バーンズ:ロンドンで見つけた小さな村




ロンドンは世界でも有数の見所の多い観光都市ですが、イギリスを訪れるのでしたらカントリーサイドにも足を伸ばしてみたいものですよね。でも、短期の旅行だとなかなか時間が取れなかったり、列車やバスを使って遠出するのに不安があったりでつい後回しにしてしまってはいませんか?この記事では、ロンドンの中にありながらカントリーサイドの魅力を存分に楽しめるロンドンの中の小さな村、バーンズをご紹介します。

 

混雑する通りに挟まれた異空間

 

バーンズ(Barnes)は地下鉄4路線が乗り入れ、幹線道路のA4が横切るハマースミスからテムズを渡った所を北端に、ロンドンの内環状線の一部であるアッパーリッチモンド・ロードに至るまでを、大きく曲がるテムズ川によって両脇を区切られた半島状のエリアです。常に混雑する二つの道路に挟まれているのに、未だにイギリスの小さな村のような雰囲気を残している不思議スポット。時間がゆったりと流れるカントリーサイドの村のような商店街を歩いていると、タイムトラベルしてしまったのかと思えるほど。そのためセレブや裕福な家族に人気があり、このエリアの住宅平均価格は1.2百万ポンド、日本円に換算すると約1億7千万円という超高級住宅地です。

 

ビレッジポンドから広がる村の風景

 

典型的なイギリスのカントリーサイドにある村の風景というと、中心に白鳥や鴨が泳ぐ池(ビレッジ・ポンド)があり、芝生の広場(ビレッジ・グリーン)が広がる向こうにパブが見える…といった感じでしょうか。バーンズの中心であるバーンズビレッジには全てが揃っています。イギリスの村は、ほんの少し歩くと森や草原といった一面の緑に囲まれるのも特徴ですが、バーンズビレッジでも、ビレッジグリーンから小さい橋を渡るとバーンズコモンという、とても静かで少し心細くなってしまうほどの森が広がっています。この森にいると、今、自分がロンドンに居るのを忘れてしまいそうです。

 

有名なあの曲が録音されたスタジオ

 

ビレッジグリーンから向かって右手方面(東)に歩くと、セント・メリー教会が見えてきます。教会の西側にあるチャペルはバーンズで最も古い建造物で1100年から建築が始まったそうです。その先のオリンピックスタジオは、フカフカのソファーで自宅に居るかのようにゆったり映画鑑賞できるハイソな映画館ですが、その名前は、かつてこの建物にあった有名なレコーディングスタジオの名前に由来しています。例えば、ビートルズの「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」が録音されたのがこのスタジオ。他にもローリング・ストーンズ、ピンクフロイド、ツエッぺリン、デビット・ボウイー、マドンナ、ビヨークなど超大物がこのスタジを利用していました。

 

お洒落な個人商店が並ぶハイストリート

 

さて今度はビレッジグリーンからハイストリートに向かってみましょう。ロンドン市内やイギリスの大きな町のハイストリートはチェーン店に占領されているので、どこへ行っても同じような店が並んでいます。一方でカントリーサイドの村では個人商店が残っており、個性のあるお店を発見する楽しみがあります。そしてバーンズは、2014年の統計によると、ロンドンのハイストリートの中で個人商店が占める割合が最も高い商店街なのだそうです。肉屋、魚屋、八百屋、金物屋など村の生活に必要なものが並んでいて、いずれも個性的でファッショナブル。お客さんとお店の人が顔見知りで、店内で長々と話し込んでいたりするのも村ならではの風景です。

 

肉屋のポークパイでピクニック

 

肉屋ではパイ類やスコッチエッグ、サモサ等も販売しています。全てこの店内で作られたものですから、スーパーの大量生産された製品とは比較にならない美味しさ。特にポークパイは名物なので、小腹が空いたら一つ買って、ビレッジポンドのベンチに座ってつまみ食いしてはいかがでしょう。ハイソな村らしくチーズの専門店もあります。未知のチーズに挑戦してみませんか?

 

テラスからテムズ河畔の遊歩道へ

 

 

ハイストリートを過ぎると視界がぱっと開けて、テムズ川に出ます。この辺はテラスと呼ばれるエリアで、テムズ川を望む18~19世紀のお屋敷が並んでいます。そのうちの一軒は組曲「惑星」で有名な作曲家ホルストが住んでいたお屋敷。ブループラークを目印に探してみてください。ここからほんの少し北上すると、ハマースミス橋まで続くテムズ川沿いの遊歩道に入ります。ハマースミス橋はビクトリア時代に架橋された美しい吊り橋ですから、脚に自信のある方は橋まで歩いてみてはいかがでしょう?遊歩道の入り口の道向かいの二軒の家のテラスには、何故か宇宙飛行士と牛のフィギュアが置かれています。こういうユーモアがイギリス人らしいですね。

 

引き潮時に現れるテムズ河畔

 

テムズ川は、ロンドン西部のこの辺りですら海の干満の影響を受けます。引き潮の時は川底が表れて、まるで海岸のよう。ボートを上げ下ろしする道から河畔に降りる事ができます。テムズ川のこの一帯は、毎年春に行われる有名なオックスフォード大学対ケンブリッジ大学のボートレースが行われる場所でもあり、ボートハウスも点在しているので、練習中のボートをよく見かけます。

 

ボートレース観戦の穴場

 

テムズ川をハマースミスとは逆方向に進むと、ナショナルレイルのバーンズブリッジ駅の向かいから川沿いの遊歩道がモートレーク方面に伸びています。この遊歩道を歩き始めるとすぐにホワイトハートというパブの裏に着きます。この辺りはテムズ川が一番長くカーブする地点なので、最も長くボートレースの様子を見る事ができるため、レース観戦の穴場となっており、パブのバルコニーや遊歩道から声援を送る人々で賑わいます。パブの横から道路に上ると、美味しい紅茶とアフタヌーンテイーで有名なオレンジペコというティーハウスの前に出ます。帰路に着く前に休憩なさりたい方はぜひこちらでどうぞ。

 

大賑わいのバーンズフェア

 

イギリスのビレッジライフのハイライトは、村を挙げてのお祭りフェア。バーンズのフェアは、毎年7月の第2日曜日に開催されます。普段は長閑なバーンズですが、この日ばかりは大賑わい。伝統的なファンフェアーのアトラクションや子豚の丸焼きをはじめとする食べ物の屋台、センスの良いアート&ホビーの出店などがビレッジグリーンにぎっしり集まります。バーンズでは他にも、フードフェア(9月)、ミュージックフェスティバル(3月)等が開催され、コミュニテイの絆を深める役割を果たしています。また、毎週土曜日10時~14時に開かれるファーマーズマーケットは、新鮮な素材からクラフトブレッド、焼き菓子などの美味美食が揃っています

 

バーンズへのアクセス方法

 

バーンズビレッジは保存地域に指定されているため、ロンドンの喧騒を離れそこだけぽっかりとカントリーサイドに空間移動してしまったかのようです。最寄り駅のバーンズブリッジ駅へは、ロンドン中心部のウオータールー駅からナショナルレイルに乗ると、たったの22分で到着します。他に、ハマースミスからバス209、283、419に乗ると、ビレッジポンドの前のバス停に止まります。また、バス33、72のChurch Road/Red Lionというバス停で降りて少し戻ってから交差点を渡り、そのまま直進するとビレッジに到着します。半日でカントリーサイドを訪れた気分に浸れるバーンズ、次回のご旅行の予定に加えてみませんか?




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