ロンドンでバカンス気分?テディントンロックとテディントンの街歩き




Teddington

テディントンは、ラグビー場で有名なトゥイッケナムから少しテムズ川を上った所にある街です。一見、どこにでもあるロンドン郊外の街のように見えますが、街からテムズ川へ出ると、まるでバカンスに来たような開放的な空間が広がっているんです。ガイドブックには載っていないこの街を、一緒に散歩しませんか?

 

サクソンの集落からお洒落な住宅地へ

 

Elmfield House

テディントンはこの地にサクソン人が侵略してきた頃から集落として存在し、首長Teddの集落(ton)からテディントン(Teddington)と呼ばれるようになりました。小さな集落であったテディントンに変化が訪れたのは18世紀になってからのことです。近隣のトゥイッケナムに有名な文化人が住み、王族や貴族が足を運ぶようになるにつれてファッショナブルなエリアとして人気が上がり、テディントンもその恩恵に預かって富裕層が移り住むようになったのです。残念ながら18世紀の邸宅の殆どが取り壊されてしまいましたが、エルムフィールドハウスとパークロードに残る邸宅が、当時の繁栄を忍ばせてくれます

Park Road Hotel

 

テディントンハイストリートからテムズ川へ

 

High Street

ナショナルレイルのテディントン駅のStation Road側へ出たら、左方向に歩いて行きます。駅の傍だというのに、周囲は静かな住宅街であるのに驚かされます。ハイストリートへ出たら右折します。道の両側に店舗の立ち並ぶハイストリートは、まだ個人商店が多く残っており、ウインドウを見て歩くだけで楽しい気分になります。イギリスではもう言葉だけが残っているかと思われた「タバコ屋(tobacconist)」がまだ健在で、葉巻タバコと関連商品を扱っています。ご興味ある方は覗いてみてください。お洒落なカフェやレストランも多いので、帰り道に立ち寄るのも良いですね。

Tobacconist

 

ノートルダム寺院を彷彿させる教会

 

ハイストリートを進んでいくと、右手に大きな教会の建物が見えてきます。1889年にパリのノートルダム寺院を参考にフレンチゴシック様式で建築されたセント・オーバンズ教会です。現在は慈善団体ランドマーク・アートセンターの管理下で、展覧会やコンサートの会場となっています。入り口の上にある現代アートの大きな蜘蛛のフィギュアが、中世風のゴシック様式とマッチしていますね。

 

フェリーロードからテムズ川へ

 

The Angler

ランドマーク・アートセンターの先の交差点を渡ると、道路の名前はフェリー・ロードと変わり、いよいよテムズ川に近づいて来たことがわかります。右手のコテージの一つが「Tide End Cottage」(潮汐の終わり館)という名前のパブで、その先にあるのは「The Angler」(釣り人亭)の広いビアガーデンです。左手の建物は「The Boat Shop」と看板がでています。いずれも川にまつわる名前ですね。そして正面にテムズ川が滔々と流れています。

 

釣り人亭でビール片手にホリデー気分

 

釣り人亭のビアガーデンは、文字通りテムズ沿いにあり地元民に大人気。特に天気の良い日は、この広いビアガーデンが満席の大盛況になります。テムズ川を渡る風を感じながら昼間からビールを飲んでいると、すっかりホリデー気分になりますね。ビールよりコーヒーという方は、向かいのボートショップの右側の階段を下ったカフェの、テムズに臨んだテラス席がお勧めです。

 

歩行者専用つり橋からテムズを眺める

 

Teddington Footbridge

パブの目の前にあるのは、1889年に作られた歩行者専用のつり橋です。この橋の上から眺めるテムズの風景は格別で、足を止めずにはいられません。すぐ上流に堰(せき)があり、堰から流れ落ちる水音を聞いていると、どこかの渓流か滝の近くに居るような爽快な気分になります。オゾンたっぷりの空気を深呼吸しましょう。

周辺には多くのボートが停泊しており、どこか南国のマリーナに居るかのよう。つり橋を渡った所で中島に降りると、もっと近くから堰を眺めることができます。

View from the bridge

 

