ドイツの勉強法:親の視点からは言いたいことがあれこれ

ドイツ

私の子どもは二人とも公立の小学校に通っていますが、学校が大好きです。
担任の先生は子ども思いで優しく、子ども達から絶大な信頼を置かれています。良い友達にも恵まれて、休み時間は思い切り遊んでいるようです。学校帰りは一緒の習い事をしたり、お互いの家を行き来して友達の家で夕飯を食べてから帰宅するという生活です。

日本人である私としては、学校に言いたいことは色々とあります。でも〇〇のお母さんはモンスターペアレントだと嫌がられるのも困りますし、言ったところで何も変わらないと思うため、そのままになっています。一方でこれを書いているうちに何とも言えない思いがふつふつと沸きあがってきました。

日本人の私としては、以下の点が不満

その1:ある程度能力別にクラス編成をしても良いのでは
その2:休講・休校が多すぎるのでは
その3:「家庭での勉強をやらせない」方針には?です
その4:宿題を出してほしい
その5:毎日、学校の道具を持って帰ってきてほしい
その6:スペルミスを直さないドイツ語の勉強法には?です

ざっというとこんな所でしょうか。まだまだ言いたいことはあるのですが、、、。

その1:もっと勉強を厳しくさせても良いのでは

これは一般的に言われている事なのですが、ドイツの小学校に入学した一年生は「最初の半年間は授業中に席に座る練習」をします。授業中に席に座る練習をして来なかった子どもにとっては45分間座っているのは苦痛で、なかなか続かないのです。

ところで、日本では授業中に歩き回っている子どもはほとんどいないのではないでしょうか?
日本では幼稚園の発表会で園児達がきちんと劇をしたり、お遊戯をしたりすることができますが、ドイツの幼稚園ではそのような事をすることはほとんどありません。子どもの自主性を尊重する」ために子どもの意にそぐわなければ、工作や劇などもやる必要がないのです。
そのような環境で育ってきた子どもにとっては、小学校はまったく違う場所です。嫌でもきちんと座らなければならない、授業を聞かなければならない、勉強で間違えたら間違いを指摘される、などと言ったことはどれも慣れない新しい事であり、自分の意に反する事なのです。

一方で、授業中に座ることを当たり前にできる子ども達もちゃんといます。また幼稚園時代にある程度読み書きを習って入学する子たちもいるので、このような子ども達にとっては入学して座る練習をすることから始めるのは退屈ですし、親の目から見ると時間が勿体ないと感じてしまいます。
また両親がドイツ人の子ども達と移民系の子ども達のドイツ語力は全然違います。ドイツ人の子ども達は良くも悪くも口達者な子が多いので、ボキャブラリーが多く話す内容や言い回しなども移民系の子ども達とは全然違うのです。

つまり入学した時点で子ども達のドイツ語力や学習レベルに歴然とした差があるのです。
ドイツ語力が足りない子どもを対象とした補講があるとはいえ、できる子ども達には授業内容が簡単すぎる事が多いようです。そして何より、学力レベルが違い過ぎる子ども達を先生が一人で相手をするのは大変なことです。もっとも子どもの学力に差があるというのは日本でも同じなのかもしれません。
難しいとは思いますが、ある程度学力に応じたクラス分けなどはできないものでしょうか?

その2:休講・休校が多すぎるのでは

ベルリンは教員不足

私が住んでいるベルリンでは「教員不足」が社会問題化しています。教員がいないために、先生がお休みした時に代わりの先生がいません。そうなるとその授業は無くなり自由時間となってしまうのです。あるいは他のクラスと合同で授業が行われているようです。
自由時間になると子どもは遊べて楽しいようですが、授業が空いた分の埋め合わせがあるわけではなく、その分限られた時間で早く学習することになるそうです。
授業がなくなるとたくさんのことを授業時間内にやらなくてはならないから大変だよ」と小学3年生の息子はよく言っています。

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長期で休む先生が多い

私が子どもだった時代、「先生が病気で学校に来られない」ということは殆ど無かったと記憶しています。ところがドイツでは頻繁に「先生が学校をお休み」します。理由は「自分あるいは先生の子どもが病気」、「親の介護、再教育に参加するため」などが多いです。
それも一日や二日ではありません。医師から病欠による「労働不可能証明書」を出されると普通は数日から1週間お休みすることができるため、週末に合わせてまとめて病欠を取る先生が本当に多いのです。
ある先生などは腰を痛めたため長期の療養生活を取ることになり、3か月間お休みしたのですが、療養生活中にアフリカ旅行をしていたそうです。リフレッシュして戻ってこられたのは良いですが、アフリカ旅行の話を聞いた時には言葉にならない怒りが湧いてくるのを抑えられませんでした。一方で「アフリカで十分に療養出来て良かったですね」と先生に話しているドイツ人の親の様子を見ると、私は心が狭いのだろうか?とも思わされます。
でも、やはり納得いきません。ドイツの学校の先生は子ども達の教育の事よりも自分の事を優先しているとしか思えないですし、休みすぎだと思うのです。

ストライキをする教員

それからストライキです。ドイツの教員は公務員の契約形態で働いている先生とサラリーマン契約で働いている先生に分かれています。どちらも同じ仕事をしながら、公務員は社会保障や昇給などで圧倒的に厚遇されている一方で、サラリーマンはそうではないようです。
そのためサラリーマンの教員たちは年に数度ストライキをします。そうなると学校はすべて授業はなくなり、「できれば学童にも預けないでほしい」という通達が来ます。

