体験者によるイレブンプラス攻略法!




イレブンプラスという言葉は日本では馴染みがありませんが、イギリス在住で小学生のお子様がいらっしゃるご家族にとっては、思わず耳を尖らせてしまう言葉ではありませんか?イレブンプラスを受験した子供の親である私自身の体験から、イレブンプラスとどう向き合えば良いのか、そしてその攻略法をお伝えしたいと思います。

 

イレブンプラスとは

イレブンプラスは小学校5年生(11才)を対象とするテストで、英語・算数・バーバルリーゾニング(VR)・ノンバーバルリーゾニング(NVRの4種類があります。かつては全生徒が受ける一斉テストで、その結果により大学進学を目指すグラマスクールと一般校に振り分ける役割を担っていました。1970年に入ると多くの行政区で廃止となり、現在ではグラマースクールや私立の中等部の入学選抜試験として使われています。

イレブンプラスの重要性

イギリスの教育制度では、小学校卒業後、日本で言う中高一貫校のセカンダリースクールに入学します。ここで5年後にはGCSEという一斉試験の後、シックスフォームに進学し、2年後にAレベルという一斉試験を受験。大学はその結果で合否を判断します。それでAレベルの成績の良いセカンダリースクールに人気が集まるのです。イレブンプラスは日本の高校受験に匹敵する、子供たちの将来を左右する非常に重要なテストと言えるでしょう。

わずか11才でそんな重要なテストを経験するイギリスの小学生は不憫に思えますが、親としては何とか良い成績を得て、レベルの高いセカンダリースクールに入学して欲しいというのが本音ですよね。

イレブンプラステストの種類

数年前まではVRとNVRのみが試験科目の学校が殆どでしたが、最近は英語と算数も加える学校が増えてきました。英語と算数は学校での学習要領に順ずるテストですが、VRNVRは学校のカリキュラムにはありません。これらは云わば知能テストのようなもので、受験対策の塾や家庭教師、問題集が一大ビジネスとして存在します。問題のパターンが決まっているため、練習すれば確実に得点が上がるからです。

VRは文章による設問で、読解力、論理的思考能力、問題解決能力、語彙力が試されます。一方のNVRは図や絵による設問で、論理的思考、パターンや空間の認識力が試されます。ここでは学校では教わらないVRとNVRの得点を上げる攻略法をご紹介します。

VR 語彙力の問題例

まずはVRとNVRがどのような問題なのか、実際に見てみましょう。まずはVRの語彙力を問う問題例をご紹介します。

問題:最初の単語から一文字を取り、二つ目の単語に加えて二つの新しい単語を作りましょう。

  1. steam, pot 2. broad, cue 3. found, tor

(答 1:team, post、2:road cube、 3:fond, tour)

VR算数と読解力の問題例

続いてVRの算数と読解力の問題です。

テリー、チャーリー、シルビア、マリオ、パブロの5人は石蹴りで遊んでいます。1から10までの番号の入った枠のうち、テリーとチャーリーの石だけが偶数に入りました。マリオの石は5人の中で一番小さい数字で、シルビアの石は7でした。5人の中で同じ枠の中に入った子はいません。1と5と10の枠は空いています。

A~Eの中で正しい文章を選びなさい。

Aテリーの石は5

Bパブロの石は9

Cシルビアの石はチャーリーより大きい数字

Dマリオの石は2

Eチャーリーの石は6

(答:マリオ、パブロの石は奇数にある。奇数で残っているのは3と9のみ。最小値のマリオが3なのでパブロは9となる。つまり正解はB。)

NVRの問題例

Exampleの問題を見てみましょう。Aは四角形、Bは円形、Cは三角形を意味し、Xは黒、Yは水玉、Zは横縞を意味しています。問題は三角形の横縞なのでCZなのでeが正解。

問題1では、大きい白い円と小さい円があり、小さい円の色はA:白、B:黒、C:✖印です。小さい円の位置は大きい円のX:外側、Y:円周上、Z:中となっています。問題は✖印の小さい円が大きい円の外側にありますからCXなのでdが正解です。

問題2では、矢印の向きがL:上、M:下、N:右、O:左で、矢印の形はX:太い黒、Y:塗りつぶしていない、Z:矢印の先だけ塗りつぶしとなっています。問題は下向きで先だけ塗りつぶした矢印なのでMZ、つまりeが正解です。

 

イレブンプラスの準備は早いほど有利

実際に問題を見ていかがでしたか?イレブンプラスの試験は1問につき30秒以内に回答するのが目安ですが、事前に練習しないで、これらの問題を30秒で解くのは難しいと思いませんか?つまり、どんなに学校での成績が良い子供でも準備が必要なのです。

塾や家庭教師は4年生の冬から始める子供が多いですが、家庭内で試験を意識した準備を始めるのは早ければ早いほど有利です。とは言え、特別な内容ではありません。語彙と読解力は必要不可欠な要素ですが直ぐに習得できるものではありませんので、まずはこの二つを攻めましょう。

