ロンドンのブルーベルの森へ行きましょう




春の訪れと共に人々の話題になるのが「ブルーベル」。森の空気をも青く染めんばかりに一面に咲くブルーベルはイギリスの春の風物詩です。神秘的なブルーベルの森は、妖精の国・イギリスならではの風景。ここでは、ロンドン市内にあり公共交通機関を使って行くことのできる3つのブルーベルの森を、周辺の耳寄り情報を含めてご紹介します。この春はブルーベルの森へ妖精を探しに出掛けてみませんか?

 

ブルーベルとは

 

ブルーベルはその名の通りの青い釣り鐘型の香りの良い花を、4月下旬から5月上旬に咲かせます。外側にくるんとカールした小さな花の姿が愛らしく、妖精たちが真夜中のパーティを開く時にブルーベルの鐘を鳴らして仲間を集めると伝えられ、妖精の花と呼ばれる由縁となっています。多年性で日陰でもよく成長する植物なので、深い森の中で一面に青い絨毯を広げたように群生します。イギリス、アイルランドの他、ヨーロッパ各地でも見られますが、イギリスが全体数の49%を占めるそうで、まさにイギリスを代表する花の一つと言えるでしょう。

 

オスタリーパークハウスOsterley Park House

 

ブルーベルは深い森の中を好むため、都心で群生している風景を見かける事は難しいのですが、そこは緑に溢れた都市ロンドン、少し郊外へ行けば思わず息を呑むようなブルーベルの森を見る事ができます。ヒースロー空港にほど近いオスタリーパークハウス大富豪の銀行家チャイルド家の邸宅で、ロンドン市内では唯一、館から厩、農場や庭といった全ての敷地が保存されています。この庭は18世紀に当時の人気建築家ロバート・アダムによって造園され、近年ようやくその当時の姿に修復されました。広大な敷地の庭の中で、ロングウォーク(Long Walk)とグレートメドウ(Great Meadow)と呼ばれるエリアにブルーベルの群生を見る事ができます。

必見!アダムの最高傑作の館

オスタリーパークハウスは、ジョージアン時代の売れっ子建築家ロバート・アダムの最高傑作と評され、現在でもアダムのデザインした調度品まで残っている数少ない館です。ブルーベルを見にお出掛けになったら、館もご見学なさることをお勧めします。アダムのデザインはその人気ゆえ非常に高額で、王室ですら全てをアダムに任せるのは不可能だったと言われています。銀行家として莫大な財力を誇っていたチャイルド家だからこそ実現したこの館の、ドアノブから家具、食器類に至るまで完璧に調和したアダムの世界を楽しんでください。

オスタリーパークハウスへのアクセス方法

地下鉄ピカデリー線のオスタリー(Osterley)駅を出てすぐの広くて交通量の多いGreat West Road (A4)を左方向(東方面)に歩き、最初の交差点を左折しThornbury Roadに入ります。この道を直進すると、やがてオスタリーパークハウスのゲートに到着します。ゲートを入ったら右手にファームショップを見ながら更に直進し、池に沿って左に曲がると、まるでギリシャ神殿のように堂々としたオスタリーパークハウスの姿が見えてきます。ピカデリーサーカス駅からオスタリー駅までは地下鉄で約35分、駅からゲートまでは約10分です。入場料と開園時間は下記のサイトをご参照ください。

Osterley Park House

Jersey Road, Isleworth, Middlesex, TW7 4RB (sat nav TW7 4RD)

入場料:https://www.nationaltrust.org.uk/osterley-park-and-house#Prices

開園時間:https://www.nationaltrust.org.uk/place-pages/251/pages/opening-times-calendar

 

キューガーデンズ(Kew Gardens

 

キューガーデンズの正式名称はキュー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew)で、世界中の珍しい植物が集められています。120万平米の広大な敷地に、ビクトリア時代の巨大なガラスの温室、ジョージ三世が家族と暮らした宮殿、日本の民家や山門など見所が点在し、一日がかりでも全て見るのは大変ですから、朝10時の開園時間に訪れるのをお勧めします。ブルーベルはテムズ川寄りのクイーン・シャーロッテ・コテージ(Queen Charlotte’s Cottage)付近で咲いています。このコテージはクイーン・シャーロッテのピクニック用に作られた建物ですから、クイーンもブルーベルを楽しんだのかもしれませんね。 

キューの新名所で空中散歩

キューガーデンズの新しいアトラクションがTreetop Walkway(木のてっぺんの散歩道)です。地上18mをぐるりと巡る200mの空中通路からは、キューガーデンズ全体とその先までが見渡せます。足元がメッシュ素材なので、緑の中で空中に浮かんでいるような気分に。キューガーデンズを訪れたら、この珍しい空中散歩も楽しんでくださいね。