学校がストライキで閉鎖するとなると、私たちは対抗することができません。共働きの家庭が多いので、子どもの親同士でお互いの家で子ども達を預かったりしたりして、仕事にできるだけ支障が無いようにするしかありません。
契約に不満があるのは理解できますが、子どもや仕事をしている親の立場も考えてほしいです。

その3:「家庭での勉強をやらせない」方針には?です

子ども達が通っている学校では担任の先生から「家ではなるべく勉強をさせないで下さい」と言われます。理由は学校ですでに勉強して疲れているから、家では次の日に備えてリラックスして子供らしく遊ぶのが大切だから、という事でした。
宿題が出ることもほとんど無く、「やりたい人は家でドリルをやりましょう」という方針。我が家の子ども達は遊びに夢中なので、義務でない勉強を家でやろうとすることはなく、週末に1問か2問、算数かドイツ語をしぶしぶ親と一緒にやる程度。他の学校に通うお友達もみな似たり寄ったりなので、これでいいのだろうと思っていたのです。

4年生になると難易度がグンと上がる

ところがです!最近、「ドイツの現地校は4年生になると急に勉強が難しくなる」ということを知ったのです。宿題は一気に増え、宿題以外にもテストが定期的に頻繁にあったり、プレゼンなどをするためにレポートをまとめたりする課題も出るというのです。ドイツ語に関しては「本を一冊読んで内容をまとめ、感想を書く」という宿題が出たりするというのです。

私の友人の子どもは、母親が先生の「やらせない方針」を信じて3年生までのゆとり教育期間に何もやらなかったため、とても困っていると言っています。ドイツ語力は不十分でスペルミスばかり。算数に至っては3年生までの学力もきちんとついていないという始末。一方で「何もやっていないと思っていたドイツ人家庭の子ども達は何の問題もなちゃんと学力がついている」と言うのです。

1、2年生は子どもが退屈するほどゆっくりしか勉強が進まないのに、なぜ4年生になると突然こんなに学習レベルが上がるのでしょう?
4年生でいきなりレベルアップせず、もう少し徐々に上げていくことはできないものかと思います。

その4:宿題を出してほしい

この記事を書くにあたっていろいろ調べていてわかったのですが、宿題を出す学校も多いようです。学校の方針次第ですが、私の子ども達の学校はたまたま宿題が出ない方針であるようです。

日本の学校のように、少しでいいので毎日宿題を出してほしいと思います。宿題であるならば、子ども達もやらなければならないものだと認識しますし、毎日定期的に学ぶことで家で机に向かって学習する事が習慣化してくるのではないかと思ってます。
各国比較のデータをみると日本の児童の基礎学力がとても高いのは、宿題をきちんとこなすことが当たり前と認識されていることが一因だと思ってます。

その5:毎日、学校の道具を持って帰ってきてほしい

ドイツでは時間割に合わせて毎日、授業道具をランドセルに入れるという事をしません。
大半は月曜日に全教科の勉強道具をランドセルに詰めて登校し、平日は学校の教室においておき、金曜日に全部を持って帰ります。学校にもよると思いますが、大半はこのやり方です。
ランドセルに入っているのは筆箱と学校に持っていく軽食が入ったお弁当箱と水筒、連絡帳のみです。勉強道具を持って帰ってこないので、学校で習ったことを家で一緒に復習したいと思ってもやりようがありません。
これは「家で勉強をやらせない」方針によるものなのでしょうが、親の負担は大変です。週末に一週間分の学習内容を一気にチェックすることになるのです。

その6:スペルミスを直さないドイツ語の勉強法には?です

ドイツでは1年生の時に1年間かけてアルファベットを習います。1年生の時点でひらがな、カタカナ、漢字80字を勉強する日本に比べると歴然たる差ではないでしょうか?
もっともドイツ語には特殊文字であるウムラウトやエスチェット(ä, ü, ö, ß)がありますし、日本語のように書き方と発音が一致しているわけではないので、読み書きを覚えるには発音の仕方も同時に勉強しなければなりませんので、ドイツの方が簡単だとは一概には言えません。

しかし小学3、4年生になっても単純な単語のスペルミスをしている子どもが実に多いのです。最近、その理由がわかってきました。それは「聞こえた通りにアルファベットを書く」というドイツ語の教授法によるものだと思います。
この教授法を使っている学校ではたいてい「1年生のうちは習ったアルファベットを使って書くことを学ぶのが大切。スペルが間違っていても直さないでください」と言われます。スペルミスを指摘されると書く気が失せてしまう」からだそうです。
これは確かに一理あると思います。長男も次男も、間違いだらけで解読不能なくらいのドイツ語を書いていましたが、スラスラと長い文章を書けるようになったのでありがたく思ってます。

しかし3年生がもうすぐ終わる長男の作文を読んでみると、いまだにスペルミスがいくつかあります。これは「直さない方式」によるものなのか、単なるケアレスミスなのか、正直分かりません。友達のお嬢さんは4年生ですが、間違ったままのスペルで覚えてしまい、正しく書き直す事にとても苦労しているようです。

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