いくらイタリアンが美味しいといっても、ときどき無性に恋しくなる日本の料理。しかも、お寿司や刺身よりも、食べなれたいつものB級グルメ、ラーメンや餃子。駐在員が多いミラノならまだしも、これまでローマでラーメンといえば、中華料理レストランで食べることのできるいわゆる中華そば。しかも、スパゲッティのような麺、という代物。
ところが、最近ローマにも本格的なラーメン屋がどんどん進出しています。ここでは、ローマのおすすめラーメン屋、中華料理レストラン情報をご紹介します。
ローマでラーメンの普及が難しい理由!
ほんの数年前までは、中国人経営の中華料理で、ラーメンに似た中華風の汁そばしかなかったローマ。イタリア人は食に保守的と言いますが、それにしてもミラノやフィレンツェに比べて、ローマはかなり遅れていて、ようやく日本食=寿司、刺身、天ぷらが認められるようになったところだったのです。ローマは日本企業が少ないので、ヨーロッパの首都としては駐在員の数が圧倒的に少ないので、日本食があまり普及しないのもしょうがありません。
また、ローマの気候は温暖なので、北イタリアのほうにあるラーメンのようなスープに入った麺料理、スープスパゲッティのような温かい料理を食べる習慣がありません。また、イタリア人は大人でもほとんどの人が猫舌で、熱いスープの中の麺を食べるのは、どちらかというと苦手です。またラーメンを食べるときに、汁がはねて洋服が汚れるから、洋服のシミを気にするイタリア人には好まれないのでは?というのが、日本人の意見でした。
意外にもラーメンがローマで大ヒット!
嬉しいことに、予想に反して最近続々オープンしているラーメン屋が大成功!ローマでの、新しい食のブームをお巻き起こしているようです。
気になるローマのラーメンのお値段は、12ユウロくらいからで、餃子も食べると最低でも20ユウロ。日本のようなB級グルメというお値段ではないですが、おいしいうえにエキゾチックな新しいブームなので、イタリア人への評判は上々です。
ラーメンの味もさることながら、とても清潔なモダンなデザインの店内に、親切で丁寧な日本人の店員さんの行儀の良さも人気の秘密です。また、お寿司の値段に比べると、和食にしては手軽な料金なのでしょう。
行く価値あり!ローマの人気ラーメン屋
RAMEN BAR AKIRA(ラーメン・バー・アキラ)
ラーメンブームの火付け役ともいえる人気店。「ラーメンバール」というネーミングもしゃれています。アジア系レストランや寿司屋が並ぶ、オスティエンセ地区にあります。地下鉄や鉄道の駅に近いという立地の良さに加えて、イタリアの食のデパートEATALYにも近くて便利なので、観光客でも気軽に立ち寄れます。
住所:VIA OSTIENSE, 73
電話:327.000.9986
営業時間:19時~23時(月曜休み)
MAMA-YA RAMEN
ミシュランで一つ星を獲得した日本人シェフが監修したグルメなラーメン屋。あっさりした鶏の出汁がおいしいMAMA-YA RAMENのほか、じっくり煮込んだオックステールが入った牛テールラーメンなど、イタリア人にも嬉しい上品なラーメンが人気急上昇です。
住所:VIA OSTIENSE,166 A
電話: 393. 8123. 386
営業時間:12時30分~15時、19時~23時
BISTRO GIAPPONESE WARAKU
ローマで一番初めにできた日本のラーメン屋和楽が、移転して新装開店しました。
イタリア人のオーナーがつくる本当の手打ち麺、手作り餃子には、以前から現地在住日本人の間でも定評があります。その場で焼いてもらえるたこ焼きも人気です。2017年3月には、ローマのレストランのオスカー賞の多国籍料理部門のベスト5にもノミネートされました。ただ、観光地から離れているので、旅行者には行きにくいのが難点です。
住所:VIA PLENESTINA,321 A
電話:329.724.8311
営業時間:12時30分~14時30分、20時~22時30分(月曜休み、火曜昼休み)
日本と違うイタリアの中華レストランがおもしろい。
ローマで中華と言うと、格安で食べれるレストランの代名詞で、若者を中心にして人気があります。ローマの街にはたくさん中華料理レストランがあるので、手軽な料金で、気楽に中華汁そばや餃子が食べたいときにはおすすめです。
ローマの中華料理レストランのおもしろいところは、イタリア風にアレンジしているところです。まず、イタリア料理のアンティパストととして点心などの前菜。そしてプリモピアットにあたる麺類、ご飯類。そしてセコンドピアットとして肉料理、魚料理、というように、イタリア料理のメニューに準じています。料理も、イタリア料理のように、順番に出てきます。
もちろん、中華に付き物のの円卓もなく、テーブルセッティングもイタリア料理レストランのように、フォーク、ナイフ、ワイングラスが並べられます。
おすすめ中華レストラン
ローマのよくある安い中華とは一線を画している老舗の中華です。ここでは、料金は少し高めですが、本格的な台湾料理が食べられると人気のレストランです。地下鉄のREPUBBLICA駅から徒歩約10分と便利な場所にあるので、観光客でも行きやすいのがポイントです。
Mr.Chow(ミスター・チョウ)
住所:VIA GENOVA, 29 A
電話:064884412
中華料理レストランで注文するためのイタリア語
アンティパスト:
春巻き:INVOLTINI PRIMAVERA(インヴォルティーニ・プリマヴェーラ)。
日本の春巻きと違い、ニンジンとキャベツのみのヴェジタリアン春巻き。どこで食べてもお肉が入っていない、日本とは全く違うあっさり春巻きです。
肉餃子:RAVIOLI DI CARNE ALLA PIASTRA(ラヴィオリ・ディ・カルネ・アッラ・ピアストラ)。RAVIOLI DI CARNE AL VAPORE(アル・ヴァポーレ)は、蒸し餃子。
しゅうまい:RAVIOLI DI GAMBERI (ラヴィオリ・ディ・ガンベリ)。上にグリーンピースがのっているえびシュウマイ。
プリモピアット:
チャーハン:RISO CANTONESE(リーゾ・カントンネーゼ)。ハムと卵とグリーンピースが定番。
焼きそば:SPAGHETTI SALTATI(スパゲッティ・サルターティ)。日本の焼きそばではなく、当然中華風焼きそば。あっさりした塩味が多い。麺の種類は、SPAGHETTI DI SOIA(スパゲッティ・ディ・ソイア)は春雨、SPAGHETTI DI RISO(スパゲッティ・ディ・リーゾ)はビーフン。
汁そば:SPAGHETTI IN BROAD(スパゲッティ・イン・ブロード)
セコンドピアット:日本で食べる中華のメインは、味が複雑ですが、イタリアはかなり大味です。日本とは別物だと思ったほうがいいでしょう。
マーボー豆腐:TAUFU IN SALSA CHILI(タオフ・イン・サルサ・チリ)。
エビチリ:GAMBERI IN SALSA PICCANTE(ガンべり・イン・サルサ・ピッカンテ)。
チンジャオロース:MANZO CON PEPERONE(マンゾ・コン・ペペローネ)
酢豚:MAIALE IN SALSA AGRO DOLCE(マイアーレ・イン・サルサ・アグロ・ドルチェ)
デザート:
イタリア風中華デザートの名物はジェラートフリット(GELATO FRITTO)です。アツアツの天ぷらの中に冷たいジェラートが入っているので、イタリア人に大人気で中華のデザートの代名詞です。
日本の中華料理とは違う中華料理。話のタネに気楽に試してみてください。
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