トラデイショナルなハイテイ―を楽しむ

キューガーデンズのビクトリアゲートからキューブリッジ方面へ北上すると、道路の右側にある可愛らしい建物が「Maids of Honour」という名前のティールームです。映画のセットのようなノスタルジックな店内で紅茶と名物のペイストリーを頂くと、古き良き時代にタイムスリップしたかのよう。トラデイショナルなアフタヌーンテイーやハイテイーも楽しめます。ヘンリー八世ご用達という古い歴史を誇るベーカリーが楚となるだけあって、今でも店内でペイストリー類やスコーンが売られています。キューガーデンズの散歩のお供にお持ち帰りしても良いですね。

Newens The Original Maids of Honour

288 Kew Rd, Richmond TW9 3DU

https://theoriginalmaidsofhonour.co.uk/pages/contact-us

キューガーデンズへのアクセス方法

地下鉄ディストリクト線またはオーバーランド「Kew Gardens」駅で下車し、駅前のStation Paradeを左折後、次の三叉路(High Park Road)を右折してすぐのSandycombe Roadを渡って右折。少し歩いた左手のLichfield Roadを直進しKew Roadを渡るとキューガーデンズの入り口Victoria Gateがあります。駅から徒歩約4分です。入場料と開園時間は下記サイトでご確認ください。

Kew Gardens (The Royal Botanic Gardens)

Kew, Richmond, Surrey, TW9 3AE

http://www.kew.org/kew-gardens/plan-your-visit-to-kew-gardens

キューブリッジ付近には埠頭があり、ウエストミンスターからのんびり船で行く事もできます。詳しくは運行会社のテムズリバーボートのサイトをご参照ください。

http://wpsa.co.uk/thames-boats/kew.asp

 

ワンステッドパーク(Wanstead Park

 

ヘンリー七世の狩猟場であったロンドン北西部のこの地に、パラデイアン様式の壮麗な館が建てられたのはジョージアン時代の事でした。その館は残念ながら1825年に取り壊されてしまい、現在はテンプルだけが当時の面影を残しています。庭の装飾として作られた人工の運河が流れるかつてのフォーマルガーデンは、ロンドン最大の緑地イッピングフォレストの一部としてシテイ・オブ・ロンドンが管理する公園となっています。現在はビジターセンターとなっているテンプルの近くにブルーベルの群生を見る事ができます。他のスポットと比べてこの公園自体があまり知られていないので、静かにブルーベルを鑑賞したい方には最適です。

ワンステッドパークへのアクセス方法

ナショナルレイルManor Park駅を出たらForest Driveを左に直進。やがてAldersbrook Roadに合流後も更に直進。Alexandra Lakeの所でWanstead Park Avenueに入り直進すると公園の入り口が見えてきます。駅から徒歩で約20分です。また、Manor Park駅近くにあるオーバーグラウンドのWoodgrange Park駅からも同様の行程で歩けます。或いはCentral線のLeytonstone駅からバスW19に乗りBlake Hall Crescentというバス停で降車し、来た道を少し戻ると公園の入り口があります。あまり目立たないゲートなので見落とさないでくださいね。入園無料でゲートは常に開いていますが、日没後は避けた方が賢明です。テンプル(ビジターセンター)のサイトから公園の地図がダウンロードできますのでご参照ください。

https://www.cityoflondon.gov.uk/things-to-do/green-spaces/epping-forest/visitor-information/Pages/the-temple-wanstead-park.aspx

 

オリンピックパークへ寄り道

Manor Park駅からロンドン中心部方面に3駅進んだStratford駅周辺は2012年にロンドンオリンピックが開催された場所で、その跡地はクイーン・エリザベス・オリンピックパークという様々なアミューズメント施設の複合したレジャーセンターとなっています。また、駅直結の巨大ショッピングセンター・ウエストフィールドには約280軒の店舗と約70軒のレストランが勢揃い。ワンステッドパークで自然を楽しんだ後は、ストラトフォードでアーバンライフを満喫するのもロンドンならではの楽しみ方と言えるでしょう。

クイーン・エリザベス・オリンピックパーク

http://www.queenelizabetholympicpark.co.uk/

ウエストフィールド・ストラトフォード

https://uk.westfield.com/stratfordcity

 

おわりに

 

イギリスに春の到来を告げるブルーベルですが、近年では色が薄くて香りもないスペイン産の亜種との自然交配が進み、イギリスに自生する天然のブルーベルを脅かしています。やがて希少な存在となってしまうかもしれないブルーベルの森の神秘的な美しさを、今年の春こそはぜひ体験してください。




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