テムズ川の潮流が届く最上流地点

 

テムズ川は潮の満ち引きの影響を受ける川で、その高低差は最大で7にも及びます。満ち潮は4~5時間、引き潮は6~9時間続き、満ち潮が始まると川の水が上流に向かって流れる不思議な現象を確認できます。この潮流が見られる部分はタイドウエイと呼ばれています。

潮流による洪水の被害を防ぐため、1345年にはテディントンに最初の堰が作られましたが、この木造の堰は1535年に流されてしまいます。その後1802年になって堰の再建が提案され、1810年に英国議会の承認を得ました。新しい堰は1811年に完成し、テムズの潮流はこの堰を超えることはなくなりました。つまり、この時からテディントンがテムズ川のタイドウエイの最上流地点となったのです。

 

堰に伴い建築されたテディントン・ロック

 

Lock

テディントンに新たに堰を作ると同時に必要となったのが、河川運搬船のためのロック(lock)で、堰と同年に完成しました。ロック、或いは閘門(こうもん)は、水位差のある川での船の運航を助ける設備です。

二つの水門の間にあるロックと呼ばれる場所に船を入れ、川を上る際は下流の水門を閉めて水位を上げ、下る際は上流の水門を閉めてロックの水を下流に流し、水位を下げて船を通過させます。

 

ロックでバカンス気分のお裾分け

 

中島から更に歩行者専用橋でテムズの対岸に渡りましょう。この左手にあるのがテディントン・ロックです。運搬船のために作られたロックですが、今ではイギリス特有のナロウボートと呼ばれる細長い船やレジャーボート、遊覧船の利用が中心となっています。

河川や運河をナロウボートでのんびり旅する人々や観光客から発せられる華やいだ雰囲気が、テディントンロックを更に心躍る場所にしています。丁度、遊覧船が二隻、ロックに入ってきました。みんな笑顔で楽しそうです。

 

テディントン・ロックでピクニック

 

二つのロックの間には管理事務所の建物と緑地があり、誰でも自由に入ることができます。ピクニックテーブルが設置されているので、行き交う船を眺めながらピクニックするのも楽しいですね。管理事務所には公衆トイレもあります。壁に掛かっているのは時計ではなく、次の満潮時刻を示しているのが、いかにもテディントン・ロックらしいですね。

Teddington Lock Office

 

ハムの森で森林浴

 

ロックはテディントンの対岸にあるので、地理的にはハム(Ham)というエリアになります。ロックの裏側には、テムズ川沿いに迷ったら出てこれなくなるのでは?と心配してしまうくらいの鬱蒼とした森が広がっています。時間があればここも散歩して、たっぷり森林浴を楽しみたいですね。

ロックの近くには、何かの遺跡のようにむき出しの茶色い土塁が集まっている場所がありますが、これは遺跡ではなくジャンプバイクの競技場で、週末は競技者と見学者の歓声が響き渡ります。

Jump Bike Circuit

 

テディントンへのアクセス方法

 

テディントン駅(ゾーン6)はナショナルレイルのキングストンループ線(Kingston Loop line)と呼ばれる環状線上にあり、ロンドンウオータールー駅から約35分で到着します。

車で訪れる場合は、街の中心にある有料駐車場を利用できますが、テディントン・ロックを訪れるには対岸のハム側にあるRiverside Driveに駐車した方が便利です。道幅が広いので縦列駐車しやすく、駐車規制がないので料金もかかりません。上の画像にあるサインポストの付近に駐車してください。サインポストのある小道を直進すると、数分で歩行者専用橋のたもとに出ます。橋を渡らずに右方向に進むとロックがあります。

 

終わりに

 

Footpath to the lock

良く晴れた夏の日のロンドンは、暑すぎず湿気も少なくとても快適ですよね。そんな日はぜひ、少し足を延ばしてテディントン・ロックを訪れて、ちょっとしたバカンス気分を楽しんでください。日差しを浴びながらレジャーボートや遊覧船がロックを通過するのをのんびり眺めていると、ロンドンに居るのを忘れてしまいそうになりますよ。




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