 

遊びながら語彙と読解力、図形観念を伸ばす

 

語彙と読解力を伸ばすには、積極的に本を読ませるのが一番です。知らない言葉について聞かれたら、同義語や反義語についても考えさせ、語彙を増やします。通常の会話でも、なるべく幼児語ではなく大人の使う単語を使うように意識します。クロスワードパズルやワードサーチ、Scrubberなどの語彙の増やして正しいスペルを覚える遊びを取り入れるのも良いアイデアです。

また、図形や空間の観念を理解できるような遊びも導入しましょう。ブロックやパズル遊びの他、二つの似た絵の間違い探しゲームや紙箱を開かせて平面ではどうなるのかを見せるのも有効です。

 

志望校にフォーカスした塾・家庭教師を探す

 

VR・NVRの問題は同じでも、学校によって試験問題の構成が異なります。また、従来のGL Assessmentではなく新しいCEMのテストを採用している学校もあります。イレブンプラスのテストは、とにかくスピードが勝負。慣れない設問構成に手間取っている数秒でも惜しいのです。子供も1ページ当たり何分で進めれば間に合うのか分かっていれば、無駄に焦らずに実力を発揮できます口コミやネットで第一希望の志望校にカスタマイズした塾や家庭教師を探し出す事がイレブンプラス成功の第一歩です。

塾と家庭教師、どちらが良い?

私見ですが、子供のモチベーションを持続させるには、塾で他の受験する子供たちと一緒に学習させるのが有効であると感じます。選抜試験のないセカンダリースクールに進学するクラスメイトは今まで通り毎日遊んでいるのに、何故自分だけは勉強しなくてはならないのかと不満に思うのは当然です。11歳の子供に将来のためと言っても納得できないでしょう。塾には、同じように勉強する仲間が居るのを知り、モチベーションを持続させる効果があると思います。一方で、一人でもコツコツ続けられる子供や、他の子供がいると委縮してしまうタイプの子供は、家庭教師の方が向いているでしょう。子供の個性を見極めてどちらが適しているか選んでください。

塾や家庭教師に頼りすぎないこと

評判の良い塾や家庭教師を見つけたからと言って、準備万端と安心できません。VRもNVRも学習方法の基本はドリルです。スピード勝負なので、問題を見た瞬間に、それがどんなタイプの問題でどこに注目すれば良いのかわかるように、繰り返し問題を解くのが学習の目標なのです。しかし、11歳の子供に問題集を与えて一日何ページやりなさいと言っても、なかなか続くものではありません。一人で学習させるのではなく、毎日時間を決めて、親が一緒にクイズを解くように楽しみながら学習する方法が最も効果的です。イレブンプラスの問題集は書店やネットで購入できます。

 

この問題集もお勧めです!

イレブンプラスの問題集ではありませんが、Schofirld&Sims社が刊行している「Problem Solving」シリーズはイレブンプラスの算数とVR対策に大いに役立ちます。この問題集をワークブックとして使っている学校もある位、信頼されているシリーズです。小学校低学年向け(KS1)からありますので、早くからイレブンプラスを準備するには最適です。書店やネットの他、一部の図書館でも販売されています。

家庭で模擬試験にチャレンジ

週末で時間のある時に、市販の模擬試験の問題にチャレンジさせてみましょう。その際、スマホのタイマー等で必ず時間を計ってください。初めはプレッシャーを与えないように正解率はあまり気にせず、時間配分の感覚を身に付けさせるのと、集中力を持続させる事に主眼を置くと良いでしょう。また、マークシートの答案用紙に慣れさせる利点もあります。模擬試験の問題は書店やネットで入手できます。また、下記サイトの他、いくつかのイレブンプラス関連のウエッブサイトで無料ダウンロードが提供されています。

http://www.11plusguide.com/11-plus-papers-books/free-11-plus-papers/

模擬試験会場で模試を受けてみる

業者主催の会場に出掛ける模擬試験も、1度は受ける事をお勧めします。見知らぬ会場で、見知らぬ人々と、厳粛な雰囲気の中で試験を受けるのは、子供によってはとてつもない緊張感で委縮してしまうものです。実力が出し切れなかったり、嫌がって泣いてしまったり、具合が悪くなってしまう子供もいます。試験の雰囲気を経験させる事によって、緊張感を軽減させてあげたいですね。同様に、第一志望の試験日前に入学試験のある学校があれば、模擬試験代わりに受験させるのも一案です。

 

終わりに

イレブンプラスの試験の難しさは、試験そのものではなく、10~11歳の子供をいかに試験に対峙させるかにあると思います。プレッシャーに押し潰されないように心を配る一方で、真面目に取り組ませるさじ加減が重要です。子供に一方的に押し付けるのではなく、親も一緒に努力する姿勢を見せ、子供一人ではなく親子で立ち向かっているのだと分からせる事が、イレブンプラスを攻略する一番の策だと思います。これから受験の皆様、どうぞ頑張ってくださいね。




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