、16歳から25年間在籍したチームのシンボルともいえるフランチェスコ・トッティの引退試合という最終戦のビックイベントで有終の美を飾り、攻撃サッカーを展開したナポリをぎりぎりのところで3位に抑えることができました。
1位ユヴェントゥス(JUVENTUS)本拠地トリノ
2位ASローマ(ROMA)ローマ
3位ナポリ(NAPOLI)ナポリ
4位アタランタ(ATALANTA)ベルガも
5位ラツィオ(LAZIO)ローマ
6位ACミラン(AC MILAN)ミラノ
7位インテル(INTEL)ミラノ
8位フィオレンティーナ(FIORENTINA)フィレンツェ
9位トリノ(TORINO)トリノ
10位サンプドリア(SAMPDORIA)ジェノヴァ
11位カリアリ(CAGLIALI)カリアリ
12位サッスオーロ(SASSUOLO)サッスオーロ
13位ウディネーゼ(UDINESE)ウディネ
14位キエヴォ・ヴェローナ(CHIEVO VERONA)ヴェローナ
15位ボローニャ(BOLOGNA)ボローニャ
16位ジェノア(GENOA)ジェノヴァ
17位クロトーネ(CROTONE)クロトーネ
18位エンポリ(EMPOLI)エンポリ
19位パレルモ(PALERMO)パレルモ
20位ペスカーラ(PESCARA)ペスカーラ
チケットの購入方法
旅行中に、どうしても本場の試合を見てみたい場合は、やはり日本から事前に予約していくのがいいでしょう。手数料が加算される場合がほとんどですが、確実にいい場所で見ることができます。
現地で購入する場合は、前日までは市内にあるROMA POINTのような各サッカーチームの専用ショップでも購入できます。当日は、スタジアムの前にあるチケット売り場でも購入できます。かなりの人気試合でなければ、当日券も購入可能ですが、出来るだけ1時間前には行ったほうがいいでしょう。また、試合日程や時間が変更されることが多いので、確認が必要です。
チケット売り場では、スタジアムの見取り図を見せてくれるので、空いている席の値段を確認して購入します。ゴールの裏の「CURVA(クルヴァ)」というエリアは、熱狂的なサポーターの観戦場所で、激しい応援を繰り広げているうちに危険な展開になる場合もあるので、出来れば避けたほうが懸命です。
近年、熱狂的なサポーターの応援合戦が白熱しているので、サッカーのチケット購入やスタジアムへの入場は、必ずパスポートのような身分証明書が必要です。忘れずに持参しましょう。
ローマのホームスタジオ、スタジオ・オリンピコ
ローマの2つのサッカーチームASローマ、SSラツィオ、いずれもホームスタジアムはスタディオ・オリンピコを利用しています。ヴァチカン市国の北に4キロほど行った、テヴェレ川の近くにあります。
スタディオ・オリンピコは、ムッソリーニの時代に計画された一大複合スポーツセンターの一部という歴史的なスタジアムです。1960年にローマでのオリンピックで、開会式や閉会式、陸上競技などが行われたことから、オリンピックスタジアムを意味するスタディオ・オリンピコという名称になりました。1990年のサッカーのワールドカップ、イタリア大会に合わせて改修されて、現在のような約74,000人収容のスタジアムとなりました。
スタディオ・オリンピコ(STADIO OLIMPICO)住所FORO ITALICO
行き方は、地下鉄A線フラミニオ駅(FLAMINIO)から市電トラム2番のマンチーニ(MANCINI)行きに乗って、マンチーニで下車。またはテルミニからは、始発のバス910番に乗って、マンチーニで下車。地下鉄A線のオッタヴィアーノ駅からは、バス32番のトール・ディ・クイント(TOR DI QUINTO)行きに乗って、スタディオ・テニス(STADIO TENISS)で下車。
ローマで絶対盛り上がること間違いない人気試合の注意点
ローマの伝統的なダービー戦、ASローマ対SSラツィオ戦。サポーターたちも、ローマチームのチームカラーである赤と黄色、またはラツィオチームは白と水色を基調とした服装で行くのはお約束です。間違って対戦相手の色の服や持ち物を持っていくと、熱狂的なサポーターたちから非難の的に遭う可能性が高いので、注意しましょう。
また、ダントツ首位を独占し、イタリア中にファンが多いユヴェントゥスの試合も、人気が高くチケットを手に入れるのが難しいゲームです。地元に根差したローマやラツィオのサポーターたちからは、敵対心をむき出しにされることが多いユヴェントゥスのチームカラーは白と黒。これらの色も要注意です。
日本と違って、サポーターが危険なほどに盛り上がるイタリアサッカー。盛り上がることは間違いなしですが、これらの試合は、トラブルに巻き込まれないように注意して楽しみましょう